「バランスの良い食事」ってつまり何?ダイエットに効く食事のルールは意外とシンプルだった

「バランスの良い食事」ってつまり何?ダイエットに効く食事のルールは意外とシンプルだった

ダイエットについて調べると、頻繁に目に入るのが「バランスの良い食事」という言葉。でもその内容を具体的にイメージできているかといえば、案外そうとも言えません。

知っているようで案外知らない「バランスの良い食事」の正体。ダイエット中は実際どんなものを食べたら良いのでしょうか?

栄養バランスを的確にアドバイスしてくれるダイエットアプリ『カロリーママ』の開発を担当する、管理栄養士の吉松智美さんにお話を伺いました。

 

「バランスの良い食事」って、じつはこういうことだった!

吉松さんいわく、「バランスの良い食事といっても一概には言えませんが、いろいろな食材を使っていろいろな調理法で食事をするのがおすすめです。そうすることで栄養素のバランスが整い、ダイエットにも効果的な食事になりやすいです。複数の料理を楽しめる定食(例:和食の定食)をイメージすると良いですよ」とのこと。

 

定食
(c)Shutterstock.com

◆「主食・主菜・副菜」のバランスは?

吉松さんがいつも意識している「バランスの良い食事」は、次のようなもの。

主食:糖質と食物繊維(雑穀米、麦ごはん、胚芽パンなど)
主菜:タンパク質(魚、肉などメインとなるおかず)
副菜:食物繊維(汁物、小鉢、サラダなど)

「主食・主菜・副菜」の3セットが揃い、その中に「糖質・タンパク質・食物繊維」という3つの栄養素が豊富に含まれるよう心がけています。

量で言えば、1食につき、

主食:お茶碗1杯分
主菜:タンパク質の多い食材だけで片手1杯分
副菜:生野菜なら両手1杯分(火を通した野菜は片手1杯分)

というのを目安にしています。

「必ずしも3品必要というわけではなく、丼やカレーライスなど、主食と主菜を合わせた料理でも問題ありません。また和食でなければいけないということはありませんが、たとえば野菜のほとんど入っていないパスタ1皿だけではやはりバランスが良くないので、サラダや具だくさんなスープを加えるといった工夫で補いましょう」

 

◆「糖質・脂質・タンパク質」のバランスは?

さらに意識すると良いのが、エネルギー源となる三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)のバランスです。厚生労働省が掲げる「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、三大栄養素のバランスとして理想的なのは次の割合。

糖質:50〜65%
脂質:20〜30%
タンパク質:13〜20%

カロリー制限方式のダイエットを行うのであれば、栄養素全体がこのバランスになるよう意識していくと、健康的なダイエットに繋がります。


飲み会で食べ過ぎた…そんなときは3日間で調整

バランスの良い食事のイメージは、なんとなく掴めてきました。でも、毎食必ず理想的な食事をとれるとは限りませんよね。友達と外食するときだって「バランス、バランス」とそればかり考えていたら窮屈かも。

Q:食べ過ぎてしまったときは、何日くらいのスパンで調整すれば良いのでしょうか?

 

「お酒を飲んだり、外食でたくさん食べたりしたときには、2〜3日くらいのスパンでバランスを取ればOKです。もちろん1日のうちで帳尻を合わせても良いのですが、無理に頑張ろうとするとストレスが大きくなり、ダイエットが続かなくなってしまいます。昨日食べ過ぎたなぁと思ったら、今日〜明日はカロリーや糖質を少しずつセーブして、3日間トータルでちょうど良くなるバランスを目指しましょう

前回の記事でもご紹介したとおり、ダイエットを成功させるコツは長いスパンで続けること。女子会で糖質をとりすぎた翌日は主食を調整する、揚げ物をガツガツ食べてしまったらその後2日間はカロリーを抑える、といった具合に「3日間」を基本セットとして考えましょう!

チキンとビール
(c)Shutterstock.com

 


綺麗に痩せたい!ダイエットと栄養バランス両立のコツ

カロリー制限や糖質制限など、食事制限によるダイエットをしている最中は、どうしても栄養バランスが崩れがちになります。

吉松さんいわく、「ダイエットをする前の食事の方がじつはバランスが取れていた、という人は案外多いんです」とのこと。実際、取材に同席された吉松さんの同僚の方も「主食を一切食べないダイエットで便秘になり、かえって太ってしまった」という経験の持ち主でした。

栄養バランスを考え、肌や髪を綺麗に保ったまま痩せるためにはどうしたら良いのでしょうか?

