少しでも涼しくなりたい!夏を快適に過ごす6つのコツ
8月に入り、夏本番! 非常に暑いシーズンがやってきました。
少しでも涼しくなるためさまざまな工夫をしているかと思いますが、「人と温度にまつわる環境」を研究するプロは、涼しく過ごすためにどのようなことをおすすめするのでしょうか? 摂南大学の理工学部建築学科にて、人にまつわる温熱環境を研究する、いわば「快適な環境」のプロ、宮本征一先生に「夏を快適に涼しく過ごすコツ」をうかがいました。
【1】衣服で涼しくなるコツ
・スリッパに履き替える
室内ではスリッパに履き替えることで通気性が良くなり、熱・湿気がこもりにくくなります。
・首元のボタンを外す、男性はノーネクタイにするなど首元を開ける
涼しさを感じるには「首まわりを開ける」ことがポイントです。胸元が詰まっている服ではなく、開いた服を着ることで衣服内の温度・湿度が逃げやすくなり、体感温度は1度下がります。
・素材を工夫する
肌ざわりがいい麻素材や、近年どんどん出てきている涼感素材の合成繊維は涼しく感じられます。
【2】食べ物で涼しくなるコツ
・冷たい食べ物や、キュウリ、トウモロコシ、トマトなどの夏野菜を食べる
冷たいものを食べるとやはり涼しく感じるものです。それに加えて、夏野菜には体温を下げる効果があると言われています。安くて美味しく体温を下げてくれる旬のものを、ぜひ毎日の食卓に取り入れましょう。
【3】エアコンで涼しくなるコツ
・除湿機能などで湿度を下げる
湿度を下げると汗が乾きやすくなり、気化熱によって体感温度は下がります。
汗をかいていないと思っていても実は汗をかいている、というのは重要なポイントです(これを『不感蒸泄』と呼びます)。ちなみに、「冷房」モードでもある程度湿度は下がります。
・風向きは「上向き」にする
エアコンの冷気は、室内の空気より低い温度で、重たく下にたまります。そのため、風向きはできるだけ上向きにすることにより、部屋全体に冷気を広げることができます。
・フィルターは頻繁に掃除する
フィルターにほこりがついていると風量が小さくなってしまい、消費電力が上がってしまいます。こまめに掃除をしましょう。
【4】扇風機で涼しくなるコツ
・扇風機やうちわで体に熱を当てる
扇風機・うちわ・扇子などの風により、体感温度は1〜2℃下がります。ただし、寝るときに直接風を体に当てると必要以上に冷えてしまいますので、ご注意ください。
・天井付近にたまった熱気を部屋の外に出す
室内の熱気は天井のほうにたまるので、換気の際などに扇風機を使ってその熱気を逃がしましょう。また、ひとつの窓でも、窓の上のほうからあたたかい空気を追い出すと、下のほうから涼しい風が入ってきます。
【5】発熱を防ぐ・熱を遮って涼しくなるコツ
・使用していない電気機器や不必要な照明はOFFにする
長い蛍光灯は1本で40W発熱します。できるだけ太陽の光を利用し、照明は必要なところに必要なだけ使用しましょう。また、待機電力をカットすると、電気代だけでなく室温上昇も防ぐこともできます。
・カーテンを閉める
太陽の日射熱は非常に大きいため、できるだけ直射日光を室内に入れないようにしましょう。遮熱フィルムを貼ることも有効ですが、熱がたまることによって窓ガラスが割れる「熱割れ」には注意しましょう。
・植物で緑のカーテンを作る(へちま、アサガオなど)
植物で緑のカーテンをつくると、葉から水分が気化するため、温度が下がります。窓の外にすだれをかけている場合は、すだれを濡らしてみるのも効果的です。
【6】心理効果を利用して涼しくなるコツ
・風鈴やせせらぎの音を聴く
風鈴の音を聞くと、無意識のうちに風が吹いているという連想をするため、暑さが緩和されます。
・ペパーミントの香りで体感温度を下げる
ペパーメント系の香りは、体感温度を2度下げる効果があると言われています。
・寒色系の服を着たり、物を置く
寒色系の色は水を連想して暑さを緩和してくれる研究結果が出ています。
冷房や扇風機の正しい使い方から、意外と効果がある心理的効果まで、さまざまな方法を教えていただきました。気になるものやすぐ試せそうだと感じたものがあったら、ぜひ取り入れてみてくださいね。
摂南大学 理工学部 宮本征一教授
建築環境工学・温熱環境を専門に研究している。