メイクもネイルも!100年前から変わらない「美人の心得」がためになりすぎる

大正モダン

むかしむかし、皆様のおばあちゃん、おじいちゃんの若い頃を想像したことはありますか? おばあちゃんにも若い頃があり、今のようにメイクやファッションを楽しんでいたのか、気になったことはありませんか?

Woman Insight編集部は、美の歴史を探るため「化粧・女性・美意識」の研究活動を行なっているポーラ文化研究所に取材したところ、今回は大正から昭和時代の美容本『どなたにもわかる洋髪の結ひ方と四季のお化粧(早見君子・著)』『お化粧と髪の結ひ方(三須裕・著)』の2冊を教えていただきました。

どちらの本も、その時代に有名な美容家の方が執筆しているのですが、「100年近く前の美容本なのに、今でも同じことがいえる……!」と衝撃を受けたので、現代文に訳していくつかご紹介します!

 

■100年前から変わらない「美人の心得」

【メイクについて】

◆綺麗に見せようとしてはだめ。

「まずお化粧をするとき、綺麗に見せようとしてはならぬということであります
人はありがたいもので、どんな人でも必ず一箇所は良いところ、又は特長のあるもの。

鼻の形は悪くても口元が可愛いとか、色は黒いが目元が愛くるしいなど、いいところをしっかり確かめて、顔全体を美麗に見せようとすることはやめて、自分で認めたよい所が他より一層よく目立って、特長を発揮するようにお化粧するのであります。」

悪いところを美しく見せようとすると、かえっておかしなものになってしまうので、悪いところは目立たせず、自分のいいところをのばすメイクをすることこそが「最後の勝利を得る化粧法」なのだそう。なんとなくメイクをしていた自分としては、はっとなる言葉でした。

 

【ネイルについて】

◆爪は健康的に、いい形で!

「爪のお化粧は何をすればよいか。
それにはまず第一に爪が紅色に、健康的に見えねばなりますまい
第二にぴかぴか光っていねばなりますまい
第三にいい形であらねばなりますまい
そうして第四に割れたり、傷がついていてはなりますまい。」

……これ、今でも言われてません? さらには「手は白く綺麗になったとしても、爪に黒い汚い垢があったりしたら何をしたものでしょう。」と、爪を清潔にしなさいと呼びかけられています。

 

【ハンドケアについて】

◆手袋をつけましょう

「手には手袋という都合のよいものがありますから、少なくとも冬は絶えず手袋をして、寒い風邪や、冷たい水にあたらぬように。」

「この頃はゴムで出来た手袋もあって、じかに水に手をつけぬことも出来ますから、つとめて労って荒れぬように。」

美容雑誌などでよく紹介される「手袋をはめる」という鉄板ハンドケア。ハンドケアについても原則は変わっていないようです。ゴム手袋への言及もあり、この時代から美容に対してこんなに意識が高かったのか!と驚くばかりです。

 

【マッサージ】

◆毎日やらないと意味がない!

「マッサージの時間は大抵1回5分から10分を適度とします。そうして回数は1日2回くらいで充分でしょう。ただこれはくれぐれも絶えずせねば役に立たぬということを覚えていてほしいと思います。

マッサージは気持ちいいけれど、いつのまにか習慣がなくなってしまいがち……ですが、やはり昔から「少ない時間を、毎日やりなさい」という指南がされていました。

大正・昭和初期にうたわれた美の心得は、現在の私たちにも通じる心得ばかりでした。メイクやファッションに流行の違いはあっても、あまり美の価値観は変わっていないのかもしれませんね。さっそく参考にされてみてはいかがでしょうか?(イラスト・文/たきたて玄米)

参考文献:
三須裕(1923年・大正12年)『お化粧と髪の結ひ方』アルス
早見君子(1928年・昭和3年)『どなたにもわかる洋髪の結ひ方と四季のお化粧』  資文堂書店

取材協力・情報提供元:ポーラ文化研究所

 

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