■東京と大阪の「たぬきそば」は違う?「意外と通じない方言」集
先日北海道出身の友人が「ラーメンサラダを食べたい」と言っていて、周りの友人もラーメンサラダのことを知らず、なんのことか聞いたらパスタサラダのようなものでした……。
このように当たり前だった言葉も一歩外を出ると通じないなんてことはよくありますよね。ということで今回は、「共通語だと思っていたのに方言だった、誤解されやすい方言」をいくつかご紹介します!
■「たぬき」と「きつね」でこんなに違う!?
東京では、うどんでもそばでも、「揚げ玉(天かす)」がのっていれば「たぬき」と呼び、「油揚げ」がのったものが「きつね」といいますよね。ところが、大阪で「たぬき」を注文すると、甘辛く煮た油揚げをのせたそばが運ばれてきてしまいます……。
もともと大阪の食文化はうどんが標準なので、「甘辛く煮た油揚げをのせたうどん」が「きつね」。そこに標準から外れた蕎麦を使ったことで「たぬきに化けた」ととらえられ、「甘辛く煮た油揚げをのせたそば」が「たぬき」と呼ばれるようになりました。つまり、「きつね」と「たぬき」は、東京では具の違いですが、大阪ではそばかうどんかの違いであって、具は油揚げと決まっています。
大阪の人が、東京で「たぬき」と注文して「そば? うどん?」と聞かれ、変なこと聞くなと思いながらも「そば」と言ってみたところ、出てきたのは揚げ玉ののったそばだったという悲しい出来事があった人もいるのではないでしょうか?
■「背中をかじる」って…え、何?
山梨を中心とした地域では、「背中をかじる」「頭をかじる」などのように「かゆいところをかく」という意味で「かじる」という言葉が使われます。
共通語の「かじる」は「かたいものの一部を、少しずつ歯でかんでけずりとる」わけですが、「かゆい部分をけずりとる」という発想かもしれません。方言であることに気づいていない人も多く、東京に住む孫に「背中かじって」とたのんだら歯型をつけられたとの失敗談もあるのだとか。背中に歯形をつけられないように気を付けましょうね!
■足、ながめれ……?
え、足を眺めるんですか? と思ってしまいますが、「足、ながめれ」は相手の足をじろじろと眺めろという意味ではなく、「足をくずしてくつろいでください」との意味を込めた心遣いの言葉です。
青森・秋田・岩手などでは「長くする」、つまり「伸ばす」の意味で使われるのだとか。しかし、この「ながめれ」は足を伸ばす場合に限って使われることが多いらしいです。
明治時代初期の辞書の「ながめる」の項目には「伸ばす」の意味が記されていて、現代の共通語では使われなくなった古い用法が方言に残ったと言われています。
いかがでしたか? まだまだこれ以外にも「これって方言だったの? 」と思うような言葉はたくさん存在します。もっと知りたいという方は『誤解されやすい方言小辞典』が発売されたので是非チェックをしてみてくださいね♪ (こぐれみき)
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