何が原因で、その後どうなったの…?「別居婚」経験者500人に別居後のリアルを聞いてみた。

結婚生活を続けていると、どうしてもうまくいかないタイミングが訪れてしまうこともありますよね。その中で別居という選択肢を考えたことがある人も少なくないと思います。

今回は株式会社Clamppyが別居を経験した既婚者500人に行った調査をもとに、「別居後に見える夫婦の実態」について見ていきます。

ちなみに調査結果からは別居後に約3割の夫婦が「関係が改善した」と回答したことも判明。肯定的なエピソードも多数あり、別居が生活や精神によい影響を与えるケースも見受けられました。夫婦関係で悩んでいる人は、別居が1つの解決策になり得るかもしれない事を、ぜひ視野に入れてみてください。

別居開始のタイミングはいつ?

まずはじめに聞いたのは「夫婦が別居したタイミング」について。一番多かったのは結婚してから別居するまで「2年」で15.0%を占めています。

続いて「6カ月〜1年」が14.5%、「3年」が12.3%を占めており、結婚して数年以内(1〜3年)で別居する割合が高めであることがわかりました。また、3年よりも短い人たちでまとめると52.2%にものぼります。結婚初期に起こる生活の不適合やすれ違いなどが、別居の要因となっているのかもしれません。

別居のきっかけは何でしたか?

様々なすれ違いなどからも、別居のきっかけは生まれてしまうもの。そこで、続いては単身赴任者を除く別居経験者に、別居のきっかけを尋ねました。

「性格の不一致」「喧嘩や口論」が男女ともに1位と2位を占める結果に。しかしモラハラやセックスレス、育児や家事に非協力など、ほかにもさまざまな別居の要因があることがわかりました。

男性側の不倫がきっかけで別居した人は13%で、女性側の不倫がきっかけで別居したのは5.3%と、不倫による別居も見られました。ここからは皆さんから届いた「別居に踏み切ったリアルなキッカケ」についてご紹介していきます。

【夫に聞いた別居のきっかけ】

  • 子育てに対しての考え方の違いから別居になった。子どもにはお菓子は絶対食べさせないなど、嫁の言うとおりにしないといけない空気になってしまって息が詰まった。
  • セックスレスなどが原因で口論が増えるようになり、少し距離を置いてみようということになりました。
    妻の義両親との関係が悪化し、私と妻が一緒に生活できない状態になった。
  • 仕事が忙しく、帰宅時間も不規則だったため、妻とゆっくり話す時間が取れませんでした。次第に会話が減り、すれ違いの生活が続きました。お互いの気持ちを理解するため、一時的な別居を提案しました。
  • 相手が会社の上司と不倫関係を3年くらい続けていて、私たちが住む家にその上司を連れ込んでいたことが発覚し私が家を出ていく形を取りました。

【妻に聞いた別居のきっかけ】

  • 結婚当初から会話が少なく、休日も別々に過ごすことが多かったです。徐々に心の距離が開いていき、お互いのことを理解しようとする気持ちも薄れていきました。一緒にいても気まずい雰囲気が続き、このままではいけないと思い別居を決意しました。
  • 子どもが出来てから合わないことが多くなった。おそらく私が一緒に遊ばなくなったから。育児には全く協力してくれず飲み歩き、しまいには借金が発覚し家を出た。
  • 初めて子供が生まれたあと、夜泣きへの対策への考えが違うことがきっかけだった。すぐに抱っこしようとする私(妻)と、放っておけばいいという夫の考え方の違いに、苛立ちを感じた。
  • 結婚してから同居を始めた為お互いの生活の価値観が合わなかった事に気が付かずストレスになってしまった。
    付き合っているうちは許せていたことが、結婚してからだと許せない部分だと思うようになり、先が見えなくて一旦距離を置きたくなった。

加えて、男女によって「別居の原因となった」と感じる部分に違いがあることがわかりました。「性格の不一致」「喧嘩や口論」に次いで、男性は「コミュニケーション不足」8.8%、「セックスレス」7.2%が多くの割合を占めています。一方、女性は「モラルハラスメント(モラハラ)」8.3%、「配偶者の不倫」7.9%の割合が高い結果となりました。

別居を切り出したのはどっち?

