3年ぶりのアルバムは“ピアノバンドである強み”を詰め込んだ渾身作【WEAVERインタビュー】

Woman Insight編集部(以下、WI) 3年ぶりのオリジナルアルバムをリリースするにあたって、WEAVERとして大きな変化はありましたか?

杉本雄治さん(以下、杉本) いちばん大きなターニングポイントになったのは、ロンドンに半年間留学(2014年1月~7月)したことです。洋楽のサウンドへの“憧れ”を、より明確に音のイメージとして作れるようになった気がします。「ロンドン以降のWEAVERを見せたい」という思いもあったので、留学後からいままでに作った曲を今回のアルバムにどんどん入れました。特にテーマを持って作っていたわけではないのですが、この2~3年の間にすごくライブが大事だとあらためて気づき、WEAVERとして作る曲の焦点をそこに当てています。

 

WI 「ライブが大事」と考えたきっかけに、何かあったのですか?

杉本 世界的に見て、ポップスの中心にはギターがある。だけど、僕らのようにギターがないバンドにとっては、音圧感というか、勢いでガッと盛り上げるのが難しいんです。そういった意味で、ギターバンドへのジェラシーというか(笑)、そういうものがいままでずっとあったし、どことなくそこに向けて戦って曲を作っていた気がするんですけど、一度リセットして、「自分たちはピアノバンドだから、それを生かしてどうパフォーマンスするのがいちばんか」というのを強みとして見ていけるようになったのが、すごく大きいと思います。

WEAVER,杉本雄治,奥野翔太,河邉徹

WI ピアノバンドであるという以外で、WEAVERらしさを挙げるとしたら?

杉本 僕ら3人は兵庫県の高校に通っていたんですけど、そのころから10年以上一緒にやってきたので、20歳を超えて楽器をやってる人同士が集まってできたバンドとは、絶対的に違う空気感があると思います。ちょっとほっこりする部分だったり、お互いにいい意味でのライバル心もきっとあるはずだし。この前のツアーでも、自分たちがバンドを組んだときに書いていた歌詞のノートを披露したのですが、それは同級生ならではかなって(笑)。そういうのが、僕たちの武器でもあると思うんです。

河邉徹さん(以下、河邉) 今回のアルバム初回盤には、そのときのライブ映像が特典としてそのシーンが収録されてます。WEAVERは、主に杉本と奥野が曲を作って、僕が歌詞を書いているので、ひとりの想いをひとつの曲で伝える……というのよりも、3人でひとつの曲を作っているという感覚もありますね。だから今回のアルバムを通して、音だけじゃなく、映像からもWEAVERの空気感というものも伝わるんじゃないかと思っています。