芳根京子さん主演で、東村アキコさんの人気コミックをドラマ化した『海月姫』(フジテレビ系・毎週月曜21時)。「女の子は誰だってお姫様になれる」をテーマに、クラゲを愛しすぎてしまった筋金入りの“クラゲオタク女子”月海(芳根)が、ある兄弟と三角関係になり、自分には一生縁はないと思っていた恋を知り、新しい自分や生き方を見つけていく姿をギャグを交えて描く、新感覚のシンデレラ・コメディです。
本作で、月海に惹かれる“女装男子”の鯉淵蔵之介を演じている瀬戸康史さん。その美しさが注目を集めていますが、女装するために相当な努力をされたみたいで…。
今回、女子も憧れる美しさを誇る瀬戸さんを直撃! 第1回のインタビューでは、役作りで取り組んだ美を磨く方法や、意外な女性の好みをうかがいました!
■少しづつ女子力が上がっています
編集部 女装男子という役どころを初めて聞いた時はどう思われましたか?
瀬戸さん これまでドラマのワンシーンや番組の企画で女装したことはありましたが、今回は、出演の80%ぐらいが女装で、しかも芝居をするという役どころ。原作を読んでいましたし、映画も見ていたので、自分にできるのかっていう不安もあったんです。でも、なかなかできない役だし、お話をいただけたことは自分が成長する機会でもある。役者として熱みたいなものが沸いてきて、挑戦してみようと思いました。
編集部 女装姿、本当にお綺麗です。初めて自分の女装姿を見た時はイケるって思いました(笑)?
瀬戸さん 初めて女装したポスター撮影の時は、自分では男にしか見えなくて。でも、スタッフさんや共演者の方もそうですし、なによりポスター撮影を見学されていた東村先生が絶賛してくださったんです。先生が「本当にキレイ! 薄化粧なのに、このクオリティはすごい! まさに蔵之介だね」と言ってくださったのは、うれしかったですね。それで安心して、自分に自信をつけることができた気がします。
編集部 メイクも普段とは違うと思いますが、結構時間がかかるのでは?
瀬戸さん 普段よりも時間はかかりますが、1時間以内では終わりますよ。アイラインは最初、目がくすぐったかったのですが、今はどんどんキレイしてもらえるのがすごく楽しみで(笑)。
ネイルも最初は塗ってもらっていましたが、今では自分でするようになりました。気を付けてることは、2度塗りはせず、1回で塗ること。ベースコートは塗らず、マニュキュアだけです。ネイルは今回初めて挑戦したので、新たな経験ですね。少しづつ女子力的な要素が上がってると思います(笑)。
■約1か月半で6kg落ちました
編集部 ダイエットをして、体重も減らしたんですよね。
瀬戸さん あまり体に良い方法ではないかもしれませんが、一日三食を一日一食に減らし、その一食を一日で分けて食べるようにしました。約1か月半で6kg落ちたかな。食べないと落ちますね(苦笑)。最初は空腹がとてもしんどくて2食食べたりしてましたが、今は一日一食が普通になってきてます。
共演者の京子ちゃんや尼~ずのみんなは、女性なので線がすごく細い。僕も一応女性に見えないといけないので、痩せようと思って。骨格は変えようがないので、できるだけのことはやってます。
編集部 そういえば、仲のいい高橋一生さんも一日一食の生活をされてますよね。何かアドバイスとかいただきましたか?
瀬戸さん 一生さんは、もとから食べないんですよ。アドバイスは特にいただいてないですね。一日一食は大変だけど、慣れればいけるかな。でも厳密にいうと、昼飯をガッツリ食べれる時はガッツリ食べてるので、1食の量は多いかも。中身には特にこだわってなくて、その時あったものを食べてます。
編集部 運動やトレーニングもされたんですか?
瀬戸さん 女性に見えるために、筋肉がつくのはあまりよくないかなと思い、特にしてないですよ。いや、女性の服は、本当に着こなすのが難しいですね……。
■女子って、とても大変だと実感しました
編集部 ちなみに毛も剃られたと聞きました。
瀬戸さん 最初は衣類が直に肌に当たる感じがなかなか慣れず、気持ち悪かったですね(苦笑)。ノースリーブも着るので、今は腕も足も脇も常にお手入れしています。女子って、とても大変なんだなと実感しました。
編集部 いや、ホントそうなんですよ…。なので、女の子って褒められると、その努力が報われてうれしいんです(笑)。ちなみに、瀬戸さんは努力をした女装姿を褒められた時は、うれしかったりします?
瀬戸さん そうですね、僕がたまたまいなかった時があって、メイクさんや衣装さんに「蔵之介がいないと寂しいね」って言ってくださったことがあって。それをメイクさんから直接聞いたわけではなく、周りの方から間接的に聞いたときはうれしかったですね。
編集部 共演者の皆さんもその美しさを絶賛されていますよね。会見でヒロインの芳根さんが「ヒロインは瀬戸さん」とおっしゃていましたが、本当にダブルヒロインみたいですね!
