仕事が一気に辛くなる。「上司と合わない」とき、どうしてる?

円滑な人間関係を築きたいけど…

仕事をする上で、人間関係は大切ですよね。できれば円滑な人間関係を築いてスムーズに働きたいところですが、残念ながらうまくいかないことも…

ここでは、株式会社エミリスが、社会人の男女500人を対象に実施し、結果をランキング化した、「上司との関わり」についてのアンケート調査をご紹介していきます。

Q. 「上司と合わないと感じた瞬間」

「上司と合わないと感じた瞬間」についての質問の結果がこちらです。1位になったのは「話を聞いてくれない」(25.6)でした。続いて2位の「感情的になる」(23.0%)も、1位と僅差で、多くの回答を集めていることがわかりますね。

それでは、それぞれの選択肢を、寄せられたコメントと一緒にチェックしていきましょう。

1位 話を聞いてくれない

・業務の改善を提案したら、嫌な顔をされて無視されたとき

・自分が一番正しいと思い、私の話をまったく聞いてくれないとき。「言うとおりにしなよ」と言われるとき

・意見を頭ごなしに否定されるとき

1位の「話を聞いてくれない」では、「私の話をまったく聞いてくれないとき」や「意見を頭ごなしに否定されるとき」といった場面が挙げられています。人と関わる上でコミュニケーションは不可欠ですし、話をまったく聞いてもらえないのは悲しいですよね。

2位 感情的になる

・自身の機嫌で仕事や部下に対しての対応が変わったり、語気が強くなっていたりする人

・気分の上がり下がりが激しい

・個人的な気分や感情を、仕事の場で出す

2位は「感情的になる」でした。誰にでも感情の起伏はあるものですが、仕事をしているときは態度に出さないでほしい、と思う人は多いようです。「顔色をうかがわないといけない」という意見もあったそうで、上司の顔色を伺うことに疲れている人もいる様子。そうしてたくさんのエネルギーを使っているうちに「合わない」と感じてしまうのかもしれません。

3位 指示に納得できない

・指示の仕方が要領を得ないとき

・細かい指示を小出しにされるとき

・状況をよく考えずに、一方的な指示を出されたとき

3位には「指示に納得できない」でした。大まかに分けると、「曖昧でわかりにくい指示」「細かすぎる指示」「部下の仕事内容を理解していないと思われる指示」「指示がコロコロ変わる」の4パターンがあったそうです。ここまでとは異なり「仕事の能力」についての項目がランクインしていました。

4位 価値観が合わない

・「昔は◯◯」と、今との違いを出してくる人

・仕事に対する価値観が違いすぎる

・女性蔑視な価値観を仕事に持ち込む

4位になったのは「価値観が合わない」。仕事に関する価値観をはじめとして、「仕事とプライベートのバランス」や「性別」、「慣習」といった価値観の相違、さらには「口ではお客様のためと連呼するけれど、建前だと丸わかり」といった態度も挙げられていたそうです。価値観のズレを実感するたびに「合わない」と感じてしまうのかもしれませんね。

5位 不公平な扱いをする

・仕事の成果ではなく、「上司のお気に入り度」で評価されたとき

・ひいきする人、しない人がはっきりしている

・お気に入りの部下に対しては、仕事ができなくても良い評価をする

5位は「不公平な扱いをする」でした。理不尽な対応をされたり、正当に評価してもらえていないと感じてしまう場面があったりすると「頑張っても意味がなさそう…」と、モチベーションが下がってしまってもおかしくないですよね。上司には公平な態度をとってほしいと思う人もいるようでした。

6位 威圧的

・罵声を浴びせてくるとき

・数字を間違え、「嘘ついてんじゃねぇ」と恫喝されたとき

・高圧的な態度で接されると「この上司とは合わない」と感じます。上司としてというよりは、人として合わないのかもしれませんが

6位は「威圧的」でした。他にも「必要以上に上下関係を強調されると、合わないと思う」といった意見も寄せられていたそうです。

7位 責任を果たさない

・上司の指示通りにやった業務に対して顧客からクレームが来たとき、部下のせいにした

・上司が自身でも理解できていない内容のタスクを丸投げしてきて、自身は責任を取らないスタンス

・いい加減だったり、ことなかれ主義で、責任から逃げている態度のとき

7位は「責任を果たさない」でした。「上司としての仕事をしない」、「責任を部下に押し付ける」、「自分の保身しか考えていない」といった回答が多く集まったそうです。反対に、アンケート結果から読み取れる、上司に求める責任の果たし方は、「部下の仕事を把握する」、「指示ミスがあったらきちんと謝ってフォローする」といったものだそう。こうした上司のもとで安心して働きたいという人は多いのかもしれません。

同率7位 コミュニケーションが難しい

・円滑な関係を築くための雑談などを一切せず、業務のための必要最低限な対応・発言しかしないとき

・人に聞いてもらおうと思っているのかわからないくらいにボソボソと話すため、指示・意見などを聞き取りづらい

・お互いの話が違う意味で伝わってしまっているため、まったく話し合いにならない

同率で7位になったのは「コミュニケーションが難しい」でした。仕事をする上でコミュニケーションは欠かせませんが、それがどうしてもうまくいかないと困ってしまいますよね。そこで上司と「合わない」と悩んでいる人もいるようです。

Q. 「上司と合わないことによる困りごとは?」

次に、「上司と合わないことによる困りごと」についての質問の結果がこちらになります。1位の「仕事が進まない」(29.8%)と2位の「ストレスが溜まる」が(28.6%)が飛び抜けて多くの回答を集めていることがわかりますね。

