みなさんは見ると元気になったり、勇気がもらえるそんな「推し」いますか?
今回は、株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが15~24歳のZ世代約500人を対象に行った「Z世代のヲタ活」に関する調査結果を紹介します!
Contents
1ヲタ活は生活の一部!Z世代の約8割がヲタ活中
2021年には流行語大賞に「推し活」がノミネートされるなど、すっかりなじみのある言葉になった「ヲタ活」。調査結果からも約8割以上のZ世代に推しがいるようです。
Q.あなたには推しがいますか?もしくはヲタ活をしていますか?(単一回答)
n=525(10代:315/20代:210)
次に、どのジャンルにZ世代の推しがいるのか見てみましょう。
Q.あなたがヲタ活をしている対象の推しを教えてください。(複数回答)
n=525(10代:315/20代:210)
「アニメ・漫画・ゲームのキャラクター・声優」という回答が1位という結果になりましたが、2位の「日本のアイドル」とは僅差。漫画の実写などでアイドルが出演することも多いため、ジャンルを掛け持ちして推しがいるというパターンもありそう。
また、日常の生活において、どのくらい「推し」を意識しているか聞きました。
Q.あなたは日常のなかでどのくらい「推し」を意識していますか。当てはまるものを教えてください。(単一選択) n=423(10代:261/20代:162)
すると、ほとんどの人が日常的に「意識している」という回答となり、「ヲタ活」と意識をして行うものではなく、「推しを推す」という行動がもはや生活の一部となってきていることがわかります。
では、そんな日常化しているヲタ活において、どのくらい費やしているのでしょうか。
Q. あなたはヲタ活に年間どのくらいお金を使っていますか。公式のグッズやライブ以外にも、ヲタ活や推しのために使っているお金も含めてお答えください。※年間の平均額を教えてください。(単一回答) n=423(10代:261/20代:162)
平均は46,650円という結果になりました。金額の幅としては5,000円未満から300,000円以上とかなり広くなっています。ライブや舞台公演が行われるジャンルになると、チケット代が発生するということもあり、グッズだけでは留まらない印象。推しがどのような場所で活躍しているのかによっても費やすお金は変わってきそうです。
2.すべてに繋がる、それがヲタ活
Q.公式のグッズやライブ以外に、ヲタ活や推しがきっかけでお金を使ったことがあるものを教えてください。(複数回答)n=423(10代:261/20代:162)
実は、ヲタ活消費は公式の“ファングッズ”だけではありません! 推しがいる回答者の約8割が、ライブや公式グッズ以外にもヲタ活としてお金を使っているのです。
その中身は、「ヲタ活をする際に着る服や推しを連想するアイテム」や「コスメ・スキンケア」など、日常的に利用する商品を買うきっかけとして「推し」の存在があるようです。推しに繋がるアイテムが手元にあると、ちょっと落ち込んだときでも「推し」の姿が思い浮かぶので、応援してくれてるようで頑張れますよね。
また、約8割の人から「推しと同じアイテムや推しがおすすめしていたアイテムを購入する」経験や購入意向があるという回答が寄せられました。
Q.推しと同じアイテムや推しがおすすめしていたアイテムを購入する理由・購入したい理由を教えてください。(複数回答)n=423(10代:261/20代:162)
調査では理由として、「推しを常に感じられる」「推しと同じ感情を味わいたい・推しと同じ体験がしたい」などが挙げられました。その他にも、「推しの話を理解したくて同じゲームを買ってしまう」「推しが見ているアニメを見ている。推しがその話をしていると、同じものを見た事が感じられて嬉しい」という意見がありました。最近では、キャラクターをイメージした香水や身につけているアイテムがグッズ化されることも多く、漫画やアニメの推しとも同じ体験ができることも増えてきています。
さらに、「推し」の影響で何かしら変化があったという声も多く、今回の調査ではなんと約9割の人が「音楽」や「趣味」、「価値観」に影響を受けていました。
Q.推しの影響を受けて、変化したことや始めたことを全て教えてください。(複数選択) n=423(10代:261/20代:162)
「推しに関連する会社に入りたい。中学受験は嫌だったけど、その会社に入るために偏差値の高い学校に行きたくて努力した」「韓国語と中国語の勉強をはじめ、将来は通訳にも興味がある」など、推しの影響で将来の目標が見つかり、学習に繋げている人もいました。また、「推しと共演していた方の演劇を見に行くようになり、好きな俳優ができた」というように、趣味の幅が広がるきっかけにもなっているようです。
また、2022年のヲタ活は外出規制緩和に伴い「推しとお出かけすること」がトレンド。推しのアクスタ(※アクリルスタンド)やトレカ(※トレーディングカード)、ぬい(※ぬいぐるみ)を日常的に持ち歩き、カフェや推しの広告の前などで撮影する人も多いです。それだけでなく、昨年流行したグッズを自分なりにデコレーションする「創作ヲタ活」の流れも続いています。そのため、自分だけのグッズになり、ヲタ活も個性を出しながら楽しまれています。
3.「ファッション×推し」でおしゃれを楽しむ“ヲタ活ミックス”が今ドキ
ヲタ活ファッションが日常化したことで、普段のファッションとの境界が曖昧になっています。
