WI:はじめての表紙撮影は、ニューヨークで行われたと聞きました。その時の杏さんはどんな感じでしたか?
高橋:そうなんです。杏さんは、10代の頃にニューヨークコレクションからモデルのキャリアをスタートしているので、第2の故郷に帰ってきたようで、とてもリラックスしていました。夜にニューヨークに到着して、翌朝3時半にはメイクをして、5時からブルックリンブリッジで撮影、というハードなスケジュールにも関わらず、とても頑張ってくれて。撮影が終わって、みんなでロケバスに乗って帰ろうとしたら、『私、適当に寄り道してから帰ります!』なんて言って、ひとりで電車に乗ってホテルに戻ったんです! すごく自立した女性だな、と感心してしまいました。
WI:そうなんですね! とても素敵な誌面だったのですが、なにかハプニングなどはありましたか?
高橋:実は、ニューヨークへ撮影で行ったとき、10月号と11月号の表紙を撮影することは決まっていたのですが、急遽12月号の表紙も撮影することになったんです。
というのも、用意していた衣装があまりにも素敵だったのと、その時のメイクさんがニューヨーク在住の方でとても素敵に仕上げてくださって、「この機会に撮ってしまおう!」となって。
いつもは、こんな雰囲気でこういう風に撮りたい、とある程度、完成形を決めてから撮影するのですが、その時はイレギュラーな撮影だったので、悩みに悩んでしまい、表紙の1カットに4時間くらいかかってしまったんです。
WI:1カットに4時間……それは大変でしたね!
それが12月号のこの表紙……!
高橋:10月号、11月号の表紙を撮影した後だったので、雰囲気を被らないようにしたかったんです。杏さんとお洋服を素敵に見せるには、どうしたらいいのか話し合ったのですが、なかなか決まらず……これといった正解例がないので、悩んだ時に、最終の決断を下さなきゃいけないのが編集長。責任重大でした。
何時間もかけて悩んだ裏話を聞くと、また見方も変わりますね。ちなみに、読者のアンケート調査では、スニーカーやバイカーブーツなどのカジュアルなアイテムが今年は人気だったそうです。
『Precious』といえば、誌面に載っていたラグジュアリーブランドの高価なアイテムが、ポンッと売れた、なんて話をよく聞きます。次回は、そんな読者のお買い物伝説について伺いたいと思います!(松本美保)
『Precious』2016年1月号(小学館)
【あわせて読みたい】
※舌の肥えた食通たちに!大人のための贈り物最新版【最旬&話題の手土産6品】