【連載】世界遺産・小笠原に普通の女子が行ってみた(1)〜大荒れの海を渡り、いざ南の島へ〜

ものごとの始まりはいつだって突然訪れるものです。

「あのさ、小笠原行かない? 父島」

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(…………島?)

そう聞かれたのは、忘れもしない2/26(水)。

……そもそも、父島ってどこですか?

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ここです。船で25時間半かかるそうです。

「いや、私マジで船酔いしますし、虫とか苦手ですし、アウトドアとか最近疎遠ですし、ちょっと私じゃない人のほうが適任なんじゃないでしょうか……」
「大丈夫!」

気づいたら小笠原行きが決定していた2/28(金)。
そして実際に小笠原に行ってきた、3/5(水)〜3/10(月)。

船酔いしまくり、アウトドアぶっちゃけさほど興味なし、体力なし、そんな「いわゆるフツーの女子」が、世界自然遺産に選ばれた小笠原諸島・父島にひょんなことから行くことになりました。そのレポートをこれから5回にわたりお届けします。

 

【出港〜小笠原諸島到着】

朝8時半に、小笠原諸島に行くほぼ唯一の交通手段である「おがさわら丸」乗船場に行くと、そこには人、人、人! 3月だというのにこんなにたくさんの人が小笠原に……! と驚きながらそのへんをうろうろしていると、何やら看板を見かけました。

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「本日出港のおがさわら丸は海況不良により揺れることが予想されます。船内ご移動のさいは必ず手摺りをおつかまり頂き、充分にご注意ください。」

……What?

島の人によるとこの表示は年に数回も出ないそうです。マジで? ただでさえ船酔いがひどいこの私が、年に数回の荒れた海を渡る……?

まあまあどうにかなるでしょう。とりあえずここまで来たらもうあとには引けないのです。

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午前10時、乗船したおがさわら丸は無事出港しました。レインボーブリッジをくぐったのを見届け、船の中をぐるりと歩いてみました。船は揺れることもなく、順調な船出です。まずは展望スナックコーナーでコーヒーを買って、デッキで東京湾を見ながらぼんやりコーヒータイム。

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優雅……。

スナックでは小笠原特産の島ラムを使ったオリジナルカクテルや船内で焼いたクロワッサン・アップルパイなども販売しています。ドリンクをいただきながら海を眺める……至福の時間です。船の中は缶ビールをあけてプチ宴会をしている人たちも。各自が思い思いに船の旅を過ごしています。

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レストランにも行ってみたところ島塩ラーメンなるものがあるらしいのでいただくことに! さらに、アルコールを飲んでおくと三半規管がまひして揺れを感じにくくなるという情報を聞いたのでビールも一緒に……。(※ただし、人によっては揺れをより強く感じる場合があるので、自己責任でお願いします)

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さて、そんなこんなで船ライフを楽しませていただきましたが、様子が一変するのは出港約3時間半後、東京湾を出たあたりから。
さすが「年に数回しか出ない」という揺れる警告が出ていただけあります!

揺れます!

とにかく揺れます!

これは寝るしかありません。

酔い止めをしっかり飲み、とにかく寝ます。たまに揺れで目を覚ましてしまったので、不安な方は睡眠導入剤を持ってくるのが安心かもしれません。
ちなみに、こんなに揺れるのは、本当に夏に台風がぶち当たったときくらいとのこと。めちゃめちゃ船酔いがひどい私でも生還できたので、平常時は誰でも大丈夫だと思います。(※ちなみに帰りはほとんど揺れず天国のようでした)

日々の睡眠不足をおぎなうように20時間以上とにかくこんこんと眠り続け……無事、父島到着!

 

青い空!

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海!!

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南国っぽい花!!!

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テンションは上がる一方です!

世界ってこんなに鮮やかな色だったんだ……と改めて実感できるくらい、色彩鮮やかな世界が広がっていました。しかし、3月なのに夏のようです。

まずはこれから3泊4日 でお世話になるペンションに荷物を置いて、父島のメインである「大村」地区を散策してみることにしました。

※小笠原への定期便は週1程度の運行で、夏休みやお正月、春休みなどの繁忙期は週2の運行に。いずれにせよ、現地3泊+船内往復で各1泊ずつの5泊6日の日程が必要になります。

 

島の中をぐるりとすると……

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ペリーの記念碑発見!

DSC06306浦賀に向かう途中に父島に寄っていたそうです。

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にわとりを発見!

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なんと烏骨鶏も! この烏骨鶏はオーナーこだわりの烏骨鶏という話も。

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南国!

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「小笠原聖ジョージ教会」という教会もありました。

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郵便受付は「入出港日」「その他」で分かれていたり、お店も定休日が「入港日前日」「出港日翌日」と定められているなど、曜日よりも「おがさわら丸」ありきで街があるようです。

ひととおり歩いてみたところで、高台にある「大神山神社」へ行ってみました。

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まずは手水を……と近づいてみると「鳥が水浴びをしますので戸は閉めてください」と書かれていました。

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なごみます。

さて、かなりの段数のある階段を息も絶え絶えになりながらのぼってたどりついた、この高台から見た景色は……まさに絶景!

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ほんのり夕陽が交じってきた空と、そしてやはり海の美しいこと。
ぼうっと景色を眺めていると、何やら港のほうから太鼓の音が鳴り響きました。

現在時間16時50分。
そうだ、17時 に東京行きの船が出港するのです。噂に聞いていた「父島流・ホスピタリティお見送り」が見られるチャンスです!

父島の方々は、「おがさわら丸」が出港するときにかなり手厚くお見送りをする……その風景、見るしかありません。
急いで階段を駆け下り港へ全力疾走しました。

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しかも通常、東京行きの船が出港するのは14時なのですが、この日は船が遅れた関係で17時に出港。珍しい夕陽の中の出港が見られるなんて、超ラッキー!

港には島の人々が集まり、地元の中高生で結成されたのであろう応援団がお見送りの大声をはりあげます。

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そして、島の人々の「行ってらっしゃい!」の合唱に応える、船に乗る人の「行ってきます!」……。「さようなら」ではなく「行ってらっしゃい」「行ってきます」。

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島に来てまだ3時間程度ですが、感動的な風景で涙してしまいました。そしてそれだけにはとどまらず、なんとクルーザーがおがさわら丸に並走して湾の中まで追いかけて見送っていくんです! もう、どこまでやってくれるんですか、父島の皆さん!

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感動的な風景の余韻にひたりながら、カフェ「HALE」のテラスでパッションフルーツジュースをいただき、ぼんやり……。なんて贅沢な時間なのでしょうか。

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濃厚で美味しい上に「小笠原の夜は冷えますから」とお店の人が毛布を持ってきてくださるなど、またもさすがのホスピタリティに感動。

父島に来てからものの数時間で、魅力にとりつかれてしまいました。
けれどまだ、私が行ったのは「街」だけ。この他に「海」「山」「夕陽」などが待っているなんて……次回から詳しくお伝えしていきます。(後藤香織)

次回はコチラ→ 【連載】世界遺産・小笠原に普通の女子が行ってみた(2)〜海でくじらとリアル竜宮城を見た〜

 

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