「リフォーム」と「リノベーション」って…何が違うの?
引っ越しを考えたいときなどに物件を見ていると、このような文章を見かけることはありませんか?
「内装フルリフォーム済」
「リノベーション済のリノベ物件!」
……などなど。
なんとなくざっくり両方とも「内装をキレイに工事しなおした、内装は新築同様の物件なのかな?」とは思うものの、実はいまいち意味をよくわかっていないという方は多いのではないでしょうか。
(たとえば、これはどっち?)
住宅の設計や施工、管理、リフォーム・リノベーションなどの住宅関連事業を手掛けている株式会社レオハウスのリノベーション部で設計を担当している、滝澤祐喜子さんにうかがいました。
Q.「リフォーム」と「リノベーション」って、何が違うんですか?
どちらも「工事」ではありますが、住宅に手を加える目的が異なります。
<リフォーム>「元に戻す工事」です。
年月が経って老朽化した建物を、建築当初の性能に戻すことが「リフォーム」です。
賃貸マンションやアパートの場合は、入退去後に、その入居者が住む前の状況に戻すことを「現状回復」と呼び、これもリフォームの一種です。
主に現状と変わらない壁紙の貼り替えや外壁の塗り替えなどは「リフォーム」になります。
リフォームでは主に不具合が出た箇所への部分的な対処を行うことが多いので、小規模な工事が多いです。
<リノベーション>「より良くする工事」です。
一方「リノベーション」は、用途や機能を変更して、現状よりも性能を向上させたり、価値を高めることが目的です。
現状、主な住まいの選択肢といえば、新築または中古物件の購入か賃貸です。ですが、近年はそこに新たな選択肢として中古物件を購入してリノベーションする「中古リノベ」という選択肢が注目されています。
たとえばライフスタイルに合わせた間取りの変更。バリアフリーへの対応。ホームパーティで囲めるようなアイランドキッチンをLDKにどんと置くこと。それ以外にも耐震補強工事なども「リノベーション」に該当します。「リフォーム」に比べると大規模な工事となることが多いです。
「海外ドラマのようなインテリアの部屋に住んでみたい」「ウォークインクローゼットの中で今日のコーディネートを選びたい」など、理想のライフスタイルにマッチした暮らしをしたいというニーズは年々増加しており、日本人のインテリアへの関心はどんどん高まってきていると言えます。
昔は日曜大工と呼ばれていた「DIY」という言葉も浸透し、自分で壁紙を張り替える……という方も増えてきています。工事の大小関係なく、リフォーム・リノベーションを行って自分の理想のライフスタイルを叶えられる家で暮らしていく、ということは、ますます増えていくことでしょう。
賃貸物件を見ていても「リノベ物件」と書かれているものは何かしら面白い物件が多いもの。(しかもたいてい築年数が経っているので、キレイなのに家賃が安かったりしてお得な気分♡)
ちなみに冒頭のこちらの画像は、「原状回復=リフォーム」ではなく、床や壁の材質・色が元々のものから変わっていることから「リノベーション」にあたるとのこと。
もうすでにご自分の家を購入済の方も、これから物件を探す方も「リノベーション」がキーワードになってくるかも。1日のかなりの時間を過ごす「家」。是非「リフォーム」と「リノベーション」の違い、頭に入れておいてくださいね♪(後藤香織)
取材協力/株式会社レオハウス
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