「仕事が進まない」の原因としては、「わからないことがあっても相談しにくい」、「効率良く進められないので仕事が増える」、「モチベーションが上がらず集中できない」といった事情がある様子。仕事に支障が出てしまうのも、働くうちにどんどんストレスが溜まっていってしまうのも、困りますよね。

Q. 「上司と合わないときの対処法は?」

それでは、「上司と合わない」と感じてしまったときは、みんな一体どのようにしているんでしょうか? 「上司と合わないと感じたときの対処法」を尋ねた質問の結果がこちらです。1位は「上司を避ける(23.6%)」でした。他にも、「考えすぎない」、「上司に合わせる」のような、「なんとかやり過ごそう」という対処法が多くの回答を集めているようです。それではこちらも、それぞれの項目を確認してみましょう。

1位 上司を避ける

・極力関わらないようにする。うかつに雑談に参加しない、上司の在宅勤務時に出勤するなど

・なるべく話さないようにする。距離を取る

・会話しない。相談は紙の決裁で回す

1位は「上司を避ける」でした。とはいえ、一緒に仕事をする以上関わらないというのは難しそうですが、仕事に支障が出ない程度の会話はしている人が多いそうです。工夫して少し距離をとって、自己防衛をしている人は多いようでした。

2位 周囲に相談する

・同期と話をする。自分と同じ考え方の人を探す

・他の上司に相談する

・周りの同僚に相談する

2位は「周囲に相談する」。1人で抱え込むのではなく、同僚や、さらに上の上司に相談するという人は多いようです。誰かに相談することで、気持ちが少し楽になることもありますよね。同僚と協力しあって上司に対応したという意見も寄せられたそうです。

3位 考えすぎない

・完全に無視していました。前職はかなりストレスフルで、はじめは体調不良になりましたが、右から左に流すようにしたらまったく気にならなくなりました

・「会社の敷地を出れば赤の他人でしかない」と思う

・適当に受け流して、自分の仕事に集中する

3位は「考えすぎない」でした。もちろん、しっかりと受け止めて、よく考えないといけない指示や意見もありますが、上司に対するモヤモヤを考えすぎて辛い気持ちになってしまわないように、受け流している人も多いようです。

4位 上司に意見する

・遠回しに意見を伝え、誘導する

・一度は上司に腹を割って話してみる。話しても上司が変わらない場合は、「上司が子どもなので、自分が大人になって合わせてあげよう」と自分に言い聞かせる

・「自分自身の解決法でやります」とごり押しする

4位は「上司に意見する」でした。仕方ないと諦めるのではなく、意見するという行動に移す人も多いようです。はっきり意見を伝える人もいれば、遠回しに誘導する人もいたとのこと。また、「きちんと意見した結果、上司の態度が少し良くなった」という体験談も。しっかりコミュニケーションを取ることの重要性がよくわかりますね。

同率4位 上司に合わせる

・心の中で「可哀想な人なんだな」と憐れんで、言う通りにする

・「上司の意向通りに動く限り、自分に責任はない」と割り切り、程良くイエスマンになる

・自分の仕事以外は上司の指示に従い、意見を言わない。どうせ数年経てば異動なので、しばらく辛抱です

同率で4位にランクインしたのは「上司に合わせる」でした。理由としては「意見すると機嫌が悪くなるから」、「話が長くなるのは嫌だから」などが寄せられたそうです。そうし続けると、辛い気持ちになってしまう人もいそうですが、中にはずっと上司に合わせ続けるのではなく、上司の見ていないところでは自分のやり方でやるなど、程々に上司に合わせている人もいるようでした。

6位 退職する

・逃げます。自分と合わないと思った時点で辞めます

・上司以外の環境も良くなかったので、すぐに退職した

・退職を考える

6位は「退職する」。実際に上司と合わないことが理由で、退職・転職した人もいるようです。本当に辛くなってしまったら、退職・転職も現実的な選択肢の一つですよね。

7位 気分転換する

・一度席を外し、気分転換する

・職場ではとくに何もしない。他の場所でリフレッシュして気分転換できるようにする

・有給休暇を取って一人でドライブにでも行って、会社や上司のことは一旦忘れるようにしています

7位は「気分転換する」でした。ずっとモヤモヤした気持ちを抱え続けていると疲れてしまいますよね。職場内・職場外それぞれでできる気分転換方法を実行してリフレッシュすることで、うまくストレスと付き合っていこうとしている人もいるようでした。

Q. 「上司と合わないことが理由で転職を考えたことはある?」

最後に、「上司と合わないことが理由で転職を考えたことはある?」という質問の結果がこちら。なんと「ある」と回答した人が8割を超える結果に。上司と「合わない」と感じつつも働いている人は、それだけ多いのかもしれませんね。

ここまでの調査結果について、一般社団法人キャリアラボ代表理事の松田剛典氏は次のように考察しています。

コミュニケーションの行き違いから、価値観や性格の違いを感じ、上司との関係に悩む人は少なくありません。

お互いに相手を避けるようになると、コミュニケーションがますます減り、さらに関係が悪化してしまう悪循環に陥ることも。残念ながら明らかにコミュニケーションに問題がある上司もいます。そうした中で無理に我慢せずに転職をして環境を変えることは以前よりも当たり前になりつつあります。

一方で、部下との接し方に悩んでいる上司も少なくありません。転職を考える前に、自分の受け止め方が正しいのか周囲の人に相談してみるのも方法です。上司との関係改善に取り組むことは自身の成長にもつながります。

共感できる悩みはあった?

共感できる悩みはありましたか? たくさんの悩みがありましたよね。一緒に働く以上は、できるだけ良好な関係を築きたいところですね…

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