個性がないと生き残れない!「MEN’S Precious」掲載商品が売れる理由【編集長インタビュー】

Woman Insight編集部(以下、WI):『MEN’S Precious』の2015年はどんな流れでしたか?

 

鈴木 深編集長(以下、鈴木):トレンドの流れはいろいろありましたが、『MEN’S Precious』の2015年は「ブルー」推しでした。なので、春号では一冊まるまる「男はなぜ『青』に惹かれるのか」という大特集をしましたが、とても反響が大きかったです。トレンドカラーっていうのはもちろんあるのですが、それだけじゃなくて、『MEN’S Precious』の場合は、「なぜ男は青に惹かれるのか」という点を深く考察してみたんです。

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WI: ページをめくってもめくっても、なかなかお洋服が出てきませんね!!

 

鈴木:そう、プロローグがとにかく長いです。まず、「青」を巡る物語がはじまって、ペルシャ絨毯やウユニ塩湖などいろんな青にまつわる写真を並べて、“青という色の持つ奥深い魅力”をしっかり解説しました。でも、その前置きが大事で、単純に「トレンドだから」って一言で終わらすのではなく、しっかりと読者に納得させたうえでファッションの特集をはじめるんです。

 

WI:ファッション誌なのに、めずらしいですよね?

 

鈴木:「青」っていうと、“スポーティ”とか“清潔感”という印象が強いですが、それだけじゃなくて、「青」の持つ闇の魅力についても紹介したかったんです。特集内には、スーツやジャケットなどももちろん出てくるのですが、途中にコラムを入れました。例えば、ジャズで有名なレコードは、なぜか「ブルー」をタイトルにしているものが多いので、その紹介をしたり、青を題材にしたエロチックな小説を紹介したり、爽やかなだけじゃない、青の持つ知的な闇も考えました。そのうえで、‟やっぱりブルーって魅力的だよね”っていう話を掘り下げていきました。

 

WI:実際に読者からの反応っていうのはありましたか?

 

鈴木:そうですね。『MEN’S Precious』の読者は、「ここに載っているコレが欲しい」と指名買いしていく方が多いです。登場するアイテム数やコーディネート数は決して多くはないけれど、その背景やストーリーをしっかり説明するから、「ものすごく欲しい!」と猛烈な物欲に煽られて、掲載した商品を購入していきますね。