松坂桃李とともに“娼夫”を演じる、猪塚健太。服を脱ぎ挑んだオーディション秘話

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アミューズ所属の演劇集団“劇団プレステージ”の猪塚健太さん。

今年1~3月にかけてめぐった、岸谷五朗さんと寺脇康文さんによる演劇ユニット・地球ゴージャスの最新作「The Love Bugs」公演(全国4か所)で、赤とんぼのガラシ役を好演。

役者としても大きく成長した猪塚さんが、この夏、戦国時代が背景となった朗読劇、そして松坂桃李さん主演の舞台で、いままでにない新たな役に挑みます。

さまざまな舞台に上がる彼は、30歳目前。いまがまさに“勝負時”。

「演劇界で説得力のある人が映像の世界でも残っているのは間違いない。まずは、演劇で実力をつけて周りに認められること」と、真っ直ぐな目で話す猪塚さん。役者、猪塚健太のいまをお届けします。

 

Woman Insight編集部(以下、WI) 7月に入りすぐに、朗読劇「僕とあいつの関ヶ原」/「俺とおまえの夏の陣」がありますが、どんな内容になりますか?

猪塚健太(以下、猪塚) 先日、ビジュアル撮影があったのですが、過去に着流しで本番をしたことはあるんですけど、袴は経験がなくて、けっこう新鮮でした。朗読劇とはいってもかなり動き回るので、汗をかきながら動いて読むという感じ。朗読劇と普通のお芝居の中間ぐらいと言ってもいいかもしれないです。ひとりで何役も担当するので、いま誰を演じているかというのをわかりやすくするために、動きも取り入れ入れているという感じですね。

 

WI 4月からラジオもスタートして、「みんなのニュース」に続き、朗読劇と、“話すこと”の仕事が続きますね。

猪塚 ラジオもずっとやりたいなと思っていたのが叶ったんです。ラジオは聞き直して、まだまだだなと思うので日々勉強ですが、偶然にもラジオが始まってすぐ朗読劇の仕事が決まり、話す仕事が続いているのはたしかですね。もともと声がいいと褒められることが多くて、いつもの舞台とはまた違う魅力が出せたらいいなと思っています。

 

WI そのうち声優の仕事にもつながりそうですね。

猪塚 できたらいいですよね。僕の友だちや過去の共演者で、声優をやっている人がけっこういるんです。以前、僕がリアルタイムで読んでた漫画の声優を友だちが担当するというのを聞いたときは、本当にうらやましいと思いました。

 

WI 今回の朗読劇に出る方で、共演したことがある方はいらっしゃいますか?

猪塚 みなさん初めての方ばかり。朗読劇の一部キャストで取材を受けたときに、初めてお会いしました。朗読劇は、普段の舞台と違って稽古の回数も少ないし、本番も数回なので、いかに素早くコミュニケーションをとれるかが大事なんです。もともと知り合いであれば、仲を縮めることを省いてすぐに作品のことに入れるんですけど、全員が初めてだと、言いたいことが言えないのも嫌だなって。

 

WI そういえば、須賀健太さんとツイッター上で交流してましたよね。

猪塚 須賀健太くんとは、取材のときに「早く仲良くなろう」という話をしたんです。ツイッターをフォローしあって、どんどん絡んでいこうよ、って。それに、同じ「健太」としても、彼は気になる存在なので(笑)。

 

WI 一公演、どのぐらいのボリュームですか?

猪塚 おそらく1時間半ぐらいになると思います。歴史物だから話を聞くだけでは理解しにくい部分もあるかもしれないので、多少なりとも動きがあったほうが物語に入りやすくなるのかなと。再演なので、前回の映像なども観つつ、自分がどう演じられるかと考えているところです。

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WI 朗読劇が終わると、松坂桃李さん主演の舞台「娼年」が控えていますが、こちらはどんな内容になりそうでしょう。

猪塚 原作のストーリーをどこまで舞台上で演じられるのか……。作品は、娼夫の話。僕と桃李くんが娼夫の役なのですが、原作では、女性と“性”を通して絡んでいって大事なことに気づき、人間としても成長していく……という内容です。桃李くんがメインの娼夫として物語が進む中、僕は先輩の娼夫としていろんな意味でアクセントを与える役になりそうです。演出家の三浦大輔さんは、映画などでも激しい性を描かれているので、この作品は本当に、現場に入ってみないとわからないことが多いですね。

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舞台『娼年』メインビジュアル

 

WI R-15指定がついた舞台ということもありますが、現時点では未知の部分が多そうですね。

猪塚 稽古は7月ぐらいから始まる予定ですが、本当に未知の世界です。原作を読んでいる方は、「この世界観をどう舞台化できるの?」と思うはず。R指定がついたことで、舞台の上でもそれなりのことが求められると思うんです。原作での僕の役は、痛みでしか快感を得ることができない体質で、しかも女性出演者たちよりも桃李くんとの絡みが多いのですが、舞台ではどうなるんでしょうね。

 

