三木孝浩監督「生見(愛瑠)さん想像以上のお芝居を見せてくれる」映画『君が最後に遺した歌』の撮影裏話を公開♡

めるるの「友達100人できるかな?」

人見知りのめるるが〝仲よくなりたい!〟人をゲストにお迎えする連載、めるるの「友達100人できるかな?」今回のゲストは、三木孝浩監督!


映画『君が最後に遺した歌』で初めて出会ったふたり

Special Guest:三木孝浩監督
1974年8月29日生まれ、徳島県出身。映画監督、映像ディレクター。2010年に映画『ソラニン』で長編監督デビュー。代表作は『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(’16年)、『今夜、世界からこの恋が消えても』(’22年)など。

生見愛瑠
2002年3月6日生まれ。愛知県出身。CanCam専属モデル、俳優。公開中の映画『君が最後に遺した歌』ではヒロインの綾音役を演じるなど、待機作も続々。
『君が最後に遺した歌』で初めてご一緒した三木監督と、今回はたっぷり語ります!

今回のゲストを紹介してください。

【愛瑠】映画『君が最後に遺した歌』の三木監督です。撮影中もたくさんお話させていただいたんですけど、もっと仲よくなりたくて連載にお呼びしました!

【三木監督】うれしいです! 今日はどんな話をしましょうか?

【愛瑠】監督から見た私の印象とか…。

【三木監督】直接会うまでは、ファッション誌とかバラエティ番組で見る〝陽〟のイメージがすごい強かったんですけど、会ってみると意外と逆だったというか(笑)。それがむしろ僕的には好感度が高かったです。それこそ初対面のときはすごい人見知りだったけど、お芝居を観たときにどこか憂いのある表情だったり、切ない表情だったりがものすごくよくて! 今まで拝見したお芝居の中では見せていない部分がこの作品で結構撮れたんじゃないかなと思ったし、ポテンシャルがあるので、どんどんそっち方向のお芝居をやってほしいと思いましたね。

【愛瑠】本当ですか? がんばります!

【三木監督】意外とお芝居に対しての自己評価が低くない? 求められるものに対しては200%で応えようとする真面目さはあるんだけど、どこかで自分はできないと思い込んでいる部分がある気がして…でもめっちゃできるやん! と僕は思いました。

【愛瑠】そんな…優しすぎます。

【三木監督】いやいや、もっと自信を持っていいと思うんだよね。今回の綾音っていうキャラクターも、作り込むというよりは、自然な表情や動きみたいなものが生見さん本人から出てくれるといいなと思っていたので、お芝居の段取りをする中で1回自由にやってみて…と話したんです。フリーで動いてもらったほうが絶対におもしろいと思ったから! だって、同級生に告白されて振ったあとのシーンのテスト撮影のとき、唇を〝ぷるるるる〟って震わせたでしょ? あれってこちらからは何も指示してないんだけど、綾音の居心地の悪さみたいなものを自然と表現したのかなって思ったんだよね。それがよくて! そんなことふわっとできちゃうんだと思ったし、それならそういう自然な動きを色々とピックアップしたいなと思って、なるべく自由に動いてもらうようにしていたんだよね。その自由な動きこそが〝綾音としての正解〟だと感じたから。

めるるから見た監督の印象は?

【愛瑠】三木監督の作品は元々大好きで、私たち世代が心を打たれる青春の映画はすべて撮っているというか…学生時代に友達と観に行っていた映画を撮っていた監督なので、作品をご一緒できるとなったときは緊張がすごかったです。それこそ本読みとか打ち合わせのときもそうだし、初めて歌を聴いてもらったときなんて、すごいドキドキしちゃって(笑)。でも、本当にやわらかい雰囲気をまとっていて、だからこそ現場もとってもあたたかくて…。そこにいる人たちがみんな笑っている感じがすごく居心地よくて、安心しました。

【三木監督】たしかに緊張してたよね。打ち解けられるかな…って、最初はちょっとだけ心配したもん(笑)。

【愛瑠】緊張しすぎて目も見られませんでした(笑)。クランクインしてやっと顔を見られた感じです…。みんなでごはんに行ったりして、お話をするようになってわかったことは、三木監督がとにかく優しくて、おもしろいってこと! ずっとハッピーで、すごい素敵です。

【三木監督】カラオケも行ったよね。

【愛瑠】はい! そこで監督が撮ったPVの曲を歌いましたよね(笑)。

もうかなり仲よしですね(笑)。

【三木監督】そうですね、〝陰〟と〝陽〟をバランスよく持ち合わせているとか、生見さんに対しては色々な発見がありました。あと、綾音というキャラクターを演じるにあたって、歌もそうだし、ギターも…かなりの負担があったと思うんですけど、その努力量を全然見せないところが本当にすごいと思いました。かなり大変なはずなのに、わりと現場ではサラッとやれちゃうし、一度だって「つらいー」とか「できない!!」とか聞いたことなくて…。でもさ、実はあったでしょ? どうだった?

