20代のお金のリアル、発表。毎月自由に使えるお金は「平均○万円」、貯金額は「平均○○万円」

20代男女のお金事情。毎月の娯楽費や貯金額はどれくらい?

大学生や社会人数年目にあたる20代。就職、結婚、出産、転職…いろんなターニングポイントがあり、将来への漠然とした不安を抱えている人も多いですよね。そして、一番の悩みの種となりやすいのが“お金”の問題。実際に世の中の20代がどのような家計管理をしているのか、気になりませんか?

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そこで今回は、SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が20~29歳の男女1,000人に実施したアンケートをもとに、20代のお金の使い方や貯蓄に対する考え方、将来の不安について探っていきます。

毎月自由に使える金額は「平均3万円」

20~29歳の男女1,000人に「毎月自由に使えるお金はいくらあるか」を質問した結果がこちら。

1位:1万円以下
2位:4万円超~5万円以下
3位:1万円超~2万円以下

「1万円以下」と「4万円超~5万円以下」がボリュームゾーンになり、平均は34,605円でした。20代前半で大学生の場合、学業とアルバイトを両立しながら毎月1~2万を娯楽費としている人が多いのでしょう。対して社会人数年目にあたる20代後半は、年収アップしたり貯金がある程度貯まったりと手元のお金が増えたことで、毎月5万円前後を趣味や旅行などに当てる人が多いと考えられます。

【婚姻状況・男女別】毎月自由に使える金額の違い

「婚姻状況・男女別」に毎月自由に使える金額を表したものがこちら。

◆既婚者は未婚者より7,000円前後↓

【未婚者】

男性:平均33,905円
女性:平均37,484円

【既婚者】

男性:平均27,077円
女性:平均29,888円

未婚者全体の平均額は「35,652円」であるのに対し、既婚者全体の平均額は「28,670円」と7,000円ほど低い傾向に。既婚者は住宅ローンや家賃、生活費、子どもの教育費など家計を優先して支出することが多い理由で、自由に使えるお金が少ないことが考えられます。また、家庭をもつとより計画的に貯蓄する傾向があるのでしょう。

◆未婚者・既婚者ともに前回調査より約2,000~3,000円↓

【全体】

前回調査(2023年12月):平均37,096円
今回調査(2025年2月):平均34,605円

既婚男女・未婚男女いずれの層でも、約1年前の調査より娯楽費の平均額が下がる結果となりました。この理由として、物価高や生活費の上昇などにより節約志向が高まったことや、景気の低迷により「もしもの時のために貯金額を増やしておきたい」という人が多くなったことが考えられられます。

とくに20代は結婚や出産、住宅の購入、働き方、老後の過ごし方…といったライフプランの設計に悩みやすい時期。これらを踏まえて、将来への不安からなるべくお金を使わないようにする傾向があるようですね。

現在の貯金額は「平均69万円」

続いて「現在いくら貯金しているのか」を質問した結果がこちら。

1位:50万円以下
2位: 0円
3位:50万円超~100万円以下

「50万円以下」が約4割で最多となり、「0円」も約2割と多数派に。また「50万円超~100万円以下」も1割以上が回答し、全体の平均額は69万円でした。

20代はまだキャリアの初期段階で低収入だったり、上京してひとり暮らしを始めた場合は家計管理の難しかったりと、なかなか貯金できないもの。加えて20代というエネルギッシュな時期は、旅行や趣味、飲み会などの“生活の充実”を求めてお金を使う場面も多くなります。毎日悔いなく過ごしているうちに支出が増え、貯金が後回しになる人も一定数いるのでしょう。

【年齢・婚姻状況・職業別】貯金額の違い

「年齢・婚姻状況・職業別」に平均貯金額を表したものがこちら。

◆20代前半「平均41万円」、20代後半「平均110万円」

20代後半は20代前半より60万円高い結果に。前回調査(約1年前)と比べて20代前半は8万円アップ、20代後半は19万円アップ。

◆未婚者「平均66万円」、既婚者「平均92万円」

既婚者は未婚者より26万円高い結果に。前回調査と比べて未婚者は17万円アップ、既婚者は2万円ダウン。

◆会社員「平均122万円」、パート・アルバイト「平均45万円」学生「平均24万円」

会社員はパート・アルバイトより77万円高く、パート・アルバイトは学生より21万円高い結果に。前回調査と比べて会社員は16万円アップ、パート・アルバイトは21万円アップ、学生は2万円アップ。

20代全体の平均貯金額は69万円となり、前回調査よりも13万円高くなりました。年齢や結婚の有無、職業に関係なく貯金額は人によって異なりますが、ほとんどの層が1年前より増加しているのが特徴。やはり現在の経済状況から、将来の資金に対する不安を和らげるために貯金をより意識するようになっていると考えられます。

約3人に2人が貯金額への不安を「感じている」

現在の貯金額について不安を感じているか聞いたところ、全体の約7割が「感じている」と回答。とくに女性のほうが不安に感じる割合は高め。

8割以上が「老後資金は年金だけじゃ不十分だと思う」

年金をどのくらい貰えるのか不透明な現在、老後の資金や生活についての20代の考えを聞いた結果がこちら。


「老後の生活資金は年金だけで十分だと思うか」という質問では、男女ともに8割以上が「そう思わない」と回答。また、7割前後が「老後が不安だと思う」、約8割が「老後が楽しみだと思わない」という結果に。とくに女性のほうが老後に対して不安を抱えやすいようです。20代のみならず、他の世代でも自身の老後に明るい見通しを持てないと感じている人は多いですよね。

仕事をリタイア時にあると安心な貯金額は「平均1,969万円」

最後に「リタイアする年齢までにあると安心できる貯金額」を聞いた結果がこちら。


「500万円以下」「500万円超~1千万円以下」「1千万円超~2千万円以下」に回答が集まり、平均額は1,969万円。しかし「2千万円超」を理想とする声も3割以上と、決して少なくありません。

【男女別】リタイア時にあると安心できる金額の違い

「男女別」にリタイア時の見積もりを表したものがこちら。

◆男性は女性よりも1,092万円↑

リタイア時に安心できる貯金額について、男性「平均2,525万円」女性「平均1,433万円」と差がありました。男性のほうが高く見積もる理由として、生涯収入の差や老後の生活レベルの理想が違うことが考えられます。男性は退職後の趣味や旅行における娯楽費を想定し、より高い目標を設定する傾向があるといわれます。一方、女性は比較的堅実なライフスタイルを想定し、節約意識も高いことから、貯金額を低めに考えることが多いのではないでしょうか。

◆全体では前回調査よりも537万円↓

男女ともに5年前の調査より平均額が減っているのも特徴。最近の物価高騰により「今の生活を優先する」「そもそも高額な貯金を目指すのは難しい」と考える人が増えたことが理由として考えられます。また、副業や資産運用も一般的になってきたことから「貯金意外にも収入源を増やすことで老後資金を確保する」と考え、現金貯蓄の目標額を下げている可能性もありますね。


視野が広がりいろんなことに興味を持ち始める20代。日々を楽しむと同時に、現実をしっかり捉え、節約や貯金をしながら家計管理について慎重に考えるのは素晴らしいこと! 今回の調査結果をヒントに、お金について一度考える機会をつくってみてはいかがでしょうか?(Mai)

情報提供元/SMBCコンシューマーファイナンス株式会社