Q.ヲタ活時※のファッションについて、あなたにあてはまるものを教えてください。
※ライブ等のイベントをはじめ、カフェやホテルなどでのヲタ活も含む(単一回答)n=423(10代:261/20代:162)
そのため、ヲタ活時のファッションとして、「普段のファッションに一部ヲタ要素を取り入れる」という回答も多く、普段から使えるグッズが求められる傾向があります。
Q.ヲタ活時※のファッションの選び方として、あなたがやったことがあることを全て教えてください。
※ライブ等のイベントをはじめ、カフェやホテルなどでのヲタ活も含む(複数回答)n=423(10代:261/20代:162)
例えば、ヲタ活の際に「推しのカラーを取り入れる」「推しの雰囲気に合わせる」ファッションをした経験があるという回答が、「グッズのTシャツなどを着用する」という回答よりも多くありました。全面的に推しの存在を出すのではなく、あくまで自分が普段着ている服装に合わせてヲタ活要素を取り入れています。
実際、「グループカラーが普段の服装とは合わないので、小物や部屋に取り入れている」「(ファンの服装の雰囲気であるカッコいい服装に合わせつつ)自分が好きなフリルや猫がついた服を着る」という回答もあります。ヲタ活時と普段のファッションを明確に分けるのではなく、「自分の個性+ヲタ要素」の「ヲタ活ミックス」なファッションを楽しむZ世代が多く見られました。
公式グッズの仕様についてもう少し注目してみましょう。
Q.あなたは公式グッズを日常生活でも使用していますか。
※公式グッズのTシャツ、バッグ、ポーチなど(単一回答) n=423(10代:261/20代:162)
Q.日常生活で使用している公式グッズはどのようなアイテムですか。(複数選択)
n=241(10代:152/20代:87)
すると、 「公式グッズを日常生活でも使用している」Z世代が約57.0%で半数を超える一方で、「どんな公式グッズでも買う」と回答したのは1割程度となっています。グッズを選らぶうえで重要視するのは、「デザインがお洒落(64.3%)」「ヲタバレしにくい(44.4%)」「自分の持ち物や洋服のテイストと合う(34.4%)」というような、普段から使用できるアイテムであることがわかります。そのため、「去年の推しのライブTシャツが、とてもお洒落でライブTシャツに見えないものだったから私服でも着ていた」といった声もありました。
4.ヲタクはもう隠さない?Z世代96%が周囲に公表
Q.あなたが○○ヲタであることを知っている相手を教えてください。(複数回答)n=423(10代:261/20代:162)
次に、ヲタ活に関するコミュニケーションについて見てみると、ヲタ活をしているZ世代のうち、96.0%が自分がヲタクであることを周囲に知らせているという結果が出ました。しかし、知らせている相手については「親しい友達(88.4%)」や「家族(77.3%)」と「クラスメイト・部活やサークルの友達(45.6%)」「恋人・パートナー(22.9%)」では数値に差が出ています。そのため、積極的にヲタクをアピールしているのではなく、あくまでも話す相手は絞りながら「ヲタ活安全圏」の中でコミュニケーションをとっていることが考えられます。
Q.あなたはヲタ活をどのSNSで投稿していますか。(複数回答) n=423(10代:261/20代:162)
さらに、ヲタ活をどのSNSアカウントで投稿しているか聞いてみると「Twitterの投稿(ヲタアカ)(33.3%)」「Instagramのストーリー投稿(サブアカ・友達限定公開)(31.4%)」「Instagramのストーリー投稿(本アカ)(30.0%)」という回答が多くなっています。「興味ない人たちに不快な思いをさせてしまうことを防ぎたい」という声もあり、相手・場所によって自身の見せ方を使い分けていくZ世代の価値観が関係しているようです。そのため、SNS発信においても、不特定多数が閲覧すことを考えて「ヲタ活アカウント」や、Instagramの「親しい友達機能」を活用しながら、投稿を見せる相手を絞り、日常生活とヲタ活を切りわけた「ヲタ活安全圏」をつくった発信が多くなっています。
Q.家族とヲタ活をしたり、家族がヲタ活に協力してくれたことはありますか。(単一回答)n=423(10代:261/20代:162)
また、ヲタ活と家族の関係性に関しては、64.5%が「家族とヲタ活をしたり、家族がヲタ活に協力してくれたことがある」と回答があり、友達感覚が強くなっている様子が垣間見えます。「親がハマっていたアイドルに自分もハマった」「親がおすすめしてくれたオーディション番組を見て推し活にハマり、今も一緒に応援している」など、家族とのやりとりがヲタ活のきっかけになるパターンや、「朝イチで購入しなければならない商品は通勤しているお父さんに買ってきてもらう」というように家族で仲良くヲタ活をする様子が寄せられました。
5.ヲタ活は生活の一部
外出自粛期間に様々なコンテンツに触れたことが、推しと出会ったきっかけになったという人も少なくないはず。そのため、以前に比べて「オタク文化」少数派の趣味ではなく、ヲタ活は年齢性別問わず多くの人が楽しむようになっています。ファッションアイテムや飲食店とのコラボや話題としてテレビに取り上げられることも増え、日常に近い趣味だと言えそうです。イベントなど制限が残る部分もありますが、ヲタ活の楽しみ方は無限大!! ぜひ今回の記事も参考にしながら、これからもヲタ活を楽しんでいきましょう!(岡美咲)