WI そのままの役だとしたら、いままで猪塚さんを見てきたファンにとっても、かなり衝撃的で刺激的な舞台になりそうですが。

猪塚 そうですね(笑)。もちろん、僕自身、不安はめっちゃくちゃあります。僕はオーディションでこの役をいただいたのですが、その時点でもかなり不安でした。だけど「できることは全部やろう」と思って、台本には書いてなかったけど、服を全部脱いで相手役の方に絡んだんです。逆に演出の三浦さんに「そこまでやらなくていいよ」と止められるぐらい。そのぐらいの意気込みでオーディションには挑みました。

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舞台『娼年』で猪塚さんが演じる娼夫のビジュアル

 

WI いままで演じたことがない役ですし、そう演じる機会もないと思うのですが、この役をやることで役者としても一皮むける気がしますね。

猪塚 僕もそう思って、オーディションを受けました。話をいただいたときから、すごい作品になるというのはわかったし、受かったときのことを考えて、いままでの自分にはなかったものが自然に引き出せるんじゃないかなって。だから、絶対にこの役を手にしたい、この役に挑戦したいと思いました。

 

WI 台本もまだ受け取っていない状態ではありますが、ダイエットをされていたのは、役づくりか何かですか?

猪塚 「娼年」のビジュアル撮影があったので、炭水化物抜きのダイエットをしてました。原作だと、シュッとした役のようだったので。いまも軽くやってます。どんな舞台になるか謎すぎて不安ですが、稽古が始まったら、いろいろ見えてくると思うので、いま抱いている不安もなくなるはず。

 

WI “新しい猪塚健太”が見られる機会が増えてますね。

猪塚 30歳目前に、勉強することが多いですが、ありがたいですね。

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WI 松坂桃李さんといえば、ドラマ「ゆとりですがなにか」に出演されていましたが、“ゆとり世代”のことで思うことはありますか?

猪塚 僕のいっこ下からが、いわゆる“ゆとり世代”ですけど、30手前の人なら、だいたい言われたことがあると思います。でも僕は言われたことないですね……比較的しっかりしてるほうなので(笑)。うちの劇団員は、ゆとりばっかりですよね(笑)。ただ、20代前半の劇団員でもしっかりしてるのはいるし、やっぱりゆとりだなって思う人もいるし……。でも普通の会社だと、先輩が後輩の面倒を見ている過程で「これだからゆとりは」という流れがあると思うんですけど、僕らの仕事って先輩後輩もなく、同じ目線に立つことが多いんです。もちろん教えることもありますけど、同じ目線で芝居をするので、世間一般の「ゆとりだよね」というのは、もしかしたら当てはまらないことが多いかもしれませんね。

 

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プロペラ犬 第7回公演『珍渦虫』より

 

WI 最後に、個人的にずっと気になっていたことを聞いてもいいですか? 舞台に上がる前の“パスタ”を食べる儀式には、何か深い意味が?

猪塚 もともとパスタが好きで、イタリアンレストランでバイトをしていて詳しかったこともあるんですけど、実際、パスタってエネルギーに変わるのが早いんです。僕、舞台上でいちばん集中が切れるのが、“空腹”になったとき。お腹が鳴らなくても、ちょっとお腹が減ったなというのを感じると一気に集中力が切れるんです。それを避けるためにパスタを食べてます。現場でお弁当が用意されていれば食べますけど、どうも調子がでないんですよね(笑)。やっぱり僕にとっては、パスタがベストです。

 

間もなく始まる朗読劇から、年末に向けて出演舞台が続く、役者・猪塚健太の新たなる挑戦に、乞うご期待を!(さとうのりこ)

■フジテレビ「みんなのニュース」
毎週月~金曜(15:50-19:00)放送の火曜日Hopper(ホッパー)として出演中!
■朗読劇「僕とあいつの関ヶ原」/「俺とおまえの夏の陣」
http://gingeki.jp/archives/2684
7月7日(木)~7月10日(日)@天王洲 銀河劇場
出演:「僕とあいつの関ヶ原」│<青竹チーム> 猪塚健太、尾関陸、西川俊介、松田岳、矢部昌暉(DISH//)/<紫陽花チーム> 荒田至法、尾関陸、黒羽麻璃央、染谷俊之、松田凌(50音順)
「俺とおまえの夏の陣」│須賀健太、染谷俊之、黒羽麻璃央、猪塚健太
■舞台「娼年」
http://www.shonen.jp/
8月26日(金)~9月4日(日)@東京芸術劇場 プレイハウス
9月7日(水)~9月11日(日)@シアター・ドラマシティ
9月14日(水)~9月15日(木)@久留米シティプラザ ザ・グランドホール
出演:松坂桃李、高岡早紀
佐津川愛美、村岡希美、安藤聖、樋井明日香、良田麻美、遠藤留奈、猪塚健太、米村亮太朗、古澤裕介、須藤理彩、江波杏子
■プロペラ犬 第7回公演「珍渦虫」
http://www.pragmax.co.jp/propeller/
10月27日(木)~11月8日(火)@下北沢 ザ・スズナリ
出演:ノゾエ征爾、伊藤修子、猪塚健太、福永マリカ、水野美紀
福澤重文、宮下貴浩、米村拓彰、平竜、坊屋たいと

*猪塚健太さんに関する最新情報は、猪塚さんのツイッター(@PORTGAS_D_KENTA)にて!

 

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