“現代アメリカの縮図”ともいえる問題で世界を震撼させた話題作が日本初上演!

<稽古場レポート/8月中旬、都内稽古場より>

8月中旬、舞台「ディスグレイスト-恥辱」の稽古場。

この日は、第三幕・パキスタン系アメリカ人の弁護士・アミール(小日向文世)のアパートメントで彼の白人妻、画家・エミリー(秋山菜津子)のホイットニー美術館での展示決定を祝うパーティーの場面。彼女の絵を招聘したのは、白人のユダヤ人キュレーター・アイザック(安田顕)。パーティーの参加者は彼らに加え、アミールと同じ事務所に所属するアフリカ系アメリカ人弁護士・ジョリー(小島聖)。

ディスグレイスト,小日向文世,秋山菜津子,安田顕,小島聖,平埜生成

平穏と成功の中から稽古はスタート。稽古場にはピリリとした空気が流れる。演出・栗山民也によって創り出される舞台上の“フィクション”が、大がかりな場面転換の無い構成も相まって、自らもパーティーの参加者であるような“リアル”な感覚として、脳内に入り込んでくる。

物語は、アミールの甥・パキスタン生まれのアメリカ人・エイブ(平埜生成)が持ち込んだとある相談から動き始める。ひとたび狂った歯車は、水面に投げ入れた小石のように波紋を広げ、いつしか全員を巻き込む荒波と化していく。

一言、また一言と放たれるたび、引き返せたはずの瞬間を誰も気づかぬまま通り過ぎ、取り返しのつかない荒波と化していく。立場が違えば本来異なるはずの「正義」の定義が共通のものとしてこの世界を覆っている現実の「嘘」が、舞台上で曝け出されていく。胸をえぐられるような感覚になる。

男性と女性、イスラムとユダヤ、白人と有色人種。舞台上に、スピード感を持って世界の縮図が映し出される。本作のキャッチコピー「日本を代表する俳優陣が挑む!」に恥じぬ重厚な雰囲気は、開幕までまだ数週間ある稽古からも感じられた。

(撮影:矢野智美)

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「DISGRACED/ディスグレイスト-恥辱」

作:アヤド・アフタル
翻訳:小田島恒志・小田島則子
演出:栗山民也

出演:小日向文世 秋山菜津子 安田顕 小島聖 平埜生成

■東京公演:2016年9月10日(土)~25日(日)@世田谷パブリックシアター
■名古屋公演:2016年9月27日(火)@日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
■兵庫公演:2016年9月30日(金)~10月2日(日)@兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

http://www.disgraced-stage.com

[主催・製作]テレビ朝日、産経新聞社、ヴィーブル、パソナグループ
[企画制作]パソナグループ

 

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