主演の長澤まさみさんをはじめ、東出昌大さん、小日向文世さんら主要キャストが全員詐欺師を演じる月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』（フジテレビ系、毎週月曜21時）。『リーガル・ハイ』（フジテレビ系）シリーズや映画『ミックス。』で知られる脚本家の古沢良太さんが描く、だましだまされの二転三転する痛快ストーリーが話題を集めています。インタビュー第2弾となる今回は、長澤さんに古沢さんの脚本の魅力や、撮影で忙しい中でのリラックス法などをうかがいます！
■ある人を騙したら根にもたれました（笑）
編集部 古沢さんの脚本は今回初めてになりますが、主人公のダー子を演じてみていかがでしたか？
長澤さん 古沢さんは当て書き（その役を演じる俳優をイメージしながら脚本を書くこと）じゃないとおっしゃっていましたけど、もしかしたら今回の役は当て書きに近いのかなという感覚があって。私の過去作をご覧になってくれているのかなっていう気がしたんです。
編集部 なぜそう感じたんですか？
長澤さん 私がどういう風に言葉を発して、どういう風に動くだろうっていうのが分かって書いてるのかなって思うシーンが多くて。ダー子に役の可能性をすごく感じたので、こういった脚本を書いていただけるのはありがたいですね。
あと、古沢さんの脚本は、ストーリーに張り巡らされた伏線も魅力的。驚きが常にありながら最終地点に着地する、安心しても楽しんでも見られるっていう感覚が面白いなって思います。
編集部 古沢さんの作品で好きな作品は？
長澤さん やっぱり『リーガル・ハイ』かな。堺（雅人）さん演じる主人公が面白い髪型をしていますが、そのふざけてる感じが役柄のキャラクターにもつながっていて、それが面白い。ちょっとしたユーモアを詰め合わせていて、ふざけているのに物語がしっかりしてるから、たくさんの人に愛されたのかなと思います。
編集部 なるほど。セリフも独特で面白いですよね。
長澤さん 古沢さんの作品のセリフは生き生きしていて、覚えやすい言葉が多いんですよ。書き言葉じゃない言葉になっていて、すんなり入ってくるからだと思います。
編集部 今回のテーマは、騙し合いによって二転三転していく「コンゲーム」。映画や小説でも昔から人気なジャンルですが、どこが魅力だと思いますか？
長澤さん 非現実だからかな。一応、騙し合いは世の中にあるかもしれないですけど、他人事だから笑えるっていうのもあると思います。人間の心の動きが見えるところが、魅力的なものかもしれませんね。
編集部 ちなみに、長澤さんは最近だまされたことは？
長澤さん 逆に騙したことはあります（笑）。ある方がオールアップする時に私と2人のシーンだったんですが、最後のカットの時にあと１シーン増えたらしいですよって嘘ついたら、まんまと騙せて（笑）。いい感じで騙せたんですが、根に持たれてますね（笑）。
■陶器集めにハマっていて、最近は中華せいろを買いました
編集部 撮影で忙しい時と思いますが、どんなことをしてリフレッシュしていますか？
長澤さん 陶器を集めることにハマってるんです！ 最近は、陶器屋で日本人の作家さんが作った中華せいろを買いました。去年の夏から餃子作りにこっていて、次はシューマイを作りたいなって思っていて。それで、見た目がかわいい中華せいろをずっと探してたんですけど、日本製の物がなかなかなくてこの前やっと見つかりました。今から作るのが楽しみです！
編集部 自炊することは多いですか？
長澤さん 一人暮らしが長いので、自炊できるときは結構しています。美味しいご飯屋さんに行くのも好きなので自炊と外食をバランスよくしていましたが、今年は自炊を増やすことが目標なんです！
普段は、好きな料理家さんのレシピや、それを応用した料理を作りますね。何か料理を決めて作ると食材が余ることが多いので、余った食材で創作料理を作って、食材を使い切るように心がけてます。
編集部 最近自分で作ってお気入りだったお料理は？
長澤さん 簡単で美味しい料理が好きなんですけど、中でも好きなのはブロッコリーとカリフラワーを茹でて、マヨネーズとオイスターソースとカイエンペッパーで味付けしたもの。カイエンペッパーは辛くて美味しくて。辛いものが大好きなんです。
編集部 美容のために食事で気を付けていることはありますか？
長澤さん 基本、我慢せずに好きなだけ食べて、消化をよくすることですかね。あと、パンはほぼ食べないかな。グルテンフリー生活をしているわけじゃないんですが、グルテンを取らないほうが私は調子が良いです。
次回、第3回目のインタビューでは、女優としてさらに輝きを増す長澤さんに自分が好きな時間や、撮影現場でのエピソードを語っていただきます！
撮影／黒石あみ 取材・文／高山美穂
脚本／古沢良太
出演／長澤まさみ 東出昌大 小日向文世
第2話ゲスト／吉瀬美智子■第2話あらすじ／『リゾート王編』
信用詐欺師のダー子（長澤まさみ）、ボクちゃん（東出昌大）、リチャード（小日向文世）の3人は、ロシアンマフィアを騙そうとして失敗し、命からがら何とか逃げ切る。この一件で危険な目に遭ったボクちゃんは、ダー子たちとは縁を切ると宣言。真っ当な人間になるために職探しを始めたボクちゃんは、ひなびた温泉町にある老舗旅館『すずや』にたどり着き、住み込みで働くことに。
ところがすずやは、2年前、隣町に桜田しず子社長（吉瀬美智子）が率いる大手ホテルチェーン・桜田リゾートが出来てから経営不振が続いていて、追い詰められたすずやの女将・操（本仮屋ユイカ）は、旅館を桜田リゾートに売却することを決意。
実は、すずやは5年ほど前に桜田リゾートから買い取り話を持ち掛けられていたが、それを断った途端、口コミサイトには悪意ある書き込みが溢れていて、すずやが経営難に陥ったのもそれがきっかけだった。しかもしず子たちは、すずやの資産価値を0円と査定し、約束していた従業員の再雇用も反故にしようとしており、そのやり方に怒ったボクちゃんはすずやを救うためにダー子たちに協力を依頼、しず子から金をせしめようとするが…。
1987年6月3日生まれ。静岡県出身。2000年に第5回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞し、芸能活動を開始。ドラマ、映画、舞台と多岐に渡る作品に出演し、日本アカデミー賞ほか数々の賞を受賞。『50回目のファーストキス』（6月1日公開）や『マスカレード・ホテル』（2019年公開）の公開が控える。11月より、劇団☆新感線の舞台『メタルマクベス disc3』にも出演。
