宮沢氷魚の気になる恋愛観や理想の冬デートを深ボリ!

優しさと強さ、両面の魅力を持つ俳優『宮沢氷魚』に癒される…。

作品の度に色々な表情を見せる、宮沢氷魚さん。エッセイスト・高山 真氏の自伝的小説を映画化した『エゴイスト』でも、その繊細で美しい表現力が、公開前から話題に。インタビューで、ゆっくりと静かに、そして優しく語る姿は“癒やし”そのものでした。

TALK ABOUT MOVIE

この作品に出合う前は、愛って相手のためだと思っていたんです。でも、『エゴイスト』っていうタイトルのとおり、“愛する”って自分のためだったんだって気づきました。相手の喜んでいる姿が見たいのは自分で、そうやって人間は自分勝手なんだけど、同時に素晴らしい。家族、友人、恋人って色んな愛の形がありますけど、相手の幸せを本当に願う愛情は美しいと思います。

撮影に入るときには自然と役に入り込めました

映画『エゴイスト』ではシングルマザーを支える優しい青年で、同性愛者でもある役柄でしたが、役作りはどんなふうにされたのでしょうか。

気持ち的な役作りでいうと、以前『his』という作品に出演したときにも相談に乗ってもらったゲイの親友がいるんですけど、4、5歳の頃からの友人なんです。親友だからこそ聞きづらいことを聞けますし、何よりも一緒に多くの時間を過ごしてきたので感じることが多かったです。肉体的なことでは、パーソナルトレーナー役だったので、実際に体も鍛えつつ、体のことや教え方、声の掛け方などもしっかり勉強しました。最初は全身筋肉痛になってしまって、電車のちょっとした揺れで倒れそうになったくらいでした(笑)

恋人役である鈴木亮平さんとはどんなふうに信頼関係を築いたのですか?

今回初めて共演させていただいたのですが、クランクインする数日前から阿川(佐和子)さんと3人で即興のお芝居などのワークショップをやらせていただきました。亮平さんとは特に役柄の関係性とかを話し合ったりはせず、なんていうか…一緒にいる時間の中で自然とふたりの距離が縮まっていって、撮影のときにはスッと役柄に入り込めたと思います。何より大先輩ですし、大きな信頼感があったので、あまり深く考えたりせずに演じられました。

役柄と自分自身に共通点はありますか?

僕が演じている龍太は、自分のやりたいことや気持ちを押し殺して、相手のために身を削ってしまうことがあるんですよね。それは自分も望んでしていることなんですけど、周りを不幸にしたくない、できるだけ周りに迷惑をかけたくないという気持ちが強いところは、すごく理解できるなって思いました。

ABOUT YOURSELF AND MORE…

気になる恋愛観や理想の冬デート、さらにTMI的なことも教えてもらいました♪

ステキだと思う人は?

行動力がある人
ステキだなって思います。僕自身は、何もしたくないときは、本当にずーっと一日中家にいて、反対に何かしたいときは朝から晩まで予定をぎっしり入れるタイプ。すごく極端なんです。たまに何もせず気づいたら夕方になっていて、ちょっと落ち込むこともあります(笑)。常に計画的で行動力があると、出会いも多いし、新しいことにたくさんチャレンジもできますし、自分の好きなことに向かっていける人はいいなって思います。

恋愛はどちらかというと追いかけたい? 追いかけられたい?

うーん、追いかけられたいけど、追いかけたい(笑)?
自分の理想は追いかけられたいんですけど、もしかしたら性格的には、追いかけているほうが自分は幸せになれるタイプかもしれないです。

理想の恋愛の始まりは、ひと目ボレ? 友達から?

友達からかな
10代とか学生の頃はひと目ボレ派だったと思うんですけど、年齢とともに変わってきたかもしれないですね。やっぱり、相手をよく知ることが大事かなと思いますし、そうじゃないと好きっていう感情は生まれない気がします。

理想の冬デートは?

