仕事や学校で毎日くたくた〜。なんて感じていませんか? 癒されたいあなたにピッタリなのが、いま巷で超・超話題のキャラクター『コウペンちゃん』です。
コウペンちゃんは、Twitter生まれの赤ちゃんペンギンキャラクター! 登場からわずか約9ヶ月で「LINEクリエイターズアワード2017」新人賞を獲得。本屋さん、LOFT、ヴィレッジヴァンガードなどの雑貨店でもグッズを見かける機会が増えています。その特徴は、あなたをまるごと肯定してくれること♡ ふわふわフォルムで「ちゃんと起きてえらい!」「おふとん出たの? えら〜い!」とどんなことでもしっかり褒めてくれるんです♡
CanCam.jpではコウペンちゃんの生みの親、イラストレーター“るるてあ”さんへの独占インタビューに成功。今回なんとありがたいことに、描きおろしのイラストまで頂戴してしまいました!(イラストは記事の後半で公開します、お楽しみに★)
コウペンちゃんに込められた想いとは? とくに人気のあるキャラクターは誰? などなど、疑問をぜ〜んぶ伺ってきましたよ! では早速インタビューをどうぞ!★
◆コウペンちゃんについて
Q.コウペンちゃんを最初に描かれたきっかけは?
もともと趣味で絵を描いてTwitterに載せていたんですが、「せっかくだからもっとたくさんの人に見てもらって、喜んでもらえるものを描いてみよう」と思い、試行錯誤を始めました。そのときちょうど四月くらいで、「環境が変わってちょっと気持ちがモヤモヤしちゃう人も多いだろうな」と感じていたので、それに対して寄り添ったものを描いたら、たくさんの人に見てもらえて、喜んでもらえるのではないかと思ったんです。
「自分だったらどういうことを言われたいかな」「どんなセリフがあったらいいかな」と考える中で、コウペンちゃんが生まれました。
Q.そこから運命の1作目「出勤してえらい!」が生まれたんですね。
当時は私も別の仕事で通勤していて、いつも「こんなセリフ言われたいなぁ」と思っていたんです。だって電車って、めんどくさいじゃないですか(笑)。だからあのイラストは半分は自分のために描きました。
前日の夜に描いておいて、職場について仕事を始める直前(AM6:30頃)にぽんとTwitterに載っけたんです。「よし言われたぞ」というつもりで働いて、お昼休みにTwitterを覗いてみたら、思わぬほどの反響をいただいていたのでびっくりしました。
なのでコウペンちゃんって、最初はキャラクターとして作ったわけじゃなく、単純に一枚のイラストとして公開したんです。絵柄もだいぶ違っていましたね。今はだいぶデフォルメされて丸っこい形になっています。
Q.翌日にはもう早速2作目が掲載されましたね。
はい、私の中で「絵はスピードだ」という、ちょっとした標語みたいなものがあるんです。
Q.特に反響が大きかったのはどのイラストですか?
反響が大きいのは、やっぱり出勤系です。
私自身も「起きること」、「出勤すること」、それから電車とか雨とかそういう「通勤する過程」がとっても億劫なんですが、その3点には大きな反響があります。「ああ〜日本にはこの3つを面倒に感じている人が本当にいっぱいいるんだなあ」とすごく感じますね。
とくに「起きてえらい」系の絵は、自分が「やっぱりまた言われたい」と思ったときに描いてしまうのでもう何回も似たようなものを上げているんですが、その都度反響が大きいです。
Q.ファンからの嬉しい感想や、印象に残るエピソードは?
生活の中にコウペンちゃんが採り込まれいるようなご感想を頂くと、本当に嬉しいです。そこまで感情移入していただけるなんて、当初は思っていなかったので。
2017年夏に「きみとコウペンちゃんと夏休み」っていう企画をやったんですが、あのときは自分も単行本の作業で忙しくてどこにも出かけられなかったので、夏休み気分を味わいたくて描いていました。(編集注:ある朝目覚めたらコウペンちゃんが「きみ」の部屋にいた、という設定で、Twitter上で絵の更新を行いました。朝昼晩の3回×11日間にわたり、朝顔を育てる、蛍を見る、花火をするなど、Twitter越しにコウペンちゃんと読者が夏休みをともに過ごすような内容でした)
そもそも、夏休みって大人になるとほとんどないじゃないですか。そういう人が少しでも、この絵を見ている一瞬だけでも夏休み気分を味わえるといいなと思いながら描いていました。そのときに、「仕事が休みになるわけじゃないけど、コウペンちゃんと夏休みしてる気分になれて楽しい」とか「仕事中、もう更新されたかなぁ? とチェックしました」という反響を頂けたんです。
誰かにちょっとでも影響を与えられたというか、その人の生活の中でふと思い出してもらえるっていうのがたまらなく嬉しいなぁと感じました。
最初は自己満足で描いていましたが、今は見た人が生活の中で少しでも「ホッとする」とか、コウペンちゃんの賢くないところを見て「まいっか、この子もこんなだし」なんて思ってもらえたらいいな、と考えながら描いています。
◆コウペンちゃんの仲間たちについて
Q.ご自身のお気に入りの1枚は?
