日々の生活が髪を変える。うっかりやりがちな5つのNG行動&やるべき4つの行動

肌や身体と同じように、髪にとっても良い生活習慣があります。サロン帰りのようなキレイな髪を自宅で再現するのも、髪をパサつかせてしまうのも、あなたが何気なく選ぶ行動のひとつひとつにかかっているんです。

でも具体的には何をしたらいいのか良く分からない……という人も、案外多いかもしれません。キレイな髪を育てるためにはどんなことを意識すれば良いのでしょうか?

今回は「美しい髪をつくるための生活習慣」について、美容と健康にフォーカスしたサロン「1%er professional」のオーナースタイリスト・中嶋一嘉さんに伺いました。

●今回教えてくれるのは……
中嶋一嘉さん
美容師・スタイリスト。ヘアメイク(TVCF、映画、舞台、ステージ、ヘアショー等)、コンテスト審査員、セミナー講師として活躍する他、東京・銀座にて美容サロン「1%er professional」を経営。ヘアサロン業務だけでなく、医療チームや栄養士と連携した生活習慣改善やボディケア等の指導も手掛ける。

■キレイな髪になる最強のコツは「生活習慣」

美容室に行った直後の髪って、ツヤツヤ・サラサラで本当に気持ちいいですよね。中嶋さんによれば、ホームケアでそうした髪を再現するためには「今生えている髪」と「これから生えてくる髪」の両方からアプローチする必要があるとのこと。

前回の記事では、「今生えている髪」へのアプローチとして、自宅でできるヘアケアの数々をお伝えしました。

今回は、「これから生えてくる髪」をより美しく強く育てるために大切な「生活習慣」編。意識したい習慣とついやってしまいがちなNG習慣の両面から見ていきましょう。

■コレやってない?髪にダメージを与える5つの「NG習慣」

私たちが何気なく選んでいる無数の行動。それがもし髪に大きなダメージを与えてしまっているとしたら、きちんと知っておきたいですよね。

中嶋さんいわく、とくにありがちなNG習慣は次のようなものです。

NG習慣【1】朝シャン

朝シャワーを浴びるとスッキリして気持ちがいいのですが、じつは髪にとってはあまり良くない習慣と言えます。
夜髪を洗わないまま寝ると、髪や頭皮についた汚れがフケやかゆみの原因になってしまいます。さらに朝シャンプーをすることで、紫外線や乾燥から頭皮を守るために必要な油分を洗い流してしまうリスクがあるのです。
2つの意味でダメージの原因になるため、髪は朝ではなく1日の終わりに洗いましょう。

NG習慣【2】熱いお湯でシャンプー

熱すぎるお湯は髪や頭皮の負担になるだけでなく、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥によるかゆみや細菌の発生に繋がります。熱すぎるお湯は避けたいところですが、かと言って冷たい水では汚れが落ちにくくなってしまいます。
シャンプーに最適なお湯の目安は39〜40℃程度で、触ってみて「ぬるいかな」と感じる程度のお湯です。髪に当てる前に、指で温度を確認しましょう。

NG習慣【3】タオルドライでごしごし擦る

タオルドライの際、ごしごしと髪を擦ってしまっていませんか? 早く乾かしたくてついやってしまいがちな行動ですが、濡れた髪は摩擦に弱く、タオルで擦ると大ダメージを受けてしまいます。
髪の水分は、吸水性の高いタオルで優しくぽんぽんと叩くようにして吸い取り、濡れた状態で放置せずすぐドライヤーで乾かしましょう。

NG習慣【4】乾かしたつもりで生乾き

よく乾かしたつもりでも、髪にはまだ余計な水分がほんの少し残っています。それは手で触っても分からない程度の微量な水分ですが、そのまま寝ると髪にダメージを与えます。髪の表面を覆っているキューティクルは濡れている状態では非常に脆く傷つきやすいため、生乾きのまま寝ると枕や身体と擦れて髪が傷んでしまうのです。
完全に乾いた状態で寝るために、「もう充分」と感じるまで乾かした後、さらに1時間ほど自然乾燥させてから布団に入るのがおすすめです。

