―グループにとって「リーダー」ってどんな存在ですか?
あかり リーダーって、基本的に関わってくださるスタッフのみなさんが決めたことを聞いて、メンバーに相談する、という立場。私の前にずっとリーダーだったわだちょは「こうしたら、こうなる」という先のことまで全部見えているから、ひとりで全部できる人だったんです。でも、いざ自分がリーダーになって、最初は同じようにやってみたら「こりゃあ無理だ、私には同じことはできない」となりまして。
かみこ 今になって思うと、和田さんがリーダーのときは、和田さんが結構なんでもひとりでやっていましたよね。
あかり そう。だから、私はまったく違う形で、「みんなを巻き込んで、みんなと一緒に相談して決めよう」という形に変えました。
りかこ タケさんが自然にそうしてくれたからこそ、今があるんじゃないか、と思います。最近「アンジュがまとまった」と言ってくださる方も増えたのは、タケさんのおかげ。
かみこ 楽曲の歌詞の感じも、リーダーが変わると自然に変わったように感じます。和田さんのときは世間に訴える歌詞が多かったけれど、竹内さんがリーダーになってからは、自分自身と戦うような歌詞が増えてないですか?
あかり そうね。わかりやすく言えば『愛すべきべき Human Life』は、わだちょがリーダーの時代だったらこのテンションのこの曲は生まれてなかったと思う。逆に『赤いイヤホン』は、わだちょがリーダーで引っ張っていた時代からこその曲。私が卒業してからがどうなるかはまだわからないけど、私の時代と同じようにやっても面白みがなくなっちゃうから、今のアンジュの良さは残しつつ、なるようになる感じで、新しいグループを作っていってほしいな。
りかこ 頑張ります!
かみこ あと、後輩たちも竹内さんと一緒に楽屋でよくゲームをしていて。それがなかったら、きっとみんなここまでのびのび過ごせなかったんじゃないかと思います。
あかり ずーっと遊んでましたね(笑)。後輩たちが入ってきたときに、早くアンジュルムの空気感になじんでほしかったから、手っ取り早く「遊ぶこと」でぐっと距離を近づけて「あぁ、ここではうるさくしていいんだ!』と思ってほしくて。ずっと「遊ぼ、遊ぼ、遊ぼ!」ってとにかく遊んでたね。そしたら想像以上にうるさくなっちゃったけど(笑)。鈴ちゃんとか、気づいたらいちばんうるさいもんね(笑)。
―竹内さんとの思い出を振り返って、思い出深いことはなんですか?
かみこ …全然どうでもいいことばっかり思い出しちゃう(笑)。でも、最初に加入して、場位置の覚え方とか、基本的なことを竹内さんから教わったのを覚えてます。…でも、実はいまだに「上手(かみて)・下手(しもて)」がどっちかわからなくなっちゃうときもあります(笑)。
あかり 「こっちが上手だよ、下手だよ」って、さんざん教えたのに、いまだに「右2.5」って言うもんね(笑)。おいっ(笑)!
りかこ タケさんが隣にいて安心したような思い出が結構ありますね。普段もそうですし、ステージ上で背中合わせで歌ったり、一緒に踊ったり、タケさんが隣にいると安心するんです。
かみこ わかります。竹内さんがお休みせざるを得なかったときとか、泣きましたよね。
りかこ 泣いてたし、それくらいタケさんは大事なところをやってくださってたんだな…って、そのときにより実感した。
あかり 私は「みんな、なんで泣くん?」って思ってた(笑)。
かみこ 不安と、不安と、不安と、不安ですよ。
あかり ライブ中に途中ではけて、1〜2曲私抜きでパフォーマンスした時点で、みんなが泣きすぎてて、マネージャーさんと「これは出るしかないな、出ないと無理だな」って話し合ってなんとか出たよ。
―では、竹内さんがこれまでのアイドル人生を振り返って、特に思い出深いことは何ですか?
あかり スマイレージとアンジュルムは別物なので、全部一緒だと難しいんですけど、スマイレージ時代だとやっぱり2014年の47都道府県ツアーです。海外用の大きいスーツケースをメンバーみんなで毎日持ち歩いて、家に帰った記憶もほとんどなくて、ちょっと帰ったとしても荷物を入れ替えて、10日間くらいまた旅に出る。リリースイベント、単独のライブ、ハロプロ全体のコンサートと、3週間くらい毎日何かあったときは、あのうるさかったスマイレージが誰もしゃべらなくなりました(笑)。
かみこ 想像できなさすぎる…。
あかり でもね、今となっては笑い話よ。あんまりお客さんが入っていなかったライブハウスの後ろでお客さんが走り回ってたり、りなぷー(※勝田里奈さん)は暑いからクーラーの前から絶対動かないとか、楽屋からどうしても外を感じたくて窓を開けて、物販に並んでいるお客さんにみんなで「こっちこっちー!」ってバレないように声を掛けてみたら、次から窓をガムテープでふさがれてたりとか…(笑)。
りかこ 悪ガキだ!
あかり アンジュルム時代だと、日本武道館公演のチケットを、みんなで売ったりチラシを配ったり頑張った結果、当日券でたくさんの方が並んでくださった時期があったじゃない? ああやって頑張った思い出が、個人的にめちゃくちゃ好き。
りかこ わかります。
あかり いつかは笑い話になるから、いっぱい苦労した時代が好きなんです。「あのとき大変だったよねー!あはは」って思い出話が楽しいから、苦労してよかったなって。
―今や、チケットがあっというまに完売するようになったと聞きました。
あかり 正直、「何が起きたんだ?」って感じなんですよ。
かみこ コロナ禍に入ってから、たくさんのお客さんに直接お会いできるフリーライブやリリースイベントがなくなってしまったので、いつどんなファンの方が増えたのか、実は私たちも把握しきれていないですよね。
あかり そう。入場無料のフリーライブがあると「前より人が増えたかも」と感じられるんですけど、今の状況だとわからない。今は「アンジュのチケット取れないんだよー!」って言われるようになったけど、感覚としては「普通に取れた時期があんなにたくさんあるのに!」という感じ。いつ、誰が、どこで私たちを知って、どうして好きになってくれたのか、ひとりひとりに聞きたい、アンケートとりたい!
りかこ 「あなたのアンジュルムとの出会いのきっかけは?」みたいな(笑)。でも本当にわからないですよね…。