なぜ男は「服の裾をつかんで好意をアピールされる」と弱いのか?臨床心理士に聞いてみた

よく、少女漫画のワンシーンで、服の裾をチョンってつかみながら「好き…」とつぶやくシーンがありますよね。見ているこっちもドキドキしちゃうようなシーンですが、男性はなぜ服の裾をつかんで好意をアピールされると弱いのでしょうか?

服を引っ張る女子

たとえば、こんな感じ

雑誌「別冊マーガレット」で12年にわたって連載され、数多くのファンに愛されている漫画作品『君に届け』。少女漫画のバイブルともいえる『君に届け』の中でも、この「服の裾をつかんで好意をアピールする」名シーンがあります。

恋愛におけるこの行為について、臨床心理士である岡村 美奈先生に詳しく聞いてみました。

◆間接的な触れ合いは、ボディタッチより好感をもたれる


お互い気になっているものの、なかなか次の一歩が踏み出せない爽子(主人公)と風早。帰り道、風早に送ると言われた爽子は、嬉しくてお礼が言いたくて、風早のコートの裾をつかみます。それは、担任ピンから聞いた「つかんで5秒、目をつぶれ」という行為でした。

◆心理学テクニックとしても効果的


このような状態を、言語技術教育者のヴァーガスは「フィーリングの二重性」と呼びます。フィーリングの二重性は、触れ合いによって肌で感じることと同じように、触れ合っていなくても感じるという意味。

服の裾をちょっとだけつかまれる、袖を少し引っ張られるという仕草は、昔から男性が気を惹かれてしまう女性の定番の仕草です。では、なぜこの仕草が男性に好まれるのでしょうか。

「この仕草は、子どもの仕草を連想させます。背が低い子どもは、自分の存在に気づいてもらいたい時や大人の気を引こうとする時に、大人の服の裾や袖をつかんだり、引っ張ることが多いですよね。すると大人は、そんな子どもに対してかまってあげよう、守ってあげたいと思うものです。ただつかむ、というだけでなく、爽子のように風早のコートの裾をつかんで離さないという仕草は、相手に対して自分の意思や感情をポジティブに伝えるメッセージになります。

つかんで引っ張る、つかんだまま離さないという仕草から、つかまれた相手は、『触れ合いたい、物理的な距離を縮めたい』という相手の願望を敏感に察知。同時に、心の触れ合いをもっと親密にしたいという相手の気持ちを、そこから感じ取るのです」

意中の彼と距離を縮めたいけど、急に肌と肌を近づけ合うのは難しいものがありますよね。そのときは、服の裾をつかんで気持ちを伝えることで、相手も構えずにポジティブに受け取ることができます。

まさに、心理学テクニックを組み合わせたモテテクですね!

 

臨床心理士の岡村先生が、『君に届け』の登場人物たち言動を解説し、「ゲインロス効果」「モデリング」「フレーミング効果」など心理学的な観点から、相手の心に届く方法を伝授する一冊。

人が人を好きになるという心の不思議、恋愛感情がうまく伝わらない理由、恋愛したはずなのに心がすれ違ってしまう謎など、恋愛の不思議や秘密を学びつつ、「男心がわからない」「つらい恋にのめり込んでしまう」「甘えたいけど甘えられない」など、恋にまつわる悩みを解決してくれます。恋に悩む女子は、是非チェックしてみて。

『恋愛セオリー 『君に届け』が教えてくれる手の届かない恋を成就させる方法』

著者/岡村 美奈 1,404円(税込)

情報提供:株式会社かんき出版

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