【就活】その企業と自分、本当に合ってる?|現役大学生が教える、企業選びのポイント5選
就職活動真っ最中という方も、これから控えているという方も、みなさんは何を基準に企業選びをしていますか? 面接の場面では「就活の軸」という言葉で聞かれることがありますが、面接官には言わない“本音の部分”の軸は誰しもあるのではないでしょうか。
そこで今回は、就職活動を終えた大学生へのインタビューをもとに、企業選びのときに見ておくべきポイントをご紹介。就職活動の参考にしてみてくださいね♪
都内の私立大学に通う大学4年生。趣味は読書とアイドルのライブ鑑賞。
①自分がその会社でやりたいことが思い描けるか
エントリーシート(履歴書)や面接で「弊社で何がしたいですか?」と聞かれることも多いですよね。そんな“会社でやりたいこと”は自分と仕事or業界の相性を考えるきっかけにもなるんだとか。
Aさん「私はいくつかの業界を見ている中で、「こういうことがしたい」というアイデアがどんどん出てくる業界もあれば、びっくりするほど陳腐な考えしか出てこない業界もあったんです。職種にもよるので、必ずしもアイデアマンである必要はないのかもしれませんが、企画系の職種を希望している私には切実な問題でした。企業や業界への憧れだけで運よく選考を通過したとしても、入社後毎日頭を悩ませることになってしまうのではないか…と。毎回エントリーシートの設問のために企画を考えるのは面倒くさいかもしれないけれど、自分と業界・企業の相性をチェックするためにも使える設問だと思います」
実際にそこで働いている人と学生では知識量や経験値が違うので、「全然出てこない…!」と思いつめる必要はありませんが、本当に自分がやりたいことなのか、それともただの憧れなのかという点は、入社後のギャップをなくすためにも大切になりそうですね。
②会社の方向性と自分の考えが合っているか
企業のホームページ(以下:HP)に記載されている企業理念や今後の事業計画。これらをチェックするのは就活生の定番となりつつありますが、そもそもなぜ大事なのでしょうか。
Aさん「選考を通過する上で、企業の目指している方向と就活生が見ている方向が合致している必要がある、というのは一般認識としてあると思います。ただ、より個人的な状況を考えたときに、企業の方向性と自分の考えが合っていなかったら働いていて辛くなってしまうと思うんです。私は就活を始めた頃気になる業界があり、それぞれの企業の理念にも共感していました。
ただ、より具体的に会社が注力している事業やビジネスモデルを考えたときに、少しモヤッとしてしまったんですよね。自分がお客さんだったら本当にこれを求めるのかなって。その企業が社会的に悪だとかそういうことではなくて、あくまで自分には合わなかったというだけなんですけど…。その会社が進んでいる方向と自分の指向が合致しているほうが、働いていて楽しいのかなと思います」
就活はあくまでスタートライン。その後の社会人生活も仕事に打ち込むために、企業の方向性や注力している事業が自分に合っているのか、考えてみると良さそうです。
③社員同士の関係性はどうか
子どもから大人まで、人を悩ませる“人間関係”。どんな職についたとしてもついてまわる問題ですが、これに関してAさんなりの見極めポイントがあったようです。
Aさん「私はできるだけ社員さん同士のコミュニケーションを見るようにしていました。どの企業も大体人事の方は優しいから、それを理由に企業を決めるのは良くない、というのは色々な方から聞いていたので、その他の面で見極めようという気持ちからです。もちろん、社員さんと一対一でお話したときにどんな印象を抱くかというのも大事にしていましたが、個人的には社員さん同士の会話のほうが、実際の職場のイメージがつきやすいと感じました。会社説明会や選考の過程ではなかなか見ることができないので、気になる企業はインターンシップに参加すると良いと思います」
24卒以降は、インターンシップで得た情報を企業が本選考で利用することが可能になるため、選考の過程としてインターンシップに申し込んでいる方もいるはず。もちろんそれも大切ですが、選ぶ権利は企業だけでなく自分にもあるということを忘れずに、様々な面を見てきてくださいね。
④休みや勤務形態は自分と合っているか
仕事もプライベートも充実させるためには、有給の取得率にも注目したいところ。その他、近年では始業時間を変動させられるフレックスタイム制度や、在宅ワーク制度も普及してきていますが、Aさんはどのような点を見ていたのでしょうか。
Aさん「有給取得率やフレックスタイム制度、在宅ワーク制度はもちろん見ていました。私はアイドルが好きなので、早めに始業→夕方に退勤→そのままライブへという流れが可能になるフレックスタイム制度は特に魅力的でしたね。
他の点で言うと、まとまった休みが取れるのかという点です。有給の取りやすさについては同じ社内でも部署や時期によって異なると思いますが、夏季休暇や年末年始休暇は、『就職四季報』(東洋経済新報社)や企業のホームページで知ることができます。私は実家が地方にあるので、ゆったり帰省するためにもまとまった休みが欲しいタイプでした。もちろん、それにプラスして有給が取りやすいならそれに越したことはないですけど(笑)」
まとまった休みが保証されていると、それを目標に日々の仕事を頑張れたりしますよね。ここで挙げた有給取得率、フレックスタイム制度、在宅ワーク制度、長期休暇のすべてがそろっている企業となると探すのが難しくなる可能性があるので、自分の中での優先順位をつけることも必要になりそうです。
⑤産休・育休後の待遇はどうか
出産をする場合はどうしてもキャリアの中断する必要が出てきたり、身体の変化でこれまでと同じように業務をすることができなくなったりするのは女性ならではの変化。だからこそ、お休み中や復帰後にどのような待遇があるのかは知りたいですよね。
Aさん「結婚や出産をしたいと思う人もいればそうでない人もいるというのは前提の上で、私は前者のタイプです。選考中はそこまで気にしていなかったのですが、内定を何社かもらって最終的にどの企業にするか決めるという段階になると、育休や復帰後の待遇は気になりました。正直、これらに関して否定的な企業さんって今どきほとんどないんですよね。それだけ働きやすい環境が整備されてきているということでもあると思います。ただ、何社かの中から絞り込むためには比較が必要なわけで…。説明会やHPでの情報だけでは比較ができない点は難しかったです」
Aさんはどういう見極め方をされたんですか?
Aさん「『就職四季報』で育休の規定を見比べたり、転職サイトの口コミを参考にしました。特に前者に関しては、「子が〇歳になるまで」という記述で1歳のところもあれば3歳のところもあって、さらに給料のどのくらい保証されるのかが記載されている企業もありました。これだけで全てを判断するのは危険ですが、その企業がどれくらい育休・産休に積極的なのかの一つの指標になると思います。あくまでこれは大学生側からの視点なので、この項目の優先度が高い人は、実際に産休・育休をとられた先輩などに聞くとより良いと思います」
もちろん、上記に挙げた項目を全てクリアしているからといって、必ずしも女性にとって働きやすいとは言えません。ただ、もしも内定承諾の際に迷うことがあれば、このような項目を参考にしてみるのも良さそうですね。
社会人生活において、仕事へのやりがいを求める人もいれば、ライフワークバランスを求める人もいます。今回Aさんには、両方の面を考慮しつつ、就職活動を通して感じた「企業選びの際に見ておくべきポイント」を5つ教えていただきました。自分の理想に100%合う企業にしかエントリーしない! というのは危険ですが、譲れないポイントを決めて最低限そこをクリアしている企業にエントリーする、というのはミスマッチを防ぐためにも重要になりそうです。(平田真碧)