続いて「夫婦で別居を切り出したのはどちらか」を聞いたところ、「女性から」と答えた人が65.9%、「男性から」と答えた人が34.1%でした。別居を経験した夫婦のうち、別居したいと告げたのは7割近く女性からと判明しました。

  • 結婚前から不倫している相手が夫にはあり、いつかは止めてくれるだろうと思って泳がしておいたのですが、一向に止める気配がないので別居を切り出しました。
  • 子どもが小さいうちは我慢しようと決めていましたが、夫の家事・育児への無関心が限界を超え、心身ともに疲弊してしまい、自分を守るために別居を決意しました。
  • 毎日のようにモラハラまがいの言葉を浴びせられて、このままでは自分の人格が壊れてしまうと感じたため、冷静に距離を置こうと思って別居を提案しました。

家を出たのはどっち?

別居の時にどうしても問題になるのは「どちらが家をでるか」というもの。それでは実際の比率を見てみましょう。

女性が57.0%、男性が34.5%、「どちらも家を出た」が8.5%でした。ちなみにどちらも家を出たケースを含めると7割近くの女性が家を出ており、男性は家に残る傾向があることがわかりました。また夫婦どちらも家を出るケースは1割以下のようです。

【実録】別居後の夫婦関係、どうなった?

ここからは別居後の生活について、皆さんの経験を深掘りしていきます。別居後の関係や生活の変化にはどんな違いがあったのでしょうか? 精神面での変化や男女別の生活の変化などを見ていきましょう。

実際の連絡頻度はどれぐらい?

まず最初は、気になる連絡頻度について質問してみました。

最も多かったのは「週に1回程度」で4割程度。次いで「月に1回程度」が男性24.4%、女性16.7%という結果になりました。夫婦によって頻度に差があるものの、別居中も連絡を取り続ける夫婦が多いことがわかりました。なお「連絡していない」が男性12.8%、女性19.7%と、別居中に一度も連絡を取らなかった人も一定数存在します。

ぶっちゃけ、別居後にも愛情は残ってましたか?

「別居した後・された後、配偶者に対して愛情や未練があったか」を聞いたところ、「ある」と答えた男性は56.7%、女性は39.3%でした。別居をした後でも男性のほうが配偶者に対して愛情や未練を感じやすいのかもしれません。

別居中に配偶者から経済的支援を受けた女性は46%、男性はわずか6%

続いては「経済面」のこの話題。「別居中に配偶者から経済的支援を受けていた?」と聞いてみました。

「受けていた」と答えたのは女性45.7%、男性6.1%でした。女性は7倍以上も男性よりも配偶者から経済的なサポートを受けている結果に。女性が子を引き取る家庭が多いことや、収入の格差などが影響しているのかもしれません。

精神的な変化はどのぐらいありましたか?

「別居中の精神的な変化はあったか」を聞いたところ、男女で異なる影響があることがわかりました。

男性は「孤独を感じた」が29.8%ともっとも多く、次いで「精神的に楽になった」が23.0%を占めています。一方、女性は「精神的に楽になった」が31.7%ともっとも多く、次いで「孤独を感じた」が13.2%、「健康状態が改善した」が11.9%が多くの割合を占めています。

別居によって男性は精神的な改善もあるものの、孤独を感じる人が多いという結果に。また女性は孤独を感じる一方で、精神的に楽になったり、健康状態が改善したりする人も多くいることがわかりました。

