季節の変わり目に、肌の“ゆらぎ”を感じたことのある女性は多いはず。『美的』4月号によると、読者の9割が、なんからの肌のゆらぎを経験しています!
そんな読者のリアルな「ゆらぎ肌」の悩みに応えてくれたのは、東邦大学医療センター 大橋病院 副院長 皮膚科の向井秀樹先生と、ビューティアドバイザーの水井真理子さん。
「ゆらぎ肌」のSOSを、ふたりの専門家がズバリ解決してくれています。
Q 寒暖差アレルギーってあるんですか?
A 温度の差でバリア機能がくずれるのが原因です。
「気温の差によって肌が刺激を受け、その結果バリア機能が低下して肌あれが起きることはあります。ただし、寒暖差によるアレルギー症状は認知されていません。また、じんましんとゆらぎ肌の関連もないとされています」(向井先生)
Q 頭皮も不調になりますか?
A もちろんです。主な原因は洗髪です。
「脂性肌用のシャンプーで脂を取りすぎてしまったり、洗い残しで高濃度の洗浄液が残ったりすると頭皮に刺激を与えてしまいます。頭皮のゆらぎが気になる場合は、乾燥肌用の低刺激性ヘアケアを使ったり、使用量・使用回数を改めて見直すなどしてみて」(向井先生)
Q 春先に肌がひりひり……アレルギーでしょうか?
A 春先はゆらぐ人が多いです。スギ皮膚炎にも注意。
「紫外線が強くなる時期であり、また環境の変化のストレスなども肌に影響を与えるのです。また近年、気をつけたいのがスギ皮膚炎です。花粉が肌に直接つくことによって起こり、赤くならないのにピリピリとした感覚が生じます。このような症状が出た場合は、皮膚科を受診してください」(向井先生)
Q 水さえ染みてしまうほど肌がボロボロ……でも洗顔しないわけにはいきません
A まずは炎症を抑えましょう。お湯を含ませたタオルなどで拭くなどしてみて。
「赤みなどがある場合は、そこを冷たいタオルで冷やして炎症を抑えます。洗顔の代わりに、温かいぬれタオルなどで拭き取るのも手。薬を活用して素早く治し、できるだけ刺激を避けるように注意して」(水井さん)
Q 吹き出物ができているときは、クリームは塗らないほうがいいの?
A 保湿は乳液で。もしくはそこだけ、ニキビ用の薬を。
「クリームやバームは油分が多いのでおすすめしません。保湿は、比較的水分の多い乳液が良いでしょう。乾燥が気になりどうしてもクリームを使いたいなら、ニキビの部分にだけはニキビ用の薬を塗布して併用してください」(向井先生)
春の肌トラブルは、いつもよりちょっとカサつく、メイクのノリがイマイチ、吹き出物になりやすい……といった、絶不調ではないけれど、気分は憂鬱に……。髪の毛による摩擦や熱めのお湯での洗顔など、いままで平気だったことも、ゆらぎ肌につながる原因に。肌のゆらぎを感じたら、刺激となるものは極力避けて、ゆらぎのレベルや症状にあわせた正しいケアを行いましょう。(さとうのりこ)
(『美的』2015年4月号)
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