NG習慣5:コンディショナーをつけ忘れる

ドラッグストアなどで購入できるヘアケアアイテムは、シャンプー、トリートメント、コンディショナーの3つがセットになっていることが多いもの。これらはすべて使う目的が異なります。シャンプーは地肌と髪の汚れを洗い流し、トリートメントは髪の内側に浸透して栄養成分などを補給する。そして最後のコンディショナーは、髪の表面をコーティングして栄養や水分を閉じ込める……というように、別々の役割を持っています。
トリートメントをした後「ついコンディショナーを忘れてしまう」という方がいるかもしれませんが、せっかく補給した栄養成分を閉じ込められないのではもったいないですよね。最後はしっかりコンディショナーで仕上げることをお忘れなく♪

※製品によってはアイテムの呼び方が異なる場合もあります(ラインナップにコンディショナーがない場合など)。その際は各メーカーのホームページなどをチェックし、記載されている使用法に従いましょう。サロン専売品の場合は美容師に相談するのもおすすめです。

■ツヤ髪をつくる「おすすめ生活習慣」4つ

NG習慣を把握できたところで、今度は髪を美しくするための「おすすめ習慣」をチェックしてみましょう。

お肌と同じように、髪も生活習慣で変わります。髪に良いとされる生活習慣を意識すると、髪にツヤが出てくるだけでなく、将来的にも白髪などになりにくい健康な髪を育てていくことができますよ。

そのために守りたい生活習慣のポイントは、「睡眠」「運動」「食事」「ストレスケア」の4つ。具体的に見ていきましょう。

◆睡眠のポイント

髪の美しさを大きく左右する、女性ホルモンと成長ホルモン。これらのホルモンが活発に分泌されるのは、人間が寝ている間です。睡眠の質を確保することは、髪の質を高めることに直結しています。

睡眠の質をアップするためには、眠りに入る前の準備が大切です。湯船にゆっくり浸かって体を温め、布団にスマホを持ち込まず、できるだけ静かで暗い環境を作って、質の良い睡眠を目指しましょう。

◆運動のポイント

適度な運動はダイエットや美肌のために欠かせない要素ですよね。運動で血液やリンパの流れがスムーズになれば、髪にも必要な栄養が行き渡りやすくなります。

ただし、寝る直前に激しい運動をしてしまうと、交感神経が優位になり寝付きが悪くなってしまうため逆効果。筋トレやジョギングといった激しい運動はできるだけ日中に行い、夜はストレッチやヨガなどゆったりした動きで体と心をゆるめましょう。

◆食事のポイント

世の中でよく聞く「髪に良い」とされる噂の中には、根拠がないものもあります。たとえば「海藻をたくさん食べると髪がキレイになる」という話も、じつはあまり根拠がない噂の1つです。
確かに、ワカメなどの海藻は髪に必要なミネラルを豊富に含んでいます。でもそれだけ食べていれば髪質が良くなる、というわけではありません

実際のところ、髪をキレイに保つためにはバランスの良い食事が不可欠です。毛髪は、アミノ酸を含む様々な種類のタンパク質や脂質からできています。お肌と同じで、髪にも色々な栄養素が必要ということ。特定の食べ物にこだわるのではなく、バランスの良い食事を心がけましょう。

◆ストレスケアのポイント

ストレスのせいで「髪が抜けた」「白髪が増えた」という話を聞いたことはありませんか? 過剰なストレスは心や身体に負担をかけますが、髪にもダメージを与えます。ストレスが強くかかった状態では睡眠の質が低下しますので、髪にとっても悪影響なのです。
コロナ禍でストレスが溜まりやすい今だからこそ、こまめに気分転換やストレス解消を意識していきましょう。

■髪に関するウソ・ホント。これってどうなの?Q&A

他にも、日常のふとした瞬間に「これって髪にとってどうなの?」「よく聞く噂はホントなの?」と疑問に思うことがあるのではないでしょうか?

