専門家が冬のダイエットに「おでん」をすすめる理由
厚着になる冬。お腹や二の腕、つい油断してしまいがち。気がつくとぷよぷよになっていたり……悩ましい「冬太り」、撃退法はあるのでしょうか?
20~50代を対象にした調査によると、女性のうち約6割が冬太りを経験しています。じつは冬は一年のうち最も太る季節なのです。その原因は、大きく分けて3つあると、専門家は話します。
冬太りしてしまう3大原因は……
整形外科医、またスポーツドクターでもある中村格子先生は、冬太りについて、
- 甘いもの(糖質過多)
- 冷え
- 運動不足
の3つが大きな原因であると語ります。
寒くなると身体は、体温を維持するためにエネルギー効率のよい食べ物(糖質)を欲しがります。そのためやたら甘いものが食べたくなる、というのが1つめ。3つめの運動不足は、寒くて動くのが億劫になる冬に、誰もが陥りがちな現象です。
活動量が減っているのに甘いものをたくさん食べれば、糖分が余る状態になります。エネルギーは口に入ってくる糖分だけでまかなえてしまうので、脂肪を燃やして熱を生み出す筋肉が使われなくなり、身体はどんどん冷えていくのです。これが2つめの「冷え」。
結果、ぶよぶよしたお肉がお腹周りや二の腕周りについてしまうことに!
この悪循環を防ぐには、3大原因の中でも全ての元凶と言える「冷え」を撃退すること。これが不可欠です。
冬は痩せるチャンスでもある
ここでひとつ朗報を! もともと冬は、基礎代謝がアップし痩せやすい季節でもあるのです。下のグラフを見てみましょう。
寝ていてもカロリーを消費してくれる「基礎代謝」がアップするのも、脂肪燃焼の心強い味方「褐色脂肪」が活性化するのも、なんと他ならぬ冬の時期。
ただしそれを活かすには、「自分自身で熱を生み出せる身体」であることが必須条件です。冷えきった身体では、基礎代謝アップも褐色脂肪の活性化も効果が薄れ、台無しになってしまいます。
ここは、なんとか体質改善したいところですね。そのために大事なのはまず、食事です。甘いものばかり食べていてはNG。食事の際の簡単なポイントを押さえて、冬の「熱トレ」をスタートしましょう。
冬の食事で守るべき3つのポイント
中村先生が所属する『ウーマンウェルネス研究会』では、冬の「熱トレ」を推奨しています。熱トレとは、人の身体が本来持っている熱を放出する力を鍛え、代謝を上げていくメソッドのこと。
冬太りを予防する「熱トレ」食事のポイントは、次の3つです。
1.「温かい汁物」
冷え予防に最適です。スープや味噌汁など、毎食必ず温かい汁物を飲むようにしましょう。具沢山だと完璧!
2.「タンパク質」
脳が甘いものを欲するのは、エネルギー不足の印です。でもスイーツでは必要な栄養素を摂取できないため、どんなに食べても満足できない悪循環に陥りがちです。
甘いものが食べたくなったら、代わりにタンパク質が豊富なチーズや豆類、煮干しなどを食べてみましょう。また、ビタミンとミネラルが豊富な、果物や野菜スティックも効果的です。
3.「緑茶を飲む」
緑茶に含まれる茶カテキンは、継続的に摂取することで脂肪の代謝をアップします。食事中の脂肪も身体に溜まった脂肪も燃焼してくれますよ。
冬は「おでん」で代謝アップ!
ちなみに、同研究会が薦める冬の熱トレ料理は、とっても身近なあの料理。何だと思いますか?
なんと熱トレにおすすめなのは、ほっこりあたたか「おでん」なのです。これにはきちんと根拠もあります。
代謝のサイクルというのは、「着火→循環→吸収→燃焼」の4つの段階に分かれているのだとか。そして、それぞれの段階に効果的な食材があります。
- 着火系……カロリーを燃やす食材。玄米、米、イモ、麺類など。
- 循環系……栄養素を代謝・循環させる食材。青魚、野菜、果物、ナッツなど。
- 吸収系……腸を整え、吸収・排泄機能を高める食材。ヨーグルト、納豆、味噌など。
- 燃焼系……筋肉をつくる食材。豚肉、牛肉、鶏肉など。
そしておなじみ「おでん」の具材には、この4つの食材グループすべてが含まれているのです。
着火系のジャガイモ、ちくわぶ。循環系の大根、こんにゃく、トマト。吸収系の昆布、ゴボウ天。燃焼系の玉子、牛すじ、厚揚げ、がんもどき……などなど。具だくさんのおでんは、冬の代謝アップにお役立ち! たくさんの食材を少しずつ食べられるのも良いですね。
【まとめ】
今年こそ絶対、冬太りを撃退したい! というあなた。今夜の夕食から変えてみるのはいかがですか?(豊島オリカ)
情報提供元:ウェルラボ