「おかゆ・おじや・雑炊」何がどう違うか知ってますか?【違いは何!?】
なんとなく「水分多めのごはん」という印象がある「おかゆ」「おじや」「雑炊」。
あなたはこの違いを答えてください……と言われたら、明確に答えられますか?
なんとなく、おかゆはこんなイメージ。
雑炊は、こんなイメージ。
と、ざっくりしたイメージはありますが、はっきり答えられないという方が多いのではないでしょうか。
こんな疑問を、野菜ソムリエアワードにて全国優勝経験があり、食の情報を発信し続けるWEBメディア「365マーケット 食オタMAGAZINE」の編集長を務める、食に関して広い知識を持つ「食のオタク」である野菜ソムリエ、藤田久美子さんにうかがいました。
◆「おかゆ」「おじや」「雑炊」って、何が違うの?
「おかゆ」と「おじや・雑炊」に分かれます。
「おじや」と「雑炊」は、あらかじめ炊いたお米を使います。炊いたご飯に、出汁や具材を入れて煮込んだものです。
一方で「おかゆ」は、水の分量を多くして、生米から炊いたものを指します。ただ、基本はこの生米から炊く「炊き粥」のことをおかゆと指しますが、すでに炊いてあるごはんとお水で作る「入れ粥」もあります。
「おじや」と「雑炊」は、地域や家庭で呼び名が変わっているだけで、明確な違いの基準はありません。
同じようなものではありますが、あえて違いの傾向をあげるなら、調理法は味付けの点でしょうか。
【ご飯を洗うか否か】
雑炊:ご飯の表面のぬめりをいったん水で洗い流し、さらっと仕上げたもの。
おじや:ご飯を洗わず、そのまま煮込んだもの。
【どのくらい煮るか】
雑炊:ご飯にだし汁を入れて温め、米粒の形を残すもの。どちらかというと汁気がある。
おじや:煮込んで水分を飛ばし、とろみがあるもの。
だし等で煮込んだものが雑炊で、味噌等で味付けしたものがおじや、と分類されることもあります。
ちなみに「ぞうすい」という呼び名は「増水」から来ているとも言われています。その名の通り、ご飯に「お水」を入れて「増やす」という意味ですね。そこにさまざまな具材を入れるようになり、現在の「雑炊」になったようです。
日本だけでなく海外にもお米を味付けしたスープで炊く料理がありますね。たとえばイタリア料理の「リゾット」は、生米をオイルやバターで炒めて、白ワインや出汁を入れて炊きます。スペイン料理の「パエリア」も、生米をスープで炊いたものです。
◆おかゆについての豆知識
おかゆには、水分量によって「全粥」「七分粥」「五分粥」「三分粥」と種類がありますが、私たちが一般的にイメージするおかゆは「全粥」です。お米とお水の割合が1:5です。
一方、最も水分量が多いのが「三分粥」。おかゆの上澄み液の汁のことを「重湯」と言い、離乳食や病人食に使われますが、「三分粥」はお粥の部分が3割、重湯が7割です。
全粥→米1:水5
七分粥→米1:水7
五分粥→米1:水10
三分粥→ 米1:水20
の割合です。
おかゆといえば梅干しをのせるイメージがありますが、他にも雑穀を混ぜて炊いてみたり、塩昆布を混ぜてみたり、黒酢をかけてみたり、さまざまな食べ方があります。是非試してみてくださいね。
365マーケット 食オタMAGAZINE編集長 藤田久美子さん
野菜ソムリエ、健康マスターエキスパート、健康経営アドバイザーの資格を持ち、食のオタクが集まり食の情報を発信し続ける「365マーケット 食オタMAGAZINE(https://media.365market.jp/)」の編集長を務める。
第5回野菜ソムリエアワードで6万人の中から優勝した経験を持ち、その知識の広さには定評がある。