カロリー?糖質?GI値?ダイエットの食事選びは、結局コレが正解!

カロリー?糖質?GI値?ダイエットの食事選びは結局何が正解?管理栄養士の答えはコレ


ダイエットをしているときに「結局何を食べるのが正解なの?」と壁にぶちあたったことがある方は多いはず。

たとえば「この食材はカロリーは低いけど糖質が高い」逆に「この食材はカロリーは高いけど糖質が低い」などなど、「結局どの基準で食材を選べばいいのかまったくわからない」ということがありますよね。
実際のところ、何を重視するのがダイエットの近道なのでしょうか。管理栄養士の篠原絵里佳さんにうかがいました。

 

Q.糖質、カロリー、GI値に脂質…ダイエットの食事、結局何を重視するのがいいですか?


A.いちばん大切なことは「バランスがいい食事と適正な栄養を摂ること」です!

(c)Shutterstock.com

大切なことは、カロリーでも、糖質でも、GI値でもありません。

主食・主菜・副菜をそろえて「バランスがいい食事と、それぞれの栄養素の適正量を摂ること」です。糖質・脂質・たんぱく質に加え、ビタミンやミネラルなど、それぞれの栄養素がそろうことで、それぞれの栄養素がうまく体の中で使われていきます。何かが不足していると、使われずにためこまれてしまうこともあります。

たとえば、同じカロリーの食事があっても、その内容はそれぞれです。

A) メロンパン1個+ブラックコーヒー=約500kcal
B) 焼魚定食(ごはん+魚+味噌汁+おひたし等の小鉢)=約500kcal

だいたい同じカロリーの食事であっても、どちらが太りやすいかといえば、圧倒的にAのメロンパン+コーヒーであることは感覚としてわかるでしょうか。Aに含まれている栄養素はほぼ糖質と脂質のみで、非常に栄養のバランスが悪いです。

一方でBの焼魚定食は、糖質と脂質のほかに、たんぱく質・ビタミン・ミネラルも含まれており、栄養のバランスがよく、同じカロリーでも太りにくい食事です。
さらに「400kcalの菓子パンひとつ」と「500kcalの焼魚定食」だったらどちらが良いでしょうか。「とにかくカロリーが少ないこと=ダイエットにとっていいこと」であるとは限りません。

むしろ、カロリーに関しては、日本人はすべての年代で不足しています。特に若い女性は発展途上国と同じレベルで不足していることが問題になっており、このエネルギー不足が原因でさまざまな不調が起き、不妊リスクや低出生体重児の増加につながっています。ただ「カロリーを減らすこと」よりも「バランスをとること」が大切です。

 

Q.ダイエット中にやってはいけないことは?


A.食事を必要以上に減らすダイエットはNGです!

ダイエットとなると「摂取カロリーや糖質・脂質を減らせばやせる」と思ってしまいがちですが、食事を必要以上に減らすと、むしろ代謝が落ち、やせにくく太りやすい体になります。さらに女性の場合はPMSなど、さまざまな不調につながります。
大切なことは「食事はバランスよく食べ、お菓子類やジュースなどの嗜好飲料を減らすこと」。そして「筋肉量を維持するために、体をこまめに動かすこと」
摂取カロリーを減らして短期間でやせると、短期間でリバウンドし、代謝も低下して太りやすくなります。

 

Q.ダイエット中、やるべきことは?


A.結局、基本の生活習慣が何より重要です。

たとえばこのような生活習慣をできるものから取り入れることで、少しずつ変わってくるはずです。

・食事の時間に配慮すること。21時以降など、夜遅い時間はNGです。
・1日3食食べること。朝食は抜かないでください。
・活動量を増やすこと。駅では階段を使う、一駅歩く、電車では座らないなど、日常生活の活動量を増やすだけで、ダイエット効果は高まります。
・睡眠時間を7〜8時間確保すること。
・ダイエット中に何かを制限するのであれば、食事ではなく「糖質だけしか含まれていない甘い飲み物」や「糖質と脂質でできている菓子パンや洋菓子、スナック菓子などのお菓子類」。食事は何かを減らしすぎることなく、バランスよくしっかり食べることがむしろ近道です。

 

Q.自分が何で太っているのかわからないのですが…


A.だいたいの「太りやすい行動」の傾向はあります。チェックしてみましょう。

こちらの診断もあわせてチェックしてみてください。

たとえば女性に多いのはこのような傾向でしょうか。これから紹介するものはすべて「代謝が落ちる食事」で、「太りやすくやせにくい体」につながるものです。

・菓子類や、ジュースなど甘い飲み物を摂ることが多い
・主食としてホットケーキや菓子パンなどを食べている

→糖質が多くなり、糖質太りになりがち。また「菓子パン」を「主食」と認識している方は、「お菓子」と認識し直してみてください。

 

・糖質オフをして主食を食べず、おかずに偏っている

→ごはんやパンなどを食べないぶん、おかずでおなかを満たす必要があるため、自然と脂質が必要以上に多くなり、脂質太り傾向にあります。

 

・パンやパスタ系を主食によく食べている

→「ランチはパスタのみ」という方は、どうしてもたんぱく質不足になりがちです。意識的にたんぱく質を摂りましょう。また、パンもバターを大量に使用していて脂質量が多くなるので、脂質が少ないたんぱく質を摂ることを心がけましょう。

 

・サラダなどの野菜をメインで食べていて、おかずを食べていない

→野菜はヘルシーだからと野菜をメインにしてたんぱく質も糖質も摂らないと、栄養失調・代謝の低下につながります。

 

・朝食を抜く

→栄養失調・代謝の低下・血糖値の乱れにつながります。

 

「何かを極端に増やす・減らす」ではなく、バランスよく食べ、主菜や副菜によって、不足しがちなたんぱく質やビタミン・ミネラルをしっかりと摂りましょう。

「食事のバランスを整える」ことは、時間がかかります。でも、確実にダイエットに成功します。過度の食事制限で短期間で落とした体重は短期間で戻り、むしろ以前よりも太りやすい体になります。ダイエットに「近道」はありません。睡眠時間をしっかり確保し、こまめに体を動かし、できるだけ栄養バランスを整えていく…改めてそんな基本に立ち返ってみてください。

■今回お話を伺ったのは…
篠原絵里佳 先生

栄養管理士・Health & Beautrition主宰
日本抗加齢医学会認定指導士/睡眠改善インストラクター/野菜ソムリエプロ/ダイエットスタイル認定トレーナー

総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床経験とアンチエイジング(抗加齢)医学の活動を通して、体の中から健康と美を作る食生活を見出し、分かりやすく発信することを得意とする。フィーカレディースクリニックで栄養相談・睡眠相談を実施している。

構成/後藤香織

 

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