WI 今回、初の単独主演ということでプレッシャーはありましたか?
門脇 お客さん入るのかな?っていう心配はありましたけど、豪華な男性3人が揃ってくださったのでそこはお任せしようって思いました(笑)。
WI 実際にその豪華な男性陣と共演されてみていかがでしたか?
門脇 楽しかったです。リリーさんは以前、親子役で共演していたので久々の再会で嬉しかったです。菅田さんは何回目かの共演で、共通の友達もいっぱいいるので勝手に知り合いのような感覚もあって。そのせいか初日から違和感なくすんなりと一緒にいられました。長谷川さんはすごくフランクな方で。焼肉の話などで盛り上がりました。
WI お2人とも焼肉が好きなんですか?
門脇 そうなんです。私もすごく好きなのですが長谷川さんも焼肉好きで。どこの焼肉が美味しいよとか、お店を教えていただいたりしました。
WI 『二重生活』の裏側で、焼肉の話をしていたとは……(笑)。わりとワイワイした現場だったんですか?
門脇 撮影現場って、カメラ前の空気とスタンバイ場所の空気がすごく違う気がしますし、自分自身もテンションがすごく変わります。普段はわりとカメラ前に立ってからエンジンかけるタイプなのですが、今回は岸監督のドキュメンタリータッチな撮影の仕方とこの役だったら、切り替えない方が面白いかなと思って、そこを捨てて臨みました。
WI というと?
門脇 オン・オフみたいなものをつけるのをやめて、演技じゃないところまで持って行きたかった。自分の私情まで全部持ち込んで臨もうと思ってたので、スタンバイ場所もカメラ前も、テンションはずっと同じでした。監督もモニターの前でも常に穏やかですし、こっちもずーっとオンなのか、オフなのかわからない感じで。なのでワイワイというわけでもなく、適度に緊張感もあり、だけどみんなシリアスでもなくっていう不思議な現場でしたね。
WI オン・オフの境界線がないような?
門脇 そうですね。ずーっとカメラがまわってる感じでもあるし、でも逆にずーっとカメラがまわってないような感じでした。
WI 珠と門脇さんの境界線も曖昧にしていたんですか?
門脇 曖昧にしました。珠っていう子を、ここからここまでって決めつけないでやったほうが、今回は面白いかなって思ったので。(役に)余白を持たせたかったんです。私を通して役を演じているので、一応役を演じていることにはなるんですけど、自分の本当の感情が入り混じればいいなと思ってやってました。
WI 入り混じりました?
門脇 入り混じったと思いますね。
WI 先ほどお話しされてた私情も入り混じりましたか?
門脇 私情というか……これはこの現場に関わらず、私が常々目指したい部分なんですけど、映画ってフィクションなんですけど、少なくとも私たちがやることは、ノンフィクションであるべきだなぁって思っていて、出てくる言葉とか感情とか、そういう物は本物であるべきだと思うんです。個人的にお客さんとして観る時も、その人本人が滲み出てくる人の方が好きなんです。
前編では、主に撮影現場でのお話をお届けしましたが、後編では、演じた珠について、そして女優としての門脇さんについてのお話をたっぷりとお届けします。そして、映画『二重生活』 は、いよいよ6月25日より全国で公開スタートします! ぜひ劇場に足を運んでみてください。(白鳥優香)
理由なき尾行、はじめました。
何気なく覗き込んだ世界は、禁断の人間模様。
尾行を哲学する――全く新しい心理エンターテインメント。【ストーリー】 表参道、渋谷……移りゆく東京の街の風景のなかで、 見ず知らずの他人を尾行し、いつしか禁断の行為にはまっていく――。
大学院の哲学科に通う珠(門脇麦)は、修士論文の準備を進めていた。担当の篠原教授(リリー・フランキー)は、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する“哲学的尾行”の実践を持ちかける。同棲中の彼(菅田将暉)にも相談できず、尾行に対して迷いを感じる珠は、ある日、資料を探しに立ち寄った書店で、マンションの隣の一軒家に美しい妻と娘とともに住む石坂(長谷川博己)の姿を目にする。作家のサイン会に立ち会っている編集者の石坂がその場を去ると、後を追うように店を出る珠。こうして珠の「尾行する日々」が始まった――。
監督・脚本:岸善幸「ラジオ」「開拓者たち」
音楽:岩代太郎
原作:小池真理子「二重生活」(角川文庫刊)
出演:門脇麦 長谷川博己 菅田将暉/河井青葉 篠原ゆき子 西田尚美 烏丸せつこ/リリー・フランキー
R-15 (C)2015『二重生活』フィルムパートナーズ
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