寒い中、イルミネーションを観に行く!
冬が大好きなので、寒くてもおうちでゆっくりせず、外に行きたい派です。寒いと距離も自然に縮まるので。反対に暑いのは苦手なので、夏は涼しい室内がいいです(笑)

20代前半の自分に何かアドバイスするとしたら?

そのままでいいよ
20代ってあっという間でした、本当に。20代前半を思い出してみると、こうすればよかったなとか後悔はまったくないんです、僕。だから『そのままでいいよ』って言ってあげたいかな。でも、ひとつだけ…もっと“旅をしたほうがいいよ”とは言いたい。その年齢でしかできない旅があるだろうし、時間もたくさんあるし。当時、自分は学生でちょうどお仕事を始めた時期だったので『忙しい』って思っていたんですけど、今に比べたら時間もあったので、国内でも海外でももっと旅をしておけばよかったなって思います。

好きなおかずは最初に食べる? 最後まで残す?

最初に食べます!
まずは、いちばん好きなものを食べます。あっ、でも最後に大好きな味で終わりたいから、ちょっと残しておいて、最後も食べます(笑)

食後に飲みたいのは?

コーヒー!
砂糖なしのラテが好きです。一緒に食べるなら…クロワッサン!

お休みの日にしたいことは?

朝から映画館に行きたいです。
朝早めに起きて、朝イチの回の映画を映画館で観て、そのあとは散歩しながら美味しいお店を探してランチをする。昼過ぎに家に帰って、台本を読んで、夕方からお酒を飲みながら夜ごはんを作る! という理想のプランを前日の夜に考えて、目覚ましもかけるんですけど…できないことが多い(笑)。仕事のときは朝ちゃんと起きられるのに、休みになるとなぜか起きられないんですよね。

ニット¥49,500・パンツ¥36,300・靴¥82,500(アー・ペー・セー)、シャツ¥30,800(TOMORROWLAND<バグッタ>)

家族や友達に対する愛情表現は…最近できるようになったと思います。以前は、ちょっと不器用なところもあったんですよね。ここ数年、大人になったのかな(笑)。家族に対しても「ありがとう」とか「元気でいてね」って素直に言えるようになりました。言葉はもちろん、ハグしたりとかそういう愛情表現も大事だなって感じてます。

INFORMATION
映画『エゴイスト』

配給:東京テアトル/2月10日公開
14歳で母を亡くし、田舎町でゲイである本当の自分を押し殺して思春期を過ごした浩輔(鈴木亮平)は、東京でファッション誌の編集者として働きつつ自由気ままな生活を送っている。ある日、浩輔は母を支えながら暮らすパーソナルトレーナーの龍太(宮沢氷魚)と出会う。浩輔と龍太はひかれ合い、母に寄り添う龍太の姿に自身の亡き母への思いを重ねる浩輔。そんなふたりに思いもよらない運命が押し寄せる。〝愛〟とは〝エゴ〟なのか、愛について考えさせられる作品。
©2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会

小説『エゴイスト』

著:高山 真/小学館文庫/¥594/発売中
2020年に亡くなったエッセイスト・高山 真氏の自伝的小説。
宮沢氷魚
1994年4月24日生まれ、米・サンフランシスコ出身。ドラマ『コウノドリ』(2017)で俳優デビュー。ドラマ『偽装不倫』(’19年)、NHK連続テレビ小説『エール』(’20年)・『ちむどんどん』(’22年)など話題作に出演。映画『his』(’20年)で映画初主演を果たし、数々の賞を受賞。映画『レジェンド&バタフライ』が1月27日より公開。

本日公開の映画「エゴイスト」で主人公浩輔の恋人である龍太役を演じ、早くも話題の宮沢氷魚さん。その圧倒的な透明感と存在感のある演技をぜひ劇場で確かめてみて。

CanCam2023年3月号「宮沢氷魚のぬくもり」より 撮影/杉江拓哉(TRON) スタイリスト/庄 将司 ヘア&メイク/Taro Yoshida(W) 構成/小山恵子 WEB構成/久保 葵