2004年から2013年までの長きにわたり「別冊フレンド」(講談社)に連載され、登場人物たちと共に少女から大人の女性へと成長していった読者に、深く熱く愛されたコミック……ジョージ朝倉さんの『溺れるナイフ』。
全17巻の単行本は、現在までに累計発行部数170万部を突破し、いまなお新しいファンを獲得し続けています。
ナイフのように研ぎ澄まされた10代のハートが、ぶつかり合い、求め合い、傷つけ合い、光に向かって全力疾走していく姿を描いた傑作青春コミックが、今秋、ついに実写映画化。
15歳の夏、東京から遠く離れた浮雲町(うきぐもちょう)に越してきた、人気モデルの夏芽。退屈でウンザリするようなこの町で、体を貫くような“閃光”と出逢う……それは、地元をまとめる神主一族の跡取り息子で“コウ”と呼ばれる少年。傲慢なほどに激しく自由なコウに反発しながらも、惹かれてゆく夏芽。コウもまた夏芽の美しさに対等な力を感じ、やがて二人は付き合い始める。「一緒にいれば無敵」という予感に満たされる二人に、ある日、すべてを変える事件が起こる。失われた全能感、途切れてしまった絆。傷づいた二人は、再び輝きを取り戻し、未来への一歩を日み出せるのか。二人が下した決断は……。
メガホンをとるのは、“新世代ファンタジスタ”と称えられる新鋭、山戸結希監督。
2013年に「FRIDAY」の“今年くる顔16人”に選出されるなどメディアからの注目も高く、作品を観た著名人や観客からも「間違いなく天才」「途轍とてつもない才能」「世界進出は時間の問題」といった絶賛のコメントで、SNSを騒然とさせたことも。
また、テアトル新宿のレイトショー観客動員記録を13年ぶりに更新するという快挙を成し遂げた稀有なる才能を、本作でも遺憾なく発揮。
既存のお約束事や常識から軽々と解き放たれた映像、そして映画界の誰よりも10代の少年少女に寄り添い、その痛みもときめきも共有する独特の表現で、観る者の心を奪います。
そんな山戸監督のもとに集まった最旬キャストたちがまた魅力的!
東京から田舎に転校してきた超美少女モデル“望月夏芽”役に小松菜奈さん、その転校先で自由に生き、傍若無人な神主一族の跡取り“長谷川航一朗(コウ)”役に菅田将暉さんをキャスティング。
そしてこの彼らに寄り添い見守る二人、“大友勝利”役に重岡大毅さん(ジャニーズWEST)、“松永カナ”役に上白石萌音さんがクラスメイトとして出演。
山戸監督が、ジョージ朝倉先生の作品に出会ったのは、中学生の頃。
「初めて読んで、ものすごい衝撃を受けましたね。“ヤバい”方が書店の本棚に紛れていると。恐らく私たちの世代にとって、ジョージ先生はお決まりの少女漫画じゃないものを見せてくれる唯一無二の漫画家さんでした」と話す、山戸監督。
そんな山戸監督が、この4人にキャスティングを決め手を、このように話しています。
誰かと迷って決めたわけではなく、最初から比較対象のない4人でした。適切なキャスティングというのは、選ぶのではなく“その人”と正確に出会えるかどうかだということを、勉強させていただきました。
女の子たちが、なぜ小松菜奈さんと菅田将暉さんに憧れるのか、きっと、誰よりもわかるんです。映画は、憧れている人が輝いている姿を暗闇に見に来るものだから、彼らが輝いている姿を見たいというお客さんの願いに応えたいと想いました。小松さんは、『渇き。』に出演されてからの2年間に、とてもうらはらな魅力を感じ、その時間ごとを撮りたかったです。菅田さんは、秀才的なイメージでしたが、天才でした。大きな物と対峙している感覚が、まさにコウちゃんで面白かったですね。
重岡さんには、役そのままの気持ちでいてもらえるように気をつけました。ステージに立つ男の子としての格好良さではなくて、映画の暗闇の中では、逆に女の子たちは素に近い部分が見たいのかもと思ったので。上白石さんは眼差し一つまで演技が本当に素晴らしくて、ぜひまたご一緒したいですね。(山戸監督)
伝説的少女コミックの奇跡の映画化は、新たなる青春ラブストーリーの金字塔。スクリーンの中の彼らに、めまいがするほどときめき、痛みと歓喜が全身を貫くはず。(さとうのりこ)
『溺れるナイフ』
2016年11月5日(土)TOHOシネマズ渋谷ほか全国ロードショー
http://gaga.ne.jp/oboreruknife/
■キャスト:小松菜奈 菅田将暉 重岡大毅(ジャニーズWEST) 上白石萌音 志磨遼平(ドレスコーズ)
■原作:ジョージ朝倉『溺れるナイフ』(講談社「別フレKC」刊)
(c)ジョージ朝倉/講談社 (c)2016「溺れるナイフ」製作委員会