今年6月にデビュー30周年を迎えた久保田利伸さんが、11月23日に特別企画第2弾として初のコラボレーション・アルバム「THE BADDEST~Collaboration~」をリリースします。そのソウル・ミュージックの日本代表・久保田さんへWoman Insightではインタビューを行い、アルバムのことを中心に、30周年を迎えた気持ちやプライベートなことを率直にお答えいただいた、ロングインタビューの前編をお届けします。
Woman Insight(以下、WI) デビュー30周年おめでとうございます。
久保田利伸(以下、久保田) ありがとうございます。20年の時は意識しなかったんですが、30年は意識しますね。でも実際は、真ん中くらいにニューヨークへ行って「向こうでやってみよう」と、もう一度新人の気持ちがあったので、30年があっという間でした。でも意識してみると「あっという間だった」とか、「よく30年。全部好きなことをやれた」っていう感謝の気持ちが強くあります。「ありがとう」っていう気持ちですね。
WI 好きな仕事を30年できるのは、難しいですよね。
久保田 本当にそうだと思います。音楽の世界は水商売だと思っているんです。“音楽”は、次に何が出来上がるのかわからない頼りないものなので、余計に「ありがとう」っていう気持ちがありますよね。
WI なぜ、続けることができたと思いますか?
久保田 「ラッキー」っていうのは、はっきりしています。夢として「野球の選手になりたい」「芸能人になりたい」「ミュージシャンになりたい」って思う人は、たくさんいます。でも、同じ夢や努力をしても、業界の人と出会え、デビューできて、物が売れて……と、たくさんの“運”が重なった結果だと思っています。
WI 今回発売されるコラボレーションアルバムも、そんな出会いの1枚ですね。
久保田 まず25周年でベストアルバムを出したんです。以前からコラボレーションだけをまとめたアルバムを考えていました。そして、今回30年を振り返ってみて「いろいろな人とやっている」と思い「温かくって、めでたい!」のでこのタイミングだと思いました。
WI 曲順はどのようにして決められたんでしょうか?
久保田 結構難しくって、最初は単純に古い順にしようと思ったんです。でも、音楽的には問題がないんですが、それだと「バラードが3曲続いて、ラップ、またバラード」になるんですよ。それはリスナー(聴く側)の気持ちとして落ち着かない。“聞いていて、心地良い流れにしたい”と考え直し、なおかつ男性と女性の歌声とか、ラップとか……。どの曲もイントロや歌いだしが新鮮に感じてほしいと思ったので、いつものアルバムよりも苦労しました(笑)。