冷静な男・池松壮亮が初めて“熱さ”を見せた!映画「デスノート Light up the NEW world」を語る

2006年に公開され話題となった映画『DEATH NOTE』から10年。続編であり完全オリジナル新作映画『デスノート Light up the NEW world』が、いよいよ10月29日に公開されます。

見どころは、デスノート対策本部捜査官の三島創(東出昌大)、Lの後継者であり世界的名探偵の竜崎(池松壮亮)、キラ信奉者でサイバーテロリストの紫苑(菅田将暉)の “熱い”デスノート争奪戦! その3人の中でも、いつもは静かで“熱い”ところをなかなか見せない池松壮亮さんに、クローズアップしました。

池松壮亮

■善悪が見えにくい、今の社会を映している

池松さん演じる竜崎は、Lの遺伝子から生まれた世界的名探偵。警察のデスノート対策本部に協力する気はなく、独自のスタイルで捜査を進めます。その竜崎が、どんな方法でかつてのLを超えるのか。彼は善なのか悪なのかーー。

池松壮亮さん(以下、池松) 10年前の『DEATH NOTE』は、白と黒、正義と悪がはっきりと描かれていましたが、今回はその分かれ目が見えにくかったり、入れ替わったりしているのが、特徴です。何が正義で何が悪か混沌としている、今の社会が反映されているといえるでしょう。その中で、僕が演じる竜崎の魅力は、なんといっても「正義」にあります。根底ではだれも信じていないし、ビジュアルも全身ブラックだし、でも世界を相手に平和を願っている。彼は、そういうヤツなんです。

Woman Insight(以下WI) では、10年前に演じた松山ケンイチさんのLを受け継ぎつつ、どのように竜崎をつくり上げていったのでしょうか。

池松 Lが遺伝子を残していて、その子孫がどんなヤツだったら面白いか。それを考え、話し合い、ブラッシュアップしていくことから始めました。たとえば、Lにはおちゃめでおちゃらけたところがあるんですが、その特徴を引き延ばしたり、あえて逆をやってみたり。最初はクールな描かれ方をしていたので、そうじゃないだろうと話し合いを重ねながら、みんなでつくり上げていきました。

僕は普通、映画ではそういうことはやりません。でも、10年前の前作が打ち立てた伝説を、凌駕したいという思いがスタッフみんなにありました。そんな過程でできたひとつが、(ポスターで竜崎がもっている)あのひょっとこのお面です。あまりにもいいのができたので、使うシーンを増やしたいと僕から提案したくらいです。

池松壮亮 デスノート DEATH NOTE

 

■失敗したらボロクソ言われるだろうな

WI    そこまで、スタッフみなさんを奮起させていたものは、なんだったのでしょう。

池松 あれだけ日本中にムーブメントを起こした前作(映画『DEATH NOTE』)が、今も受け継がれ、どんどん育っている。今続編をやるというのは、リスクが高いことです。正直、勝ち目はないから、無茶しなくていいのに……、なんて思ってました。でもやるからには、オリジナルに敬意を払いつつ、10年分パワーアップしたもの、挑戦的なものにしたい。

僕自身は、新しいLを失敗したら、ボロクソ言われるんじゃないかって、思ってました。だからといって勝負しないのはよくない。演技の面でいえば、あえてこれまでやらなかった“見得を切る”ようなことも、毎日のようにやりましたし。この作品では、初めて見せる表情もけっこうあるんじゃないかな。

 

WI  確かに、これまで見たことのない目つき、身の振る舞い、熱さ……などを、池松さんの竜崎から感じることができました。

池松 僕自身も、新しいところに行けたという手応えはあります。幅も広がったと思うし、もしこの作品に挑戦しなかったら、今年の僕はどこか物足りなく感じていたかもしれません。ただ、僕は人気者になりたいという動機でやっているわけじゃなくて、ものをつくるということにしか興味がありません。その興味に正直になれる場所を探し続けている、ということかもしれません。

 

それがどう完成作品に表れているかは、観てのお楽しみ。池松さんいわく、「観る人を選ばず、でも子供だましというわけでもなく」楽しめる映画。そこにあるのは、確立されたキャラクター、練り上げられたストーリー、壮大なスケール。そしてなにより、池松さんの冷静さと熱さ。『デスノート Light up the NEW world』は、そんな池松さんの新しい表情が発見できる一作です。(南 ゆかり)

撮影/ミズカイケイコ

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 ■映画『デスノート Light up the NEW world』公式サイト

池松壮亮(いけまつそうすけ)/1990年生まれ、福岡県出身。2003年、トム・クルーズ主演の『ラスト サムライ』で映画デビュー。2014年には、『紙の月』『愛の渦』『海を感じる時』『ぼくたちの家族』と注目作品に次々と出演し、日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。そのほかの出演作は、『春を背負って』『バンクーバーの朝日』(ともに2014年)、『劇場版MOZU』(2015年)、『海よりもまだ深く』『無伴奏』『ディストラクション・ベイビーズ』『セトウツミ』『だれかの木琴』『永い言い訳』『映画「続・深夜食堂」』(すべて2016年)がある。

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