「東京で雪の日」に、雪国出身がやりがち&言いがちな「北から目線」あるある

首都圏に4年ぶりの大雪警報が出て、朝の時点で東京23区で最大積雪量5cmが予測される…という、東京にしてはものすごい雪が降っている今日。東京都心での積雪は2年ぶりとのことで、テレビのニュースでは首都圏の雪模様を伝えるものが多数。積雪予想が上方修正されていったり、交通機関にも影響が出たりと、なかなか大変なことになっています。

昼頃通りかかった道でもガンガン降ってました。

首都圏で生まれ育った人にとっては5cmの積雪も一大イベント…なのかもしれませんが、そんな様子をどこか冷静に、そして微笑ましく見ている人たちがいます。
そう、北海道や東北、甲信越あたり出身&お住まいの「雪国」の人たちです。これを書いている私自身も東北各地で生まれ育った雪国の民ということもあり、周囲に雪国の民がたくさん。そんな「東京で雪の日、雪国出身の人たちがやりがち&言いがちなこと」あるあるを見ていきましょう。

【1】「東京は5cmの雪でテレビで特集するんだね…」

「上から目線」ならぬ「北から目線」の代表格。だいたいみんな言ったことor思ったことある。何十cmレベルの積雪に慣れている人たちにとって、5cmの雪なんて誤差の範囲内。

こんな感じが日常ですからね。

とはいっても、首都圏の人たちは車を冬タイヤに変えている人はそう多くないですし、電車もバスも少し遅れたらどんどん遅れる過密ダイヤで運行されてますし、スノーブーツも持っていないですし、準備がまったくできていない&街が雪仕様に組み替えられていないので、5cmの雪でも超大変。
あと東京って地味にめちゃくちゃ坂が多いのですごくすべる。どこに行くにもだいたい坂の渋谷は、雪の日に行くと危険な街ナンバーワンかもしれない。

【2】「でもずっと気温マイナスなわけじゃないじゃん」

これも絶対言う。言わなくても思う。雪の日じゃなくても、「東京は5度でとっても寒い1日になりそうです!」という天気予報にも「あったかいじゃん!」って思う。

だって雪国の冬は、マイナスがデフォルト。最低気温は当然のようにマイナスだし、最高気温もマイナス。全然最高じゃない。たまに0度だったり、なんなら1〜2度であっても「今日めっちゃあったかいじゃん」って思う。

「気温がプラスのありがたみを知れ!」とかほんのり思ってる。でもそのぶん北国は暖房も強めのものが導入されている&断熱がしっかりしているので、室内はむしろ北に行けば行くほどあったかいことが多い(感覚値)。

【3】「てか、大雪注意報出るの早くない?」

雪国の民たちにとっては誤差レベルの「積雪5cm」で大雪注意報が出る、東京。北から目線だと「注意報出すほどか…?」と思いつつ、そもそも「注意報=災害が起こるおそれがあるときに注意を呼びかけて行う予報」なので、東京の備えや諸々の条件ではやはり5cmくらいから危ない、という認定があるようです。

気象庁によると「12時間降雪の深さ5cm」で東京では大雪注意報が出るため、1月6日の「5cmの積雪予報」はまさにほぼこれと同じ数値。(ちなみに大雪警報は12時間で10cm)

「全国まさかこの基準じゃないよな?」とふと気になり、雪国の「大雪注意報」の基準を見てみると、札幌は平地の場合12時間で20cm、山間部で30cm。青森や仙台は平地で12時間で15cm、新潟は6時間で15cm…などなど、結構各地でバラバラです。北海道のいわゆる「特別豪雪地帯」をいろいろ見てみてもだいたい「12時間で30cm」が多いようです。ちなみに、沖縄だと「大雪注意報」そのものが設定されていなかったり(鹿児島は平地3cm、山間部5cm)…日本って縦長。

雪に対する各地の意識は結構面白いので、お時間あったら警報・注意報発表基準一覧見てみてください。

【4】雪でも傘をささない

雪国出身の人たちの「雪の日になぜかあまり傘ささない」率は異常。そもそもが車社会ということもありますが。
特に、首都圏にいる雪国出身チーム、そんじょそこらの雪じゃ傘をささない。「雪がちらついています」と言われるくらいの雪ではまずささない。
例に漏れず私も雪で傘ささない派なのですが、昼間に「これくらいの雪なら余裕っしょ」と傘をささずにフード付きダウンを着て外に出てコンビニに行ったところ、雪で頭も服もベショベショになりました。大雪注意報をなめてはいけない。

【余談】実際雪国の中でもさらにめちゃくちゃ差がある

つらつらと雪国出身あるあるを書いてきましたが、とはいえ私は宮城・仙台近郊の出身。他のもっと豪雪地帯の人たちから見ると、仙台は最弱クラスの雪国…と言っても過言ではありません。もちろん子どもの頃に手伝っていた雪かきは大変でしたが、感覚として、仙台くらいでは「雪国の出身なので…」と言えないところはあります。雪国界における仙台の立ち位置、トランプの大富豪でいうところのクローバーの3くらい(わかりづらい)。雪国界のジョーカー、どこなんでしょうね。

実際子どもの頃に転勤族だったので東北各地を転々としていましたが、福島のスキー場の近くに住んでいたときは本当にとんでもない積雪量だった記憶がありますし、数年前の冬に北海道を訪れたときは「雪国としての格が違う」と思いました。

 

夜になると雪は止むようですが、実際「雪が積もっている状態」より「中途半端に溶けて凍って、路面凍結」の状態がいちばん滑って転んで危険なので、今日の帰り〜明日朝までは皆さん本当にお気をつけください。とはいえ「寒い!滑る!」とだけ思っていてもそれはどこか寂しいので、せっかくですから、(おそらく)1日限りの東京の雪景色や、雪を照らす街の光を楽しんでください!

構成/後藤香織