WI どこの読者層を強く狙っていますか?
塩谷 いちばんは、働く1~2年目の女の子たちですね。次に狙っているのは、大学3~4年の、学食のいちばん奥にいて、社会人と合コンしたり社会人の彼がいるような人。そんな、OLに憧れている大学3~4年から、実際働いて1~2年くらいになる社会人の4学年くらいを中心にしている、ということを、もっとわかりやすくしたい、と思っています。
WI これから力を入れて特集していきたいことを教えてください。
塩谷 昨今は久しぶりの「芸能ブーム」で、力をつけている若い女優さんや俳優さんも多いし、芸能界の幅が広がった印象があります。『CanCam』もエンタメ班がすごく頑張ってくれていて、これまで「ファッション・ビューティ・ライフスタイル」が3つの軸だったところに、4つめの軸として「エンタメ」が入りましたね。
WI 今日発売の『CanCam』12月号にも、ものすごいボリュームの「イケメンBOOK」が別冊付録としてついているとうかがいましたが……。
塩谷 今ちょうど印刷所からあがってきたところなんです! 10月23日発売の『CanCam』12月号の目玉でもあります。エンタメ班を中心に気合を入れて作った、100ページを超える、俳優、アーティスト、スポーツ選手……と、ありとあらゆるジャンルのイケメンが満載のイケメンBOOKです。
WI これが雑誌の別冊付録なことに驚くクオリティで……これだけでも売りだせそうですよね。
塩谷 本当に(笑)。本誌の校了とこの別冊の校了が重なって、編集者人生で初めて、24時間ぶっ続けで校了しました。あとは、これまでの歴史を見ても『CanCam』12月号は、「かわいい、恋、冬」といったキーワードと親和性が高いこともあるのか、歴代評判がいいこともあり、18のブランドとコラボワンピースをつくりました。冬のイベントに着たいようなワンピースをたくさんつくって、公式webサイトのCanCam.TVを通じて購入できるようにしています。
WI ファッション面ではどのような雑誌づくりをしていきたいですか?
塩谷 より『CanCam』らしい特徴を出していきたいです。メインターゲットとしている、社会人1・2年目、そして大学3・4年生の皆さんのライフスタイルに合わせて、日々生活していく中での着こなしの悩みに答えていく雑誌にしたいですね。
WI たとえばどのようにですか?
塩谷 『CanCam』で「腕抜きちゃん」と呼んでいる、アウターやカーディガンを肩かけするスタイルが最近流行っていますが、「肩かけでかわいくしながら、雨が降って傘を差すときはどうするの?」といった、避けて通れないリアルな悩みについて、おしゃれに見せつつ、きっちり答えていきたいですね。「こんなファッションが流行る」というのを見せていくのはもちろんですが、それを着たときに困るだろうことをごまかさない雑誌にしたいです。
WI 『CanCam』を読んでいると、これまでも「おしゃれだけどちゃんと実用的だな……!」と思っていたのですが、その傾向をさらに強めていく、ということでしょうか。
塩谷 そうですね、もちろん今までもやってきたことですが、昔よりも「わかりやすさ」が、より求められている時代なので、「おしゃれに、おもしろく」は前提として、さらに「わかりやすく」を心がけていきたいです。ただ、今の人たちはInstagramなどで素敵な写真を見慣れていて、ビジュアルに関してすごく目が肥えているので、わかりやすく実用に振りすぎてもよくない。質問にきちんと答えつつ、素敵な写真を載せる……という、そのふたつのバランスをうまく考えて見せていく、というのが、雑誌の役割だと思っています。