ヒートショックに予防にも!コロナ禍の正しい入浴法とは?
本格的に冬本番が近づき、「冷え」が気になる季節になってきました。冷えを解消するのに最も効果的なのが「毎日の入浴」。冷えと上手に付き合っていくための正しい入浴法、知ってますか?
リンナイ株式会社は全国47都道府県の20代~60代の男女2350名に、入浴に関するアンケートを実施。加えて、入浴科学者の早坂信哉先生の監修のもと、正しい入浴法もご紹介します!
冬に悩む身体の困りごと
冬の悩みについて聞いたところ、約半数の方が「冷え」に悩むと回答。次に、「肌の乾燥」(39.7%)、「肩こり」(29.1%)と続きました。都道府県別で見てみると、岩手県・山形県・大阪府で冷えに悩んでいる人が多く、反対に秋田県が最下位という結果に。また、自宅で冷えを感じる場所を聞いてみると、「脱衣所・洗面所」「浴室」「トイレ」が挙げられました。脱衣所・洗面所や浴室は、ヒートショックを起こしやすい場所なので、この2ヵ所の冷えを感じないようにする工夫が必要ですね。
コロナ禍でストレスは増加傾向に
約6割の方がコロナ禍でストレスが増えたと感じると回答。自由に外出できなかったり人に会うことが難しかったりと、気づけばストレスが溜まっていたという方も多いと思います。都道府県別で見てみると、兵庫県が最もストレスを感じていたようで、次に群馬県、鳥取県と続きました。
ストレス解消法として最も挙げられたのが「十分な睡眠、休息をとる」でした。コロナ禍でリモートワークと言えど、休息はしっかりとることが健康でいられる秘訣です。次いで「美味しいものを食べる」(36.1%)、「お風呂に入る(入浴、またはシャワー)」(34.4%)と続きました。入浴は体を清潔にするだけではなく、ストレス解消法としても効果的なようです!
10のチェックテストで見る正しい入浴法
入浴は冷え対策だけではなく、ストレス解消法としても期待されることが分かりました。次に、入浴効果をさらに高める「正しい入浴法」についてご紹介します。
突然ですが、まずは下のチェックテストをトライ! あなたの入浴に関する知識をテストします。
<コロナ禍における入浴知識○×チェックテスト>
1.入浴前ではなく入浴後に水分補給した方が良い
2.41℃以上の熱いお湯に浸かった方が体が温まる
3.半身浴の方がデトックス効果が高い
4.風呂あがりに靴下をはいて布団に入ると良く眠れる
5.寝る直前に入浴すると睡眠の質が上がる
6.湯船に長く浸かるよりも10分程度にとどめた方が良い
7.入浴中の照明を暗くするとリラックスできる
8.朝風呂も良いが就寝前にも入浴した方が良い
9.飲酒後できるだけ早く入浴するとアルコールが抜けて良い
10.リモートワークや残業中の気分転換に入浴すると良い
さて、あなたはいくつわかりましたか?8個以上正解で「入浴優等生」に認定! ちなみにアンケート調査では、「入浴優等生」は全体の約2割と少ない結果になりました。では正解を見ていきましょう!
Q1. 入浴前でなく入浴後に水分補給した方が良い…×
これは「×」。どちらも飲みましょう。脱水症状を起こさないように、入浴前と後にそれぞれコップ1杯以上お水やお茶、麦茶、牛乳などの水分を。
Q2. 41℃以上の熱いお湯に浸かった方が体が温まる…×
これは「×」。40℃までのぬるい湯の方が長時間体が温まります。
Q3. 半身浴の方がデトックス効果が高い…×
これ実は「×」なんです。なんとなく半身浴はダイエットや健康にいいイメージですが、全身浴の方が発汗量が多く体もより温まります。ダイエット目的の際もお風呂で汗だくになる必要はなく、ぬるめのお風呂に全身浴で入った方が高い効果が期待できます。
Q4. 風呂あがりに靴下をはいて布団に入ると良く眠れる…×
これは「×」です。手足から熱が放散されないと眠れないので靴下はNG。布団に入ったら靴下は脱ぎましょう。
Q5. 寝る直前に入浴すると睡眠の質が上がる…×
これは「×」。入浴するタイミングは就寝90分前が理想です。程よく体温が下がりリラックスした状態で入眠でき、質の良い睡眠がとれます。いったんお風呂で上がった体温が下がってきたタイミングで寝るのが良い睡眠のコツです。
Q6. 湯船に長く浸かるよりも10分程度にとどめた方が良い…○
これは「○」です。長すぎると浴室熱中症のリスクが高くなるので、40℃なら10分~15分程度の入浴が◎。
Q7. 入浴中の照明を暗くするとリラックスできる…○
これは「○」。電気を消して入浴すると眼精疲労回復の効果が期待できます。また、浴槽に使って歌うことで深呼吸になり、湯気を吸いこむことで気道が整い呼吸筋の筋トレになります。
Q8.朝風呂も良いが就寝前にも入浴した方が良い…○
これは「○」。それぞれ入浴で得られる効果が異なるため、朝風呂派の場合は朝夜の2回入る方が良いでしょう。朝は熱いお風呂に短時間(5分程度)入ることで目覚めが良くなり、夜はぬるま湯に10分程度入ることでぐっすり眠れます。
Q9.飲酒後できるだけ早く入浴するとアルコールが抜けて良い…×
これはもちろん「×」。コロナ禍前であれば、外出先で飲酒しても帰宅までの移動時間中にアルコールの分解が進みます。しかし、宅飲み後すぐに入浴した場合、血圧がさらに下がることで脳に十分な血流を送ることができなくなり、意識を失ってしまう危険性があります。飲酒後の入浴は、アルコールが分解するのを待ってからにしましょう。
Q10.リモートワークや残業中の気分転換に入浴すると良い…×
気分転換にはなりそうですが、これは「×」。お風呂に入ることで副交感神経にスイッチが入ります。せっかくリラックスしたのにそのまま仕事を続けてしまうと、自律神経のバランスが崩れてしまいます。お風呂をきっかけに仕事を切り上げるようにしましょう。
正しい入浴法を実践できていましたか? 特に寒くなってくると急激な温度変化によるヒートショックで思わぬ事故を引き起こしてしまう危険性もあります。正しい入浴法で健康とストレス解消を目指しましょう!(岩川菜奈)
東京都市大学人間科学部学部長・教授、医師、博士(医学)、温泉療法専門医。お風呂を医学的に研究している第一人者。「世界一受けたい授業」「ホンマでっか!?TV」など多数のメディアに出演。主な著書は『おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術』(山と溪谷社)、『最高の入浴法』(大和書房)、『入浴検定 公式テキスト お風呂の「正しい入り方」』 (日本入浴協会)など。