出産は、涙が出るほどしんどい「れもん、うむもん!」【女子マンガ部】

「出産は、しんどかったです。」

「全然そんなことなかったよ、というお母さんも沢山いるかもしれない。」

「でも私には、涙が出るほどしんどかった。」

そんなまえがきから始まる、漫画があります。

女子が読んで面白い漫画を紹介していくウーマンインサイト女子マンガ部。連載第2弾は、はるな檸檬さんの描く出産エッセイ漫画「れもん、うむもん!―そして、ママになる―」(新潮社)です。

れもん、うむもん!

 

妊娠・出産〜マタニティブルーを乗り越えるまでの経験が、整った美しい線で丁寧に描かれています。四コマという形式で、同じサイズの画面で淡々とストーリーが進められていきますが、内容は壮絶。

れもん、うむもん!P77出産後:「本当に辛い時 人はただ押し黙っているしかないのだと 私は初めて知りました」

れもん、うむもん!P66授乳中:「胸が岩のように硬くなり これまた信じられないくらい超絶に痛い」

れもん、うむもん!P80

「その晩 私は 何年か振りに大声をあげて泣きました」

とにかく「えっ、出産ってこんなに大変なの……?」の連続で、なぜ世間ではこのようなつらさが広く理解されていないのか、なぜ出産は「素敵」「幸福」というイメージしかないのかと不思議になってしまいます。

その答えがこの漫画にあります。「出産直後のことは、つらすぎるから忘れてしまう」のです。

でも、そこではるなさんはこう決意します。

れもん、うむもん!P85「このしんどさを忘れないまま 全部はっきり覚えたまま 2人目産みたいって思ってやるからな!!」

この言葉のとおり、「出産を経験したときどう感じたか」が、どのエピソードでも本当に詳しく描いてあります。作者・はるなさんの個人的な経験にもとづいているのですが、だからこそ誠実で、読んでいる人が出産している・していないに関わらず、強烈な共感を覚えます。

ちなみに、「子どもはそんなに好きじゃないな」という方にもおすすめ。「子どもをかわいがれるか不安」と思っていても、

れもん、うむもん!P113
「宇宙からやってきた未知の、でもものっっそい可愛い生物が家にいるしあわせ」

という気持ちになるそう。なんだかすごく納得できますよね。

出産のつらさ・痛さだけではなく、どうやっていろんな苦しい壁を乗り越えていったかも必見です。

 

最後に、まえがきにある言葉を紹介します。

「もし誰かが肩を抱いて、しんどいよねって、ただ横にいて、一緒に泣いてくれたとしたら、それだけできっと、前を向けていたと思う。」

言葉のとおり、優しく寄り添ってくれるような漫画です。

(たきたて玄米)

れもん、うむもん!
れもん、うむもん!
はるな檸檬  864円(新潮社)

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