◆今年よく聞く「パラッツォパンツ」って、要するにどういう意味ですか?
ガウチョ、スカンツに続くワイドパンツの一種で、ガウチョ型の進化型の最新と言ってもいいです。
「パラッツォ」とは耳馴染みのない言葉ですか、「宮殿」「王宮」という意味で、宮殿での装いからインスピレーションを受けています。
ガウチョやスカンツと何が違うのかというと、パラッツォは布づかいがいちばんたっぷりしていて、ドレープの流れるようなシルエットがあり、長い。脚を閉じていたら一見マキシスカートに見えるくらいエレガントなアイテムです。
日本だとGUがパラッツォパンツをすごく押し出しています。
Q.ガウチョと何が違うの?
ガウチョはだいたいふくらはぎくらいの丈。あとはものにもよりますが、布の感じがかたいものが多く、スポーティでカジュアルなパンツ。
一方パラッツォは布が柔らかくて落ち感がある。そしていわゆるワイドパンツよりもさらにワイド。
これまでのガウチョ・スカーチョ・スカンツより長く、ワイドパンツよりボリュームがあり、ファッション性が高い。それがパラッツォパンツです。
ものすごくわかりやすく言うと、ガウチョは動きやすく実用的で、働くママの味方。自転車に乗っても巻き込まれません。でもパラッツォはもともとが「宮殿」なので、実用性よりもファッション性に重きが置かれている。自転車に乗ったら注意しないと巻き込まれるかも……。
スカーチョ・スカンツはガウチョとパラッツォの中間です。
Q.ちなみに、「ファッション性が高い」とは……?
見た目のインパクトでしょうか。最近ファッション業界では「エクストリーム」という言葉がよく出ます。「より、エクストリームであれ」。つまり、ワイドパンツならよりワイドに、あとは最近よく見かける「袖コンシャス」で、長い袖ならより長く。やりすぎてなんぼ、という風潮です。
ただ、その反動か2017秋冬のコレクションはすごく細いパンツに戻っています。(それがどう一般的なファッションにおりてくるかはさておき……。)
Q.スカーチョとスカンツって何が違うんですか?
これはまったく同じものです。売る側や雑誌などが、どっちがわかりやすいか、響きがいいか、検索されやすいか、などで各自決めています。これはそれぞれ「スカート+ガウチョ」、「スカート+パンツ」の、完全に日本でのみ使われている造語。ガウチョとパラッツォは英語圏にも存在する言葉です。
【解説】渡部かおり
エディター, 編集プロダクション<FW>主宰 SPUR, GINZA, ELLEなど女性ファッション誌のファッションページを担当するほか、エッセイ執筆も。国内外ブランドのカタログ、広告のディレクション、コンサルタントも行う。プライベートでは、一児の母。
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