「でも大抵、社長が経営のトップじゃないの?」と思われた方、たしかに日本では社長=経営のトップであることが多いので、実際「社長」と「CEO」は同じような意味で扱われがちです。しかしながら、アメリカではそういうわけでもないのです。
実は日本とアメリカの経営はちょっと違い、アメリカでは必ずしも社長がCEOを務めるわけではないのです。
アメリカの会社では、会社の業務執行の意思を決める人(取締役)と、業務を執行する人(執行役員)が分けられています。取締役というのは、あくまで株主の代理人。
そして「CEO」はその執行役員の中のひとりであり経営の責任者。事業責任者であれば「COO」、財務責任者であれば「CFO」など……それぞれ置かなければいけないものもあれば、置かなくてもよいものもあり、兼任されることもあります。
このような仕組みになっているため、アメリカでは「社長」=「CEO」とは必ずしもならないのです。ちなみに「執行役員」は日本でも存在しますが、日本の法律では定められていないため、役員という名前はついていますが役員ではありません。
これで日々のニュースの理解が少し深まりましたでしょうか。もしニュースでわからない言葉を見つけたときは、前後の文脈で推測するばかりではなく、きちんと調べて理解を深めることが大切です。(鈴木 梢)