昼間が長いだけじゃない!夏至ってどんな日か知ってますか?
暑い日が続き、夏はもうすぐそこですね。しかし、暦の上ではすでに夏になっていたことをご存じですか? 「立夏」という日が夏の始まりとされており、今年は5月5日でした。そんな前からもう夏だったの?と驚きですよね。
そして一般的に立夏の次に迎える日がありますよね。そう、「夏至」です。今年は6月21日が夏至の日。「1年で一番昼間の時間が長い日」として知られていますが、それ以外はよく知らないという方が多いのではないでしょうか?
毎年特に意識せず過ごしてきたからこそ、この機会に夏至について知っていきましょう!
夏至ってなに?
夏至とは簡単に言うと「1年で最も昼の時間が長い日」です。これはみなさんよくご存じですよね。
昼間の長さとは、太陽の高さで決まります。太陽が空の高いところを通過すれば、それだけ昼間の時間が長くなるというわけです。この最も空の高いところを太陽が通過する日が、夏至なのです。
そもそもどうして昼間の時間が最も長い日を夏至と言うのかというと、それは古代中国で作られた「二十四節季」と呼ばれる暦が関係しています。1年を24等分してそれぞれに名前をつけたものであり、立夏と立秋のちょうど間が夏至です。この暦上では夏至は「夏の頂点」を意味します。
でも、夏至の日がすごく暑い!と感じたことはあまりないんじゃないでしょうか。むしろ夏至を迎えて1~2ヵ月後に暑い日が続くイメージがありませんか?
これは、日本と中国の気候の違いにあります。
二十四節季は中国の洛陽のあたり、太原という地域で作られたとされています。この地域は暑さのピークが日本よりも1~2ヵ月ほど早くなっているので、遠く離れた日本とは気候が異なるのは当然のこと、これが暦と実際の季節感と違う理由です。
夏至は日の出が早く日の入が遅い日ではない?
夏至が昼間がもっとも長い日である、ということは日の出がもっとも早く、日の入がもっとも遅いのでは?と思いがちですよね。しかし、それは間違いなんです!
日本では、
・日の出がもっとも早い日→夏至の約1週間前
・日の入がもっとも遅い日→夏至の約1週間後
・日の出がもっとも遅い日→冬至の約2週間後
・日の出がもっとも早い日→冬至の約2週間前
となります。
夏至の日と一致していないのは一目瞭然ですね。日の出・日の入の早さと遅さを決める要因として、太陽の動き方があります。
ここで、太陽の南中する時刻(太陽が真南を通過する時刻)について考えてみます。南中時刻は日の出と日の入のほぼ中間にあたるので、単純に、南中時刻が遅い方にずれれば日の出・日の入ともに遅い方にずれますよね。夏至の頃は南中時刻がどんどん遅くなる時期にあたり、昼間の時間も長いため、日の出・日の入ともに日々遅くなっていきます。
日の出・日の入の早さと遅さのピークと昼と夜の長さのピークは、一致しないというのも少し不思議な感じがしますが、太陽の動き方や地軸の傾きなどが影響しているみたいです。
夏至の日にはなにを食べる?
冬至の日にはかぼちゃを食べて、ゆず湯に入るのが慣習とされていますが、夏至の日にも慣習とされているものがあるんです。
関西では、夏至の日にタコを食べる習わしのある地域があります。これは稲が四方八方にしっかりと根を張るように、稲穂がタコの吸盤のように豊かな身をつけるようにという豊作の祈願が込められています。
その他にも、関東地方では小麦を混ぜてついたお餅、福井県大野地方では焼きサバ、東海の三河地方では無花果に味噌をつけた田楽、讃岐地方ではうどんなど、地域によって食べるものはさまざまでした。
また、北欧の国々でも夏至をお祝いする習わしがあります。フィンランドでは1日中ご飯を食べたりお酒を飲んだり湖で泳いだりして過ごし、スウェーデンではミッドサマーというお祭りが開かれます。ミッドサマーというのは日本でいうお盆のようなもので、とても大切にされているそうです。
「夏至=昼間の時間が長い日」というだけではなく、そこにはさまざまな願いがこめられていたり、地球と太陽の不思議がつまった日だということが分かりましたね。これを機会にほかの季節の言葉も調べてみると、おもしろいかもしれません!(岩川菜奈)