初めて「邪(よこシマ)エナガちゃん」が出てきてコウペンちゃんと共演したときの絵がお気に入りです。
邪エナガちゃんがコウペンちゃんに「我にかかれば貴様など焼き鳥にしてやる」みたいなこと言うんだけど、コウペンちゃんに「そうなの? すごーい!」って言われて、あっさり「ありがとう〜」ってほだされちゃう……っていう絵を描いたんですけど、それが自分の中では一番お気に入りです。
Q.邪エナガちゃんを出演させたきっかけは?
コウペンちゃんはすごく褒めてくれるし毒がないけど、私自身がひねくれてるせいか、あんまりにも純粋なキャラクターを見ると「いいこぶっちゃって」みたいな気持ちに、ちょびっとなってしまうんです(笑)。そういう自分の中の小さな「邪悪な部分」がコウペンちゃんをちょっとだけ邪魔する、というのがあるといいかなと思って登場させました。コウペンちゃんを少しつっつく、バイキンマンみたいな存在です。
Q.お気に入りのキャラクターは?
「教えてくれるタイプのしろくまさん」です。
肯定してくれるコウテイペンギンのコウペンちゃん、シマエナガの邪エナガちゃんと、そのあたりは名前が言葉のアヤなんですけど、「教えてくれるタイプのしろくまさん」ってもう、どこから持ってきたのかわからない感じですよね(笑)。仲間外れというわけじゃないんですが、一人だけちょっと雰囲気も違うし、作品にもたまにしか出てこないし。じつはLINEスタンプにもまだ一回も登場してないんですよ。それなのに告知のときは大活躍してくれるという、便利な役回り(笑)。そういうところがなんだか気に入っています。
Q.コウペンちゃんファミリーの全貌は?
今のところ、コウペンちゃん、邪エナガちゃん、教えてくれるタイプのしろくまさん、大人のペンギンさん、アデリーさんの5人です。
ちなみに単行本にも書きましたが、大人のペンギンさんとコウペンちゃんの間の血縁関係は、謎です。べつに親子ではないという、謎の関係です。
Q.コウペンちゃんに似た赤ちゃんがたくさん出てくるときがありますが、彼らもコウペンちゃんの兄弟ではないんですか?
違います。あれは全部コウペンちゃんです。というのも、コウペンちゃんのコンセプトは「いっぱいいて、どこにでもいる」なんです。
一匹だと特定の場所にいたら「私のとこにはいないんだ……」ってなってしまうけど、いっぱいいるので今も自分のそばにいる可能性があるって思ってほしいんです。
「あなたの近くに」っていうのは、コウペンちゃんを描く上で一つのキーワードとして持っています。イラストを描くときも、背景をわざとモヤ〜ッとした感じにさせています。想像してもらって、そばにいるような感覚になってもらえたら嬉しいです。
Q.特に人気のあるキャラクターはいますか?
以前はコウペンちゃんが圧倒的でしたが、最近は「邪エナガちゃんをもっと見たい、スタンプやグッズがもっとほしい」という声が増えています。邪エナガちゃんのマスコットを求めて「お店を3軒回ったけど無かった」なんて言ってくださる方もいらっしゃって、ありがたいですね。
もう一人、人気が急上昇しているのがアデリーペンギンの「アデリーさん」です。
料理上手なアデリーさんが料理を振る舞う「アデリー食堂」というイラストを公開したんですが、それをきっかけに「好きだ」と言ってくださる方が増えました。ファンの方の中にはアデリーさんの夢女子(※キャラクターとの疑似恋愛を楽しむファンのこと)のような方もいらしてくれて、「アデリーさんと結婚したいけど、彼はアデリー食堂に来る私をお客さんとして扱っているから優しくしてくれるんだ。本当に結婚するんだったら、もっとアデリーさんのことをちゃんと知らなくちゃ……」って真剣に悩まれていて、でも最後に「あ、アデリーさんて実在しないんだった」って(笑)。あと「アニメ化するならアデリーさんの声優さんはこの人」というのもファンの方それぞれの中にあるようで、楽しいですね。
◆作者るるてあさんご自身について
Q.イラストのアイデアはどのように得ていますか?
