1mmにかける情熱!セーラームーンコスメ、商品開発裏話

新アイテムを出すたびに超話題になっている「美少女戦士セーラームーン」モチーフのコスメ、「ミラクルロマンス」シリーズ。
このシリーズの立ち上げ時から企画をたったひとりで担当をしていた、いわば「ミラクルロマンス」シリーズの生みの親である江崎友佑子さんに、商品開発裏話やアイテムにかける情熱などをお聞きしました。前回に続き、今回はさらに詳しくうかがいます!

★前回の記事はコチラ→ 大ヒット秘話!セーラームーンコスメの企画担当は、たった1人の女性だった

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Woman Insight編集部(以下、WI) ひとつの商品が出来上がるまで、どのくらいの時間がかかるのでしょうか?

江崎友佑子さん(以下、江崎) ものによりますが、もともと形が決まっているアイライナーでだいたい半年。パウダーや香水などの立体ものは、長いものだと1年半くらいかけて作っています。

 

WI 今だから言えるような商品開発の裏話などはありますか?

江崎 たくさんあります(笑)。例えば「シャイニングムーンパウダー」。これは、元々あったコンパクトの玩具を参考に形状を作ったのですが、元々の玩具は乾電池を入れて遊ぶものだったので、もっと下の部分が分厚かったんです。そのサンプルしかない中で、理想のコスメの形状に持っていくときの丸み感や大きさ感はどうやったら出せるのか、ということがかなり難しく……。まず画面上の3Dで何度も立体を作るのですが、そこがもう、ああでもないこうでもないと、1mm単位で調整する作業を何十回もやりました。本当に、1mm違うだけでまったく違う印象になるんです。

mc4(写真手前が玩具のコンパクト。写真奥が開発したパウダー。確かにまったく形状が違います……!)

 

WI かなり想像を絶する途方もない作業ですね……。他に何かエピソードはありますか?

江崎 「アイライナーのパッケージにセーラームーンの絵柄を入れるか入れないか」は、最後まで様々な意見がありました(笑)。フルカラーのセーラームーンを表に出してしまうとちょっと子どもっぽくなってしまって、ターゲットとしている大人の女性が手に取りづらくなってしまうのではないか。でも、シルエットにするとセーラームーン感が少ない……という兼ね合いで、最後までもめ続けました。最終的に、表はシルエットで、扉の中にフルカラーでキャラクターのデザインを入れる形で決着しました。それに、店頭の紙什器ではフルカラーのセーラームーンのプリントが前面に出ているので、商品パッケージはシルエットにとどめておこう、と。

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(左:パッケージ。右:パッケージの扉の中)

 

WI 確かにフルカラーのセーラームーンだと「子ども向けなのかな?」と思ってしまうかもしれませんね。

江崎 アイキャッチとしてはフルカラーのほうが「セーラームーンだ」ってわかりやすいのですが、大人の女性が手に取って買うことを考えるとないほうがいい、その按配は難しいポイントでした。あとは、パッケージに描かれているリボンにもこだわりました。このリボンは全部デザイナーさんが手描きで描いてくださったものなんです。

mc5(パッケージのリボンに注目!)

 

WI パソコン全盛時代に手描き!

江崎 データで作ってしまうと、どうしてもかたいラインになってしまいます。なので、手描きのリボンをデザイナーさんに何パターンも出していただいて、ああでもないこうでもないと夜な夜な電話しながら決めました(笑)。

 

WI すごい! 情熱がこもっています……!

江崎 私やデザイナーさんも含め、セーラームーン関連アイテムって、ちょうど世代だった女性が担当していることが多いんです。そのため、もちろん仕事ではありますが、半分趣味で作っている方が多い(笑)。リアル世代がリアル世代に向けて作っている、というのが面白いな、と思います。

 

WI だから愛のつまった素敵な商品が多いのですね!

江崎 担当者同士、お互いが作った商品を見せ合って「これかわいい!」「このデザインどこに頼んだの?」「このモチーフ使いたい!」とか、いい商品ができるとものすごく褒め合っています(笑)。権利元さんと「この商品はこういうデザインでいきたいと思います」という確認会をするときも、かわいいデザインが出てくるとオーディエンスが「これはいい! かわいい!」って、わきます(笑)。でも、ちょっと違うものが出ると「……ん?」って。セーラームーンって、みんなの中で言葉にならない共有イメージがあって、そのイメージにちゃんと到達したものを作れるかが本当にキモなんですよね。

 

WI 「言葉にならない」……とおっしゃっているなか聞くのもなんですが、あえて言葉にするとしたら、どんなイメージですか?

江崎 「キラキラ、かわいい、ピンク」。言葉に出すとすれば、そんなイメージですよね。単純なんですけど、でもそれだけじゃない。20~30代女性という、リアル世代同士は同じ「これだ!」という感覚を持っていて「これは間違いないよね」とわかりあえますが、ベテランの40~50代の方や男性はその感覚がわからない。感覚がわからない方に説明するときに「キラキラかわいいのでこれはいけるんです!」だと、ちょっとよくないですし(笑)。イメージを言葉に置き換える、ということは、いつも本当に難しいなと思っています。

 

「ミラクルロマンス」シリーズのもととなっているのは、江崎さんの幼少期からのセーラームーンへの愛。次回最終回、過去のお話や気になる今後の展望をうかがいます。お楽しみに!(後藤香織)

★前回の記事はコチラ→ 大ヒット秘話!セーラームーンコスメの企画担当は、たった1人の女性だった

クレアボーテ 公式サイト http://www.creerbeaute.co.jp/

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