【愛瑠】最初はまったくできなかったです! やっとギターが弾けるようになっても、歌と一緒にやるとなるとすごく難しくて(笑)。ただ不思議だったのが、練習してできなくても寝て、次の日に起きるとできるようになってるんですよ! 「あれ、できた!」みたいなことが多くて。

【三木監督】何それ、もうセンスじゃん!

【愛瑠】いやいや、自分でも本当に不思議で(笑)。ギターの先生も急に私ができるようになっているからビックリしていました。

【三木監督】まさかの睡眠学習? それとも夢の中で練習しているとか(笑)?

【愛瑠】あまり考えないほうがうまくできるのかもしれないです。考えすぎちゃうとできなくなるので、なるべくフラットな気持ちでやるようにしたら…うまくできました!

【三木監督】なるほど。また生見さんの新しい面を知れました。

撮影の裏エピソードが聞きたいです。

【三木監督】夏場に撮影をしたから、冬のクリスマスのシーンは大変だったんじゃない?

【愛瑠】私、暑いのがあまり得意じゃないので本当に大変でした。でも、道枝さんが暑さに強いのか、カットがかかってもコートを全然脱がないし、手袋も外さないんですよ! だから私も外しにくくて(笑)。

【三木監督】あはははは! さすがだね。あと、ライブのシーンを撮影するときはプレイバックといって事前に録音したものをその場で流すことが多いんだけど、生見さんの場合、実際にマイクを通してその場で歌った歌がすごいよくて、それを採用したんだよね。プレイバックの音が映画では使われるよと伝えてたんだけど、録音部さんに聞いたら生見さんは全テイク100%の力でちゃんと歌ってたって…。

【愛瑠】はい。実際に使われるとか使われないとか関係なく、常に本気で歌っていました。だからこそ、生の声が使われたって話を聞いたときは心の底からうれしかったし、感動しました。

ちなみに、お互いの魅力はどんなところですか?

【愛瑠】優しくてハッピーなところはもちろんなんですけど、監督の作品はエモさがあって、たとえ悲しい終わりだとしても観ると最後は絶対にあたたかい気持ちになれるんです。映像も美しいし、上品さもあって…。それでいてきれいに写しすぎずに、ちゃんと人間っぽさも伝えてくれるところが本当に素敵だなぁと思います。

【三木監督】生見さんは、想像以上のお芝居を見せてくれるから、撮るたびにワクワクするんですよね。僕が印象的なのは、クリスマスの観覧車のシーン。春人に「ただの部活仲間」と言われた綾音が「だよね」って言うんですけど、その言い方がものすごくグッときたんです!

【愛瑠】そうだったんですか? そういう話を聞けるのってすごくありがたいです!

【三木監督】感情を出しすぎない綾音なりのさりげない交わし方がめちゃくちゃ切なくて…。映画のお芝居って、作っていく作業よりも作ったものを削ぎ落としていく作業というか、心を全部むき出しにしないといけないんですよね。特に泣くお芝居は、ただ泣くだけじゃなくてちゃんと心が揺れてないとお芝居にはならないし、その場で相手のお芝居を見て感じた心の動きを出さないといけない。そのためには全部を削ぎ落とさないといけないんです。それってある意味、ファッションモデルのお仕事とは対極にあるんですけど、生見さんは天性のものなのか、その両方ができるのが本当にすごいな、と。ぜひ、CanCam読者のみなさんには、この映画とともに新しい生見さんの魅力に気づいていただきたいです。

最後に聞いてみたい質問は?

【三木監督】さっきもちょっと聞いちゃったけど、今回の撮影で本当に無理〜って思った瞬間はなかったの(笑)?

【愛瑠】練習期間中に別のお仕事で地方に行くことがあって、その期間ギターに触れられなかったのはすごく嫌でした。あとは、父がギターが大好きなので、私が練習していると口を出してきて…それがうるさかったです(笑)。一度、練習用のギターにコードを書いたマスキングテープが貼ってあって! 「恥ずかしいからやめて!」って怒りました(笑)。

【三木監督】それおもしろいなー。ついつい教えたくなっちゃったんだろうね。

【愛瑠】歌もギターも大変なことはたくさんあったけど、そのほうが私は燃えるので、無理どころか夢中になっていましたね。私は、三木監督がいちばん好きな映画を知りたいです!

【三木監督】10代のときに出会った『ギルバート・グレイプ』という映画は、ずっと好きですね。若い頃のジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオが出ているんだけど、とくにディカプリオのお芝居が素晴らしくて…めちゃくちゃ刺さったんだよね。そしてジョニー・デップが演じた役って、実は今回の春人のキャラクターイメージと近い部分があったりもして…機会があればぜひ観てみてください。

【愛瑠】絶対に観てみます!!

\勉強になる話をたくさん聞けました!!/

CanCam2026年5月号「めるるの『友達100人できるかな?』」より
撮影/千葉タイチ スタイリスト/内田あゆみ(creative GUILD/三木監督分)、中井綾子(crepe/愛瑠分) ヘア&メイク/小林雄美(三木監督分)、吉田美幸(愛瑠分) 構成/アンドウヨーコ WEB構成/久保 葵