 

◆コツ1 食材の選び方を変える

特定の栄養素や食材を一切食べないようにするのではなく、選び方にひと工夫してみましょう。たとえば焼き肉が食べたいときは脂が落ちるよう網焼きのお店を選び、野菜もしっかり注文するのがおすすめ。脂質とカロリーを抑えて食物繊維やビタミンを確保でき、野菜のカサで満腹感を得やすくなります。また間食を選ぶときは果物や乳製品を選ぶと、日頃不足しがちな栄養素を補うことができます。

◆コツ2 調理方法を変える

調理方法を変えるだけで、カロリーを大幅カットすることができます。同じ食材でも、揚げ物を焼き物に変えただけで100kcal前後はカットできるのです。
洋食が食べたいときは、コクたっぷりのシチューではなく、トマトベースのメニューを選ぶ。魚料理なら小麦粉とバターたっぷりのムニエルではなく、あっさりした焼き物などシンプルな調理法を選ぶ。
ダイエットをしているからと言って何でもかんでも我慢するのではなく、食品や調理法で工夫して「これなら満足できそう」という妥協点を見つけること。それがダイエットと栄養バランスを両立させるコツです。

なるほど、食べたいものはできるだけ我慢しないというのも、ダイエットを成功させる工夫の1つなのですね。我慢することがダイエットだと思っていた私は、ダイエットに対する印象が大きく変わりました。

 


なんとなく信じているダイエット豆知識…これって正しい?

せっかくなので、今までなんとなく信じてきたダイエット知識についても、正しいのか間違っているのかを吉松さんに確認してみましょう!

Q:「食べたいものは身体が欲しがっているもの」というのは本当ですか?

ダイエット(食事制限)中なのでありえなくもないですが、ダイエット中の言い訳という可能性もありそうです。「食べたいからケーキをいくつも食べちゃう」なんていうのはやっぱりNGですよね。ダイエット中はどうしても「食べたい」という感情が出てきやすいので、我慢するよりも内容や量に配慮することをおすすめします。

 

Q:「身体に良い油は多少多めにとってもOK」というのは本当ですか?

オリーブオイルやココナッツオイルなど、いわゆる身体に良い(と巷で言われている)油のことであれば、多めにとったからと言って必ずしも良いとは言えません。確かに油の種類(=原料や化学式の違い)によって良い影響をもたらすこともありますが、身体が必要とする油の量は人によってある程度決まっています。上限値を超えて摂取してしまえばカロリーのとりすぎになって太ってしまうなど、悪い影響が出てくる可能性があります。油は油、身体に良いからといってとりすぎないようにしましょう。

 

Q:「糖質制限ダイエットをすると便秘になりやすい」というのは本当ですか?

これは本当です。糖質を多く含む穀類や芋類には、食物繊維も多く含まれています。だからご飯や芋類を控えることの多い糖質制限ダイエットでは、便秘を引き起こしやすいのです。便秘を防ぐためには「ご飯を一切食べない」というやり方よりも、雑穀米やライ麦パンなどに置き換えたり、芋類や根菜類をとった時は主食を制限したりして、食物繊維の量を減らさないのがおすすめです。

曖昧な知識をつい言い訳にしてしまうことも多かったかもしれません。改めて確認すると間違っているケースも多いのですね(反省!)。正しい知識を使って、今度こそダイエットを成功させていきたいものです。

 

【まとめ】

ダイエットを成功させ、その後もリバウンド知らずな身体を手に入れるためにはバランスのいい食事が必要不可欠です。正しい知識を身につけ、健康的にダイエットすることを意識してみましょう!

 

さて、次回はシリーズ最終回。綺麗に上手に痩せるコツについて、管理栄養士さんが行っている秘訣をこっそり伺います♪

次回はコチラ→ ダイエット中もお肉は全然OK!管理栄養士に聞いた、キレイにやせるための4大栄養素

※インタビュー内容は今までのダイエット指導経験に沿ったものです。

 

【前回までの記事はコチラ】

★結局どっちがやせるの?「カロリー制限vs糖質制限」ダイエット

★我慢もリバウンドもしない!ダイエットを成功させるシンプルなコツ

★6割がダイエットに失敗!管理栄養士が語る、挫折・リバウンドの原因と克服法

 

お話を伺ったのは…

●吉松智美さん
吉松さん大学卒業後、管理栄養士国家資格取得。病院の管理栄養士として8年間勤務ののち、株式会社リンクアンドコミュニケーションへ入社。ダイエットアプリ『カロリーママ』担当者として開発に携わる。

●ダイエットアプリ『カロリーママ』
カロリーママ

iOS版Android版
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(取材・文/豊島オリカ)