“ベースキャンプ型”ツアーとは、街から離れた場所までバスで移動して、ツアー会社が用意した巨大なテントでオーロラの出現を待つもの。テントの中ではたき火が用意されていて、あたたまりながら飲み物を飲んだり、夕食を食べたりしながらワイワイ待ちます。世界中からやってきた各国の方たちと会話を楽しみながら待っていると、スタッフから「オーロラが出てきたよ!」と声が。
テントの外に出てみると、満天の星が輝く空に、薄緑色の光のカーテンがかかり始めていました。感嘆の声をあげながら、オーロラの写真を撮ったり、ゆっくり観察したりと、思い思いの時間を過ごします。
そもそもオーロラとは、太陽の活動によって磁気嵐が発生し、それが地球の両極に降り注ぎ、大気中の化学成分に反応してプラズマを放ったもの。そのような理屈がわかっていても、実際に目で見ると、この幻想的な光景は筆舌に尽くしがたいもの……。
空をぼんやりと眺めているうちに、自然と涙が出てくるくらい感動するものです。
さて、今回体験したもうひとつのツアーは、“チェイス型”。これは、決められた場所で待機するのではなく、大型バスに乗り込んで、その日の天候や気象条件に合わせて、最適な観察場所に移動するものです。
市内からバスに乗り込み走り出すとすぐに、「オーロラが現れ始めた」という情報が入ってきたため、街の比較的暗い場所へ移動してカメラを構えます。
現れたのは、まだ出始めということもあり、かなり薄いオーロラ。そこでスタッフが先の状況を読み、すぐに別の場所へと移動します。
次に止まったところは、比較的街に近い、フィヨルドを見渡せる小高い丘。ここからは、みごとなオーロラを観察することができました。
一筋の雲のように現れたオーロラが幻想的なカーテンをおろしたり、全天に広がったり……この場所では、約1時間にわたり、さまざまな姿に変化を見せるオーロラを観察できました。
これで街に戻るのかと思いきや、まだまだツアーは終わりません! バスを1時間走らせて、かなりの山奥まで走っていきます。バスを降りると、すでにとても綺麗なオーロラが広がっていて、参加したツアー客は慌ててカメラや三脚をかついで、思い思いの場所で観察を始めます。
ここでは、全天に広がる巨大なオーロラも、ゆらゆらと踊る感動的なオーロラも観察することができました。最初に連続撮影の設定をしておいたので、自分自身は雪原へ寝転がって、その素晴らしいショーをのんびりと贅沢に観ることができました。
冷え込んでもマイナス10℃程度のトロムソの夜。北極圏にしてはそこまで寒くはありませんが、それでも寒さに慣れていないと「どのくらい防寒具を持ち込めばいいの?」と不安に思ってしまうと思います。でも、現地のオーロラツアー会社がレンタルをしてくれるので心配する必要はありません。さらにカメラも三脚もレンタルしてくれるので、いたれりつくせり。まさに「ちょっと札幌に雪祭りを観に行く」。そんな感覚でオーロラを観にいけるのが、トロムソの魅力です。
トロムソから日本へ帰るとき、フィンランドのヘルシンキから成田へ向かうフィンエアーの機内からも、オーロラのお見送りがありました。
気候の面や装備の面で非常にハードルが低いのに、オーロラや犬ぞりなど、北極圏ならではの夢のアクティビティがたっぷり楽しめる街、トロムソ。是非人生で一度、訪れてみてくださいね。
★1回目→ 【ノルウェー連載1】札幌ほどの寒さでオーロラを観られる!北極圏の街「トロムソ」の魅力
★2回目→ 【ノルウェー連載2】誰もが1度は乗ってみたい!北極圏での「犬ぞり」体験レポート!
◆取材・写真 丹葉暁弥
シロクマを撮り続けるカメラマン。毎年のようにノルウェーにも訪れている。
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★シロクマを撮り続け15年!話題の本『HUG!friends』カメラマンに裏話を直撃
取材協力
・フィンエアー http://www.finnair.co.jp
・ノルウェー政府観光局 http://www.visitscandinavia.org/ja/Japan/
・トロムソ市観光局 http://www.visittromso.no/en/
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