入江未悠が探し続ける「普通の女の子が幸せになる方法」

『AneCan』の看板スタイリスト、入江未悠さん初の単行本『TOKYO LADY STYLE』出版記念インタビューの後編です。今回は撮影の裏話や、この本ならではのスタイリングに込めたこだわりをさらにうかがいます。

前回の記事はコチラ→ スタイリスト入江未悠、初の単行本に込めた「大人かわいい」への想い

入江未悠が探し続ける「普通の女の子が幸せになる方法」

Woman Insight編集部(以下、WI) 全96ページ、どのページも思い出がぎゅぎゅっと詰まっていると思いますが、特にこのページはすごく思い出深い! というものはありますか?

入江未悠さん(以下、入江) (ページをめくりながら)んー……(高垣)麗ちゃんの撮りおろしの口絵、ですかね。実はこの日、大雨だったんです。

入江未悠が探し続ける「普通の女の子が幸せになる方法」

 

入江未悠が探し続ける「普通の女の子が幸せになる方法」

WI えっ、パッと見た感じまったくそんなふうに見えないです!

入江 いやー、ずっと晴れていて、雨は降らないだろうなって思っていたのに、突然その日だけ雨が降ったんですよ。「これは絶対やまないだろうな……」というくらいのどしゃぶりだったので、朝起きたとき、へこみましたね。でも、カメラマンさんが「雨もいいじゃないか」って言ってくださって。そこから雨を味方につけるべく、雨の中走ったり、「お花を持って急いでおうちに帰る!」というシチュエーションのカットを撮ってみたり。髪が濡れちゃったりしながらも、すごく短い時間で集中して撮りました。最初は「雨だ……」ってドキドキしていましたが、撮り進めるうちに「いい写真が撮れたね!」って、スタッフみんなで納得できるような仕上がりになったので良かったです……。

 

WI 他に作る上で「これは大変だったな」というエピソードはありますか?

入江 過ぎたことは忘れるタイプなので(笑)、大変だったけど楽しかったなって気持ちのほうが強いですね。強いて言えば……実はかなり私物を使ったこと。アクセサリーや靴などの私物紹介コーナーで使う分はもちろん、口絵でもいくつか私物を使っています。かなりの量をコーディネートルームに運んで置きっぱなしにしていたので、「あ、今日あれ着たいのになんでないんだろう?」っ思うことがよくあって、あっそうだあっちに持っていってたんだって(笑)。着る服がかなりなくなっちゃって、毎日同じ服を着ていました、あっはっはっは(笑)。

 

WI それはすごいエピソード……(笑)! 通常の『AneCan』とは一味違うこの本のスタイリングを作る中で、どんなことを心掛けましたか?

入江 年間を通して参考にしてもらえる本にしたかったので「すごく季節感がある」よりは「通年使える」スタイリングを意識して作りました。選んでいるアイテムも、よく見るとひとつひとつが通年着回ししながら使えるアイテムがほとんど。例えば春夏っぽいコーディネートで使っているスカートもタイツをはいたら秋冬も使えるものだったり、夏でもはける爽やかな白いパンツもブーツインしたら秋冬の装いにも使えるものだったり。なので、1周めはぱらぱらとめくっていただいたら、2周めからはアイテムひとつひとつに注目してじっくり読んでいただいても楽しいかな、と思います。

入江未悠が探し続ける「普通の女の子が幸せになる方法」

 

入江未悠が探し続ける「普通の女の子が幸せになる方法」

WI よく見るとひとつひとつが通年使えるアイテムコレクションなんて……かなり役立ちますね!

入江 ありがとうございます(笑)。それから、「今だけ」ではなく「長く」参考にしてもらえる本にしたいなと思って、使うアイテムもトレンド感があるものよりはベーシックなものを厳選しました。例えばその年によって若干スカートの丈が長くなったり短くなったりくらいの流行はあっても、私が提案したい「スタイルがよく見えるバランス」「周りの人から好印象なコーディネート」は基本的にそんなに変わらないかな、と思って。

 

WI でも、なんだかんだその基本ってとても大事ですよね。

入江 「スタイルよく見える」って、難しいんですけどね(笑)。私は身長が158cmくらいでそんなに大きくないので、トレンドを取り入れたくても取り入れられないものがあったりしますし……。そうそう、そんな中で自分なりに工夫してトレンドを取り入れている、私のスナップページも結構あります。

入江未悠が探し続ける「普通の女の子が幸せになる方法」

WI そう、まさにここがリアルで役立つな、と思ったんです! そんなお役立ちスタイルブック、「こんなときに読んでほしい」という思いはありますか?

入江 毎日着るお洋服の選び方に迷ったり悩んだりしたときに、ちょっと読んで参考にしてもらえたらすごく嬉しいです。「ファッションが面倒だな、苦手だな」と思わずに、もっと身近に感じてもらえたらいいなって。ファッションって、ひとつうまく取り入れるだけで、自分がハッピーになれたり気分を上げてくれたりすると思うんです。でもなかなかそれが難しいんですよね……スタイリストをしている私自身も、モード・ファッションは素敵ですが、リアルクローズではないと思っているので……そう、私、すごく普通なんですよ、本当に(笑)。

 

WI え!? いやいやいや普通ではないですよ! ……というのはまあ置いておいて。どう普通だと思いますか?

入江 ファッションが好きで、スタイリストのお仕事をさせていただいていますが、かといってトレンドのすべてを取り入れているようなファッションピープルというわけでもない。最初は、そういうところがコンプレックスでした。もともとこの業界に入ったきっかけが、読者モデルをしているときに編集部の方に声をかけてもらい、ライターとスタイリストのアシスタントを始めた……という経緯があるんです。

 

WI そうなんですね……!

入江 はい。でも、だんだんそんな“普通”の自分だからこそできる提案ってなんだろうな、と考えられるようになってきました。そこから師匠に学んだ「“半歩”先のコーディネート」とか、「“普通”の女の子が幸せになるおしゃれ」というのが、自分ができる提案かな、とわかってきて。だから今回の本もそういう要素を入れましたし、これからもそんなコーディネートを提案していきたいな、と思います!

 

確かに入江さんの提案するおしゃれは、使うアイテムは本当にベーシックながら、素材やサイズ感へのこだわりや、ちょっとした小物使いが素敵。
そんな“普通”の私たちの毎日をハッピーにしてくれる入江さん流コーディネートのコツがたっぷり詰まった『TOKYO LADY STYLE』。ぜひ店頭てお手に取ってご覧になってみてくださいね。(後藤香織)

TOKYO LADY STYLE表紙
『TOKYO LADY STYLE』入江未悠/著(小学館/1,200円+税)

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