いま現在コウペンちゃんの絵は、「コウペンちゃんが自分にくれる言葉」と「コウペンちゃんの世界の話(仲間たちとの4コマなど)」の2種類があります。前者は、自分が言われたい言葉がネタになることが多いです。ネタ帳などのストックはとくにしていませんが、「いま自分は何を言われたいかな」「みんなは何を言われたいかな」って常々考えています。
Q.「コウペンちゃんを描いていて良かった!」と感じたエピソードは?
グッズが出るようになってから、ぬいぐるみを持って旅行や登山に行ってくださる方が結構いらっしゃるんですよ。その先々でコウペンちゃんと写真を撮って「一緒にここに行ったよ」というふうに、子どもやペットのように可愛がってくださっているんです。そういうのを見ると「ああ〜、描いてて良かったなぁ」と、もうすごく嬉しい気持ちになります。その人の生活に溶け込んでいるんだなぁと感じられると嬉しいです。
Q.最近コラボした『布団の中から出たくない』PVについて
じつは嬉しいことがもう一つあって。最近、とても尊敬しているアーティストさんとコラボさせて頂いたんです。それが、ロックバンド・打首獄門同好会さんの「布団の中から出たくない」という曲のPVです。
打首獄門同好会さんは、以前から大好きなロックバンドです。名前はちょっと怖いけど、曲の印象は全然違うんですよ!(編集注:この曲も、冬の朝に布団から出たくない人への楽しい応援ソングです♡)
大ファンなのでライブにずっと行っていて、Twitterでも定期的にお勧めする絵やメッセージを掲載していたんです。そしたら打首さんが見つけてくださって。コウペンちゃんの絵も1枚目から見ていてくださったらしく、「良かったらPV描いてもらえませんか?」ってお声がけいただいて、「やった〜!」って大喜びで引き受けました。
イラストを描く作業は100枚以上あって本当に大変だったんですが(笑)、とても嬉しかったです。
打首さんの曲って、否定的なことを全く言わないんです。自分の好きなことを全力でやるというか、これが好きだ、これを認める! っていう気持ちが溢れていて好きだし、私がやりたいことともすごく似ていると感じます。
Q.コウペンちゃんを描かれる際、大切にしていることは何ですか?
なるべく、ちょっとへたっぴに見えるように工夫しています。最近はグッズや書籍を作る過程でだんだん「きれいに描かなきゃ」って思いがちだったんですが、「いや、そういうのはしない方がいいな」「みなさんが求めているのはたぶん“きれいなイラスト”ではないな」と思い直したんです。
なので今は、なるべく左右対称にならないように、へなちょこなコウペンちゃんたちを描くように意識しています。字も崩して書いたり、書き順を逆にしたりと工夫しています。子どもの頃から「いろんな順番で字を書いてみる」という癖があったので、それをコウペンちゃんに活かしています。
また、「キャラクターの世界の話」ばかり続けて描くことはしない、というのも意識しています。もしかしたら、キャラクターたちの4コマ漫画などを描いて連載した方がフォロワーは増えるのかもしれません。でも、そうすると「あなた」がいなくなっちゃいますよね。それはもう本末転倒というか、私がやりたいこととは違ってしまうんです。「あなた」とコウペンちゃんとの何気ないやりとりこそが、私の優先したいことなんです。コウペンちゃんを遠い存在に感じてしまうことがないように、キャラクターの世界の話と「あなたとコウペンちゃん」の絵とを、なるべく織り交ぜて描くようにしています。
そして最後に、な、な、なんと! CanCam.jp読者の皆さま宛に描きおろしイラスト&コウペンちゃんからのメッセージをいただいてしまいましたので、公開させていただきます!
Q.最後に、コウペンちゃんからCanCam.jp読者へメッセージをお願いします。
「毎朝、起きられただけで、はなまる〜!!」
***
超ご多忙な中、快く取材を受けてくださったるるてあさん、本当にありがとうございました!!
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