瀬戸さん いやいや! どうなんですかね(笑)。現場は、スタッフさんたちも本当に明るいですし、共演者の皆さんも個性的なキャラクターを見事に演じきる芝居力が高いし、人格も本当に素晴らしくて。かなり仲いいですよ。
■今度、亜須加の家に遊び行こうと思ってます
編集部 作品を通してもそれが伝わっています。主演の芳根さんとは初共演になりますが、共演してみてどんな印象をお持ちですか?
瀬戸さん 京子ちゃんは、瞬発力がスゴイです。コメディが初めてなうえに、月海はクラゲオタクだからクラゲの知識も入れないといけない。おそらく今まで演じたことがないような役だと思うんですけど、監督に言われたことを瞬時に表現できるんですよ。あといつも一番笑顔なんです。彼女の笑顔で現場が救われてます。
編集部 一方、蔵之介の弟の修を演じる工藤阿須加さんとは、NHK連続小説『あさが来た』(2015年)ぶりの共演ですね。
瀬戸さん 阿須加は天然というか……。実は僕は阿須加の顔を見ると、すごい笑っちゃうんです。それは阿須加といると、安心感があって気持ちがあがるから。一緒に芝居していても面白いですね。
編集部 兄弟役も自然とできそうですね。
瀬戸さん そうですね。実は、亜須加の親父さん(工藤公康)と僕って顔が似てるんです。亜須加が、家族の中でもそういう会話をしていたらしくて。なので、今度、亜須加の家に遊び行こうと思ってます(笑)。
■宇宙が好きで、図鑑を自宅で見てる
編集部 『海月姫』には、クラゲオタクや鉄道オタク、三国志オタク、和物オタクなど、様々なオタク女子が出てきますが、個人的な「オタク女子」のイメージは?
瀬戸さん “オタク”っていう言葉を、割とネガティブな捉える方が多い気がするんですけど、僕は尊敬していて。一つのことを好きで深く研究するのは、なかなかできることじゃないと思うし、一つの才能だと思います。
尼~ずのばんばさんは鉄道オタクなんですが、演じる松井玲奈ちゃんも、ガチの電車オタク。なので、電車の本が置いてあると、玲奈ちゃんはずっと見ていて、本当に好きなんだなって伝わってきますね。
編集部 松井さん、現場で鉄道のモノマネをしてると、うかがいましたが。
瀬戸さん そうです! ちなみに、僕も車掌さんのモノマネをしたことがあるのですが、玲奈ちゃんに「上手い!」と、お墨付きをいただきました(笑)。
編集部 ぜひ拝見したいです! ちなみに、自分が付き合うならどんなオタク女子がいいですか?
瀬戸さん 宇宙ですかね。この星がどうとかこうとか考えるのって、なんかロマンがありません? 僕、宇宙が好きで、図鑑とかも自宅で見たりするんです。例えばブラックホールとか。宇宙に詳しい人はとてもステキですね。
取材中は、女装姿とは違い、凛々しい表情で紳士な対応をみせてくれた瀬戸さん。次回のインタビューでは、好きな女子のファッションや、家での過ごし方など素顔に迫るお話をうかがいます!
■月9『海月姫』フジテレビ系にて毎週月曜21~
原作/東村アキコ『海月姫』(講談社「Kiss」所載)
出演/芳根京子 瀬戸康史 工藤阿須加 木南晴夏 松井玲奈 内田理央 富山えり子 最上もが・泉里香 安井順平 要潤・床嶋佳子 小雪(友情出演) 北大路欣也ほか
■第4話あらすじ/倉下月海(芳根)に想いを届けようと、鯉淵修(工藤)は『天水館』に行くが、ばんばさん(松井)とまやや(内田)に追い帰される。ばんばさんたちが月海に武勇伝を語っていると、ジジ様(木南)と千絵子(富山)が帰って来た。こちらは蔵之介(瀬戸)が男だと知り、『天水館』や月海に近づかないよう言いに行ったのだが、千絵子は蔵之介が『ベルサイユのばら』のオスカルだったと泣き崩れる。政治一家に女として産まれたが男として育てられたと蔵之介がついた嘘を2人は信じていて……。
【プロフィール】瀬戸康史(せとこうじ)
1988年5月18日生まれ。福岡県出身。2005年デビュー。それ以降、映画、ドラマ、舞台と様々な作品に出演。2017年は主演舞台『関数ドミノ』で、平成29年度「文化庁芸術祭 演劇部門 新人賞」受賞。2018年1月クールは『海月姫』(フジテレビ系)と、『幕末グルメ ブシメシ!2』(NHKBSプレミアム)に出演中。映画『寝ても覚めても』が2018年公開予定。
撮影/黒石あみ 取材・文/高山美穂