野村萬斎さん、宮迫博之さんなど実力派キャストが出演する異色の謎解きミステリー映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』が、4月29日全国ロードショーされます。
物や場所に残った人間の記憶や感情が一体となった思念をスキャニングする(読み取る)仙石(野村萬斎)と相棒・丸山(宮迫博之)の元に、亜美(杉咲花)からピアノ教師・沢村雪絵(木村文乃)を探してほしいと依頼が入った……。
Woman Insightでは、ストーリーのキーマン・亜美を演じた杉咲花さんにインタビューを行い、映画のこと“女優・杉咲花”について語っていただいたインタビュー後編をお届けします。
後編は、“女優・杉咲花”とプライベートについてです。
★前編はこちら→杉咲花「野村萬斎さんのことがみんな好きでした」
Woman Insight(以下、WI) ご自身の出演作は、楽しんで観られますか?
杉咲花(以下、杉咲) 最初観るときは、自分が気になってしまいます。普通に観るつもりでも、自分の演技はどうなのかを見てしまいます。でも2回目以降は、ちゃんと観ます。自分が関わらせていただいた作品は大好きなので、何回も観ます。そういう意味では楽しんで観ています。
WI この作品の中で、「才能のおしつけ」というセリフがありますが、「おしつけ」を感じたことはありますか?
杉咲 言われることがあったとしても、そこにどうしようとか緊張感・不安はありません。そこに振り回されてしまうと、自分自身が大変になるので、それを気にせず、自分のペースで頑張ろうと思っています。
WI 何か、そう思った出来事があったのでしょうか?
杉咲 私、いろいろなことに影響されやすいので、そうならないように気を付けています。現場にはその作品のスタンスがあって、それが私の中の当たり前(基準)にならないようにしています。私はそうなりがちなんです。「こういうときはこうなる」と私の中で、当たり前になってしまうと、自分自身が大変になるので「それぞれのスタンスである」と自分で“分かっていないと”と思っています。
WI 映画の中でもうひとつ「才能は自分のためにある」というセリフがありますが、杉咲さんはどう思われますか?
杉咲 自分のためなのかもしれないですね。私は映画やドラマが好きだから、関わりたくて事務所に入ったのですが、いま自分が好きだったことを職業にしていて「自分のためだけではないし、人のためだけではない」と思います。自分にとって満足したものが、人に届いたときは嬉しいです。
WI でも、自分がよいと思っても、まわりが評価してくれないときもありますよね。
杉咲 (その時は)悔しいです。でもやっぱりそういうときは、伝えることしかできないので、そういうのに対して、説得力をもてるようにならないと。答えは出ていないのですが、頑張ることかなと思います。難しい。次に生かすためにも頑張ることです。
WI 杉咲さんが思う「演じることの楽しさ」とは、なんですか?
杉咲 “出会い”です。演じているときは、いろいろな役者さんとご一緒させていただけて、本当に「すごい」と思う瞬間に出会うと、私が一番最初の観客だと思っています。その瞬間に鳥肌が立つ瞬間は忘れられないです。それと、現場にいるのも楽しいです。演技をしているときは、楽しさは感じていないんですが、スタッフさんたちの一番頑張っている姿を特等席で見られるのは嬉しいです。
WI では、演じるうえで大切にしていることは?
杉咲 そこで、起きていることを、本当に受け止めることです。セリフや動きもある程度決まっているのですが、(それを)段取りにしたくないんです。のどが渇いたから何かを飲むわけで……。“このセリフを言ったら水を飲む”とすると、観ている人が「演じている」って気が付かれると思うんです。
WI お話を伺っていると、杉咲さんは“物が作られる過程”が好きですか?
杉咲 はい。好きです。それが完成した時は嬉しいですし、それを伝えられるとき、私が伝えるときに、見ていただいた人の感想をいただけるときが嬉しいし、楽しいです。どうやったら観ていただけるか、悩むときもありますけれど。
WI 最近は、SNSを介して皆さんの感想も聞く機会が多いのでは?
杉咲 私、コメントってInstagramが初めてなんです。顔が見えない人から直接メッセージが来ることに不安があったんです。でも、「これ見ました」や感想とかを送ってくださって、本当に嬉しくて。そこは始めて良かったと思いました(笑)。
WI では、杉咲さんがスキャナーの特殊能力を身につけたら、何をしたいですか?
杉咲 人を触って感じるなら、話している相手を触りたいです。本当はどう思っているのかを知りたいです。私、声が小さいししゃべるのも遅いから本当は「早くしてよ!」って思っているんじゃないかと……。インタビュー取材って時間がないから、答えるのが遅いから。誤解されるんじゃないかと……。
WI そんなことないですよ(笑)。では、話題を変えて、ストレートの黒髪ですが、チャレンジしてみたいヘアスタイルはありますか?
杉咲 う~ん。そうですね。染めたこともないんですよね……。前髪を切ったことがないので、切ってみたいです(笑)。
WI 普段はどんな服装が好きですか?
杉咲 黒い服が多いです。役で着ている衣装とかとはスタイルは違いますが、ワンピースやスカート。パンツはあまり穿かないです。
WI ストレス解消法は?
杉咲 私、本当に(解消法が)わからなくって……。ストレスが溜まると、急に忘れてしまうんです。すごく悩んでいたのに急に忘れるんです。急に大丈夫になってしまいます。
WI それは一晩寝て忘れちゃうとか?
杉咲 期間はバラバラなんですが、本当に落ち込んで、落ち込んで……。すると突然、“もういい!”ってなってしまうんです。落ち込むことで良い方向に向かうならばいいのですが、そうではないので、次に良くなることを考えないと進めないと思っています。
WI “発散して忘れよう”とかではないんですね。
杉咲 違いますね。発散する場所が欲しいです。どうしたら(発散する場所を)作れるかも分からないですし……。音楽を聴くのは好きなのでそれかなと思います。
WI どんな音楽を聴かれるんですか?
杉咲 最近聴くのはメジャーデビューした『きのこ帝国』です。あとは『シガー・ロス』とか大好きで、楽しい曲とかが好きです。あ! 『ザ・ブルーハーツ』を聴きます。ブルーハーツを聴くと元気になります。でも、カラオケとかでノリノリになったりはしないです。あ、いいなぁと思う感じです。
WI 演技の役で解消する人もいますよね。
杉咲 私、役と自分を重ねることはないので……。(思い出したように)私、思ったことを書いています。それがストレス発散なのかもしれないです。あれがこうだったとか、嫌な時だけじゃなく、楽しかったこととか、現場でのこととかを、日記ではありませんが書いてます。
WI 日々の出来事とかを書き留めているんですね。それは見直しますか?
杉咲 現場で起きたことを書いているので、プロモーションの時に見直します。その時どう思っていたのか気になるんです(笑)。それはひとつの伝えられるやりかたなのかもしれません。見直して、テンションが下がることもあります「見なきゃよかった」って(笑)。
見た目の清楚なイメージから想像できないくらい女優として熱い魂を持っている杉咲さんが出演する、映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』は4月29日全国ロードショーです。(平山正子)
(あらすじ)
特殊能力を持つ仙石(野村萬斎)とその相棒・丸山(宮迫博之)に舞い込んだ、人探しの依頼。“想い”を読み取り、辿り着いた衝撃の真相とは!?
今、あまりに切ない事件の幕が上がる……!
オフィシャルサイト: http://www.scanner-movie.jp/
配給:東映
(C)2016「スキャナー」製作委員会
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