坂口健太郎が“隣にいてほしい人”ってどんな人?話題の主演映画についてもネホハホ♡

主演映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』が公開中の坂口健太郎さんに直撃!

最新主演映画で、人々を癒やす不思議な力を持つ青年を繊細かつ優しく演じている坂口健太郎さん。明るくて穏やかで、どこかゆるっとしているけどスマートで独特の空気感をもつ坂口さんの魅力に迫ります!

『サイド バイ サイド 隣にいる人』は
あえて色んな説明を省いて“余白”を多く残している作品

完成した今回の映画を最初に観たときの感想を教えてください。

世界観もそうですけど、不思議な映画だなって思いました。伊藤ちひろ監督もあえて色々なことを語らない演出で、観た人によって捉え方が変わるような“余白”を多く作っていたんですよね。僕自身も撮影中から『観る人に委ねる作品だな』と感じていましたし。結末がはっきりしていて、見終わってスッキリするような作品は僕も好きでよく観るんですけど、今回のように『あれ、このときはどういう感情だったんだろう』『このシーンはどんな意味があったんだろう』って思わせるような作品もあっていいんじゃないかなって。そうやって〝考える〟こと自体がすごく豊かだなと思いました。ある意味すごく挑戦的な作品でもあり、でも空気感は優しくてやわらかい映画になっていると思います。

今回演じている未山のように誰かの想いがわかったり、見えたりしたらどう思いますか?

やだなぁ(笑)。でも、例えば友人とごはんを食べに行ったとき、空気感を僕は読めちゃうタイプかもしれないです。『もう少し話したいのかな』とか『こういうことを言いたいのかな』とか、あえて察知しようとは思っていないけど、なんかわかっちゃうんですよ。実際に未山みたいに不思議な力を持ったらどうなんだろうなぁ…。未山って何かを引きつけてしまうという意味では“感じてしまう”人ですけど、口下手なんですよね。不器用なところもあるし。僕は正反対でおしゃべりも大好きだし、八方美人だし、器用なほう。以前は、何か摩擦が起きそうになったときに、わりと潤滑油的な存在になることが多かったけど、ある程度キャリアも重ねてきて、我を通さないといけないときがあると感じています。それがエゴになってはいけないですけどね。基本的には楽観主義なので争うことも苦手だし、楽しいほうがいいじゃんってタイプ。みんな楽しくなればいいなって思ってます(笑)。

ご自身はそんな役柄をどう捉えながら演じていましたか?

伊藤監督のことは映画『ナラタージュ』から存じていたのですが、僕を主人公で作品を書いてみたいと、以前言われたことがあったんです。そのときは『そうなんだ』くらいに思っていたことがだんだんと具現化していき、こうやって完成しました。台本をいただいたときに、すごく難度の高い作品だなと思いました。普通…と言うと何が普通かはわからないですけど、映画って登場人物に感情移入したり、主人公を取り巻く人たちの考え方を理解したり、共感しながら物語が進んでいくと思うんですけど、今回は全然違う。監督がそういう説明はまったく入れずに、あえて、未山が思っていることなどを不明瞭に描いていたんですよね。監督から言われたのは『存在はしているんだけど、存在感のない芝居をしてほしい』と。すごく難しいですよね(笑)。でも言わんとしていることはわかるなと。登場人物それぞれの水面鏡のような存在であることを大切にして演じました。もちろんストーリーはあるんですけど、色々な捉え方ができる作品なので、自分なりに感じていただけたらと思います。

Kentaro’s File

CanCamに久しぶりに登場してくれた坂口さんに、今回の映画にちなんで“癒やし”をメインに質問しました♪

最近の“癒やし”ってなんですか?

最近っていうか、もうずっとなんですけど…お酒を飲むこと。夜飲んで、寝るっていうのが最高。ひとりでも全然大丈夫なんですけど、基本はひたすら誰かと話しながら飲むっていうのが好きです。

ご自分の“癒やしポイント”はどこだと思う?

なんだろう…物腰かなぁ。いや、でも優しいって思われがちなんですけど、実はそんなに優しくもないんですよ(笑)。優しい人でいようとは思っています! よく行く飲み屋さんのおっちゃんから、すごく恥ずかしいんですけど、“サニーボーイ”って言われていて(笑)。わりと誰とでも仲よくなれるタイプです。

実は苦手だなって思うことは?

物事をはっきりさせるのが苦手なところがあって、例えば友人から相談を受けたとして、もちろん話は聞くし、相談にも乗りますけど、最終的に決断するのって自分じゃないですか。僕自身もそうなんですけど、人に話すことによって、頭の中が整理できることはあっても、最終ジャッジは自分でするんだろうなって思うと、どこか人ごとに感じてしまう部分はあるかもしれないです。

“隣にいてほしい人”ってどんな人?

よく笑う人。 僕自身もよく笑うほうだと思います。というか、ずっとしゃべっています! 本当によくしゃべっているので、それを聞いてくれるマネージャーさんにはいつも感謝しています(笑)。なので、僕の話を『はいはい』って聞き流してくれるくらいがいいですね。

好きな家事はありますか?

お皿洗いは好きです。自分が洗っているところが明らかにきれいになっていくことが実感できるから。なので、お風呂掃除も好きです。

最近感じた“優しさ”は?

この間、友人同士で約束があったんですけど、僕が色々と計画をしてたっていうのもあり、前日から『よし、頑張ろう!』ってかなり気合いを入れていたんです。そうしたら、その日に限って寝坊をしてしまい、僕だけ現地に集合できなかったという事件がありまして…そのときに友人たちが、笑い飛ばしてくれて、すごく温かい気持ちになりました。

来年で俳優を始めて10年。始めた頃に『10年後にはこうなっていたい』とあまり設定せずにここまできたので、感慨深さみたいなものはあまり感じていないかもしれない。着実に目標に向かって歩んできたというより、そのときにいただいた目の前のお仕事をしっかりやり続けて、今があるという感じです。自分が“面白い”感じていることをやっているので、これから先どんなふうになりたいかも決めていない。その瞬間に自分が“面白い”と思うことをできていたら、人生が豊かになっていくんじゃないかな。

坂口健太郎
1991年7月11日生まれ、O型、東京都出身。2014年に俳優デビュー。『シグナル 長期未解決事件捜査班』(’18年)で連ドラ初主演を果たし、話題のドラマや映画に次々と出演。4月&7月の日本テレビ系連続ドラマに2クール続けて主演することが発表され注目を集めている。
映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』

配給:ハピネットファントム・スタジオ/公開中
不思議な能力で人々を癒やす未山(坂口健太郎)は、ある日、自分の〝隣〟に謎の男が見えるようになる。それがきっかけとなり、元恋人の莉子と再会し、未山は自らが置き去りにしてきた過去と向き合うことになるー。思いがけないラストが訪れる、切なくも美しい物語。齋藤飛鳥、市川実日子、浅香航大などが出演。
©2023『サイド バイ サイド』製作委員会

「僕は役柄とは違っておしゃべりも大好きだし、楽観主義です」と語ってくれた坂口さん。坂口さん演じる未山に癒されたくなったら、ぜひお近くの劇場に足を運んでみて。

CanCam2023年5月号「Be with you 坂口健太郎」より
撮影/MELON(TRON) スタイリスト/壽村太一 ヘア&メイク/廣瀬瑠美 構成/小山恵子 WEB構成/久保 葵