アート、ファッション、映画の結びつきを写真で表現した先駆的なフォトグラファーとして知られている、ジョージ ホイニンゲン=ヒューン(1900-1968)。シャネル・ネクサス・ホールは、ジョージ ホイニンゲン=ヒューン エステート アーカイブスの協力のもと、日本初の個展となる「Master of Elegant Simplicity: ジョージ ホイニンゲン=ヒューン写真展」を2024年2月より開催。本展では、代表的なファッション写真に加え、シャネルとの交流を物語る作品や、著名人のポートレートや旅先での風景を収めた作品など、約65点を紹介します。
ガブリエル シャネルとジョージ ホイニンゲン=ヒューンの出会いは、1920年代初頭のパリ。ホイニンゲン=ヒューンはガブリエルを「現代女性のニーズと好み」を深く理解した「聡明な女性」と評しています。彼がファッション誌のために丁寧に作り上げた写真は、シックなモノクロームのスーツからリラックスしたビーチウェア、豪華なイヴニングドレスまで、 シャネルの魅力を余すところなく捉えています。
また、1920年代はさまざまな分野のクリエイティビティが花開いた時代であり、芸術とファッションの中心地であったパリには、 世界中から多くの才能あふれる人々が集まりました。
ホイニンゲン=ヒューンは幼少期をサンクトペテルブルクとロンドンで過ごした後、1920年にパリに定住。その後、キュビズムの画家アンドレ ロートから教えを受け、姉が手掛けるファッションメゾンのためにスケッチを描いていました。程なくしてその才能が『ヴォーグ』誌に認められ、ホイニンゲン=ヒューンは写真撮影用の背景やセットの制作に携わるように。1926年頃には彼自身も写真を撮るようになり、『ヴォーグ パリ』誌のチーフフォトグラファーに抜擢されました。スタジオの照明を巧みに操ったドラマチックな表現が印象的な彼の作品。クチュール写真に動きと同時にモデルの自然なたたずまいといった要素をもたらした最初のフォトグラファーの一人で、「モデルは女性であり、石膏像ではない」とコメントしたように、どのモデルも一人の人間として向き合っていました。
ホイニンゲン=ヒューンはサルバドール ダリ、ジャン コクトー、クリスチャン ベラール、セルジュ リファールなど、マドモアゼルを取り巻く多くの仲間たちとも親交を深めました。『ヴォーグ』誌を離れ、『ハーパーズ バザー』誌で働くようになってからも、 彼はシャネルのルックを撮り続けています。
また、ホイニンゲン=ヒューンはファッションの領域を超え、ハリウッドスターのポートレートを制作したほか、アフリカ、ギリシャ、地中海東岸のレバント地方、メキシコとさまざまな地域を長期にわたって旅し、5冊の写真集も制作。世界各地のすばらしい風景を捉えた写真や、そこで出会った人々の飾り気のないポートレートは、彼の冒険を愛する気持ちとヒューマニズムの精神を物語っています。
20世紀のスタイルを象徴する2人のつながりを称える展覧会であり、また日本で初めて、ホイニンゲン=ヒュー ンの作品が大規模に展示される本展覧会。ぜひ、足を運んでみてください。
展覧会名: Master of Elegant Simplicity: ジョージ ホイニンゲン=ヒューン写真展
会期: 2024年2月7日(水)ー 3月31日(日)
開館時間: 11:00ー19:00(最終入場18:30)
入場無料・会期中無休・予約不要
会場: シャネル・ネクサス・ホール(中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F)
主催: シャネル合同会社
URL: https://nexushall.chanel.com/program/2024/ghh/