【夫に聞いた別居後の精神的な影響】

  • 配偶者と顔を合わせなくなったことでイライラすることが無くなって精神的に楽になったと感じた。
  • 常に妻と離れているんだということが頭によぎっていたので気持ち的にも精神的にもよくなかったです。なにをするにしても失敗したりしたり、気を晴らそうと思っても無理でした。
  • 普段子供とお風呂や食事をしていたので、寂しさを感じるようになった。
  • 妻と娘二人の4人で生活していたものが自分一人になったため、家事等の負担が減った一方で孤独感は強く感じるようになった。
  • なんだかんだ一人より二人でいたほうが楽しいことに気付かされた。

【妻に聞いた別居後の精神的な影響】

  • 同居中は帰ってくる時間や帰ってきたとわかると動悸がしてきたりしていたが全くなくなった。不眠症になりかけていたが改善してきた。
  • 夜もよく眠れる様になったし母がいてくれた事で子供としっかり向き合えるようになった。同居していた時は主人からのモラハラ等もあり精神的に圧迫されていた。
  • 精神的には相当楽になりました。相手のことを気にせず、自分だけのことを考えていればいいので、帰宅や食事の時間、食べたいもの、するべき家事など、したい時に自分のためだけにすればいいのがストレスフリーすぎて最高!と思っています。
  • 家事の負担など、身体的・精神的なストレス軽減にはなったが、同時に寂しさも感じた
    一人の時間が多過ぎて寂しい時もあるのですが、自分の生活リズムで生活出来るため、よく眠れるようになった。

別居後に子供と暮らすのは〇割が母親

単身赴任者を除く、子のいる別居経験者に「子どもは夫・妻どちらと一緒に暮らしたか」を聞いたところ、「妻と暮らした」と答えた人が87.3%、「夫と暮らした」と答えた人が6.8%、「どちらとも一緒に生活していない」と答えた人が6.0%でした。

別居後、子どもは妻と暮らすケースが圧倒的に多いことが判明。しかしこの結果は、現状の日本で離婚した際、9割近くのケースで母親が親権を獲得していることと矛盾せず、現状を反映していることが分かりました。

別居期間&別居後の行方、リアルな結果はこちら。

別居について考え始めたとしても、どれぐらいの期間を設けるべきなのか気になっている人も多いはず。そこで続いては「別居期間」について質問してみました。

最も多かったのは「6カ月〜1年」で31.9%。次いで「3カ月〜6カ月」が19.3%、「1〜3カ月」が16.4%と、1年未満の別居をする夫婦が多いようです。一度離れてみることで見えてくるものもあると思うので、見極めが重要ですね。

また10年以上別居をしている夫婦も一定数(1.8%)存在し、完全な離婚に至らず、長期間別居を続けるケースも見受けられます。

別居後の行方:離婚34%、同居再開48%、別居継続19%

また、「別居後どのような結末を迎えたか」を聞いたところ、離婚した人が38.9%、同居を再開した人が43.2%、別居を継続中の人が17.9%という結果になりました。

同居を再開した人も多く、別居をした夫婦が必ずしも離婚を選ぶわけではないようです。

別居によって「関係が改善した」夫婦は約〇割

最後に別居経験者に「別居して配偶者との関係はどう変化したか」を聞いたところ、「良くなった」と答えた男性が35%、女性が31.2%でした。「悪化した」と答えた男性が17.8%、女性は19.2%。「変わらない」と答えた男性が47.2%、女性が49.6%でした。

約3割の夫婦において関係が改善しており、別居は夫婦関係を再構築する1つの手段になり得るといえます。しかし夫婦関係が変わらなかった人も5割程度いることから、ほかの改善策もあわせて検討するのがオススメです。


今回は別居後の夫婦のリアルについて見ていきました。一度距離を置いてみることで、自分の中で関係性が整理できたという人も多いそう。別居した後関係性が改善した声も多く寄せられたので、悩んでいる方は選択肢の一つとして考えてみるのも良いかもしれません。(おだかれん)

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