真木よう子、二階堂ふみに「自分にはないものを持っている」【インタビュー後編】

金沢三文豪のひとりである室生犀星が、晩年に発表した小説『蜜のあはれ』が、 映画『蜜のあわれ』として2016年4月1日(金)より全国公開しました。

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映画『蜜のあわれ』は、作者である室生犀星自身ともとれる老作家の妄想から生まれた金魚の少女が、自分のことを “あたい” と呼び、老作家のことを “おじさま” と呼んで甘えてみせる可愛らしい恋の物語。

金魚から人間の姿に変貌する少女・赤子をコケティッシュかつ自由自在に演じるのは二階堂ふみ。赤子は二階堂さんが高校生の頃に原作小説を読み、映画化するならぜひ自分が演じたいと熱望した役だそう。赤子と共に暮らす老作家役には大杉漣。また老作家の過去の女である幽霊役には真木よう子。そして同時代に活躍した作家・芥川龍之介役には高良健吾。金魚売りの辰夫役に永瀬正敏と個性豊かな俳優陣が脇を固めています。

そして監督は、ジャンルを超越した強烈な世界観で熱狂的な支持を受け精力的に作品を創りつづけている石井岳龍監督が務めました。

今回Woman Insightでは、そんな『蜜のあわれ』にて、金魚の少女・赤子を演じる二階堂ふみさんと、幽霊であり、おじさまこと老作家の過去の女・ゆり子を演じる真木よう子さんのおふたりにインタビューしました! 今回はその後編。

★前編はコチラ→真木よう子、「必死でウグイスのフォローしてました(笑)」

 

蜜のあわれ,真木よう子,二階堂ふみ

 

Woman Insight(以下、WI)二階堂さんは、高校生の頃から赤子を演じたいとおっしゃっていたそうですが、赤子のどんな部分に惹かれましたか?

二階堂ふみ(以下、二階堂) 赤子がやりたいというよりは 、“この作品を映像化したい” という感じですかね。もちろんやりたいという気持ちもあって17歳の時に出した本にも赤いワンピース着て、おかっぱで……っていうふうに書いていたんですけど。やっぱりこういう原作を読んだ時の、“わからないけどおもしろい” というか “わからないことがおもしろい”という作品が、もっとたくさんあってもいいんじゃないかなと思ったりするんです。わかることが良くて、じゃあわからないことが良くないのかって事はないと思うので、観た人に幅が出るというか、観た人がそこから自分次第で色んなところに感想を持てる作品っていうのをすごく自由でいいなと思うので、そういう作品をやってみたいなと思ったのと、あとやっぱり金魚とおしゃべりする老作家の映画が観たい!って純粋に思いました。

WI 衣装などにもご提案されたとか?

二階堂 澤田石さんがとても綺麗な衣装を作ってくださったいたので、私からは「ぽっくりを履きたい」と言ったくらいでしたね。あとは全てお任せしていました。