そんな小さな疑問の答えを、Q&A方式で見ていきましょう。

Q.トリートメントは時間を長くおけばおくほど、効果もUPするのでしょうか?

A.
そうとも限りません。髪が傷んでいる人の場合はキューティクルが通常よりもひらいているので、あまり長く時間をおくと水分や有効成分が逆に逃げてしまう恐れがあります。
たとえばメーカー側が「30秒でOK」と謳っている商品の場合、実際に30秒あればきちんと髪に浸透します。商品に記載されているとおりに使用するのが一番良いでしょう。

Q.シャンプー、トリートメント、コンディショナーがシリーズ展開している場合、同じ銘柄で揃えたほうが良いですか?

A.
銘柄を揃えればメーカーが意図した効果を出しやすくなる、というメリットはあります。ただし、バラバラだから効果がなくなるというわけではないので、あまりこだわらなくても大丈夫です。

Q.シャンプー、トリートメント、コンディショナーのうち、1つにだけお金をかけるとしたら、どれを選ぶとコスパが良いですか?

A.
おすすめなのは、シャンプーです。シャンプーは地肌と髪の両方に触れるものなので、洗浄成分と補給成分の両方を備えているものがベターです。美容室のシャンプーは市販のものより髪に栄養を補給しやすい高機能な製品が多いので、シャンプーだけでも美容室で買うようにすると、髪の手触りやツヤ感の変化を実感できますよ。

 

Q.トリートメントやコンディショナーは、地肌に付けないほうが良いのですか?

A.
はい、そのとおりです。トリートメントやコンディショナーは毛髪をサポートするためのものですので、地肌に塗っても意味がない上、場合によっては肌トラブルの原因となります。トリートメントやコンディショナーは毛先を中心に、毛髪にのみ使用しましょう。
ちなみに髪のダメージが気になる方は、さらっとしたタイプのトリートメントやコンディショナーより、少し重ためのテクスチャーのものを選ぶと効果的です。

Q.シャンプーやトリートメントは「同じものを使い続けると(身体が慣れて)効果が弱まる」というのは本当ですか? 2〜3種類をローテーションしたほうが良いのでしょうか?

A.
そんなことはありません。初めて使ったときの感動が薄れて「効果が弱まった」と感じる人はいるかもしれませんが、実際に効果が弱まるわけではないので、自分に合っていている商品を無理に他のものに変える必要はないでしょう。
ただ、同じ人でも季節や年齢によって髪の悩みは変わるものです。「夏はうねりを抑えるもの」「冬は乾燥をカバーできるもの」というふうに、そのときの自分に合ったものを選ぶのは良いことだと思います。

Q.ドライヤーをかけるとき、高温で一気に乾かすのと、低温でゆっくり乾かすのとでは、どちらが髪に負担をかけずに済みますか?

A.
しっかり乾かせるのであれば、どちらでもOKです。ドライヤーの温度や時間よりも「ちゃんと乾かせているかどうか」のほうが重要です。
とくに夏場は「暑くてつい早めにドライヤーを切り上げてしまう」という人が増えます。暑さが気になるときは低温や冷風でゆっくり乾かしましょう。反対に「時間がかかると途中で飽きてしまう」という人は、高温でしっかり乾かしてください。
ちなみに、ドライヤーのノズルは外さないほうが良いです。ノズルを付けたままのほうが風の出る道が狭くなるため風圧が強くなり、髪の毛が早く乾きます。

手で触って「完全に乾いた」と思っても、髪には水分が少し残っています。濡れた髪はキューティクルが傷みやすくなっているので、ドライヤーの後すぐに布団に入らず、1時間ほど置いてから寝ることをおすすめします。

日常のなにげない行動が髪にダメージを与えたり、睡眠の質を高めることがツヤツヤ髪を維持するポイントになったり。生活習慣と髪の質は、密接に繋がっています。
キレイな髪を手に入れるために、できることからチャレンジしていきましょう。

文・構成 豊島オリカ
取材協力 ワンパーセンタープロフェッショナル