「なんだか素敵」と感じる人の共通点のひとつは、その人の表情やまとう雰囲気までも明るくするような、肌のきれいさ。注目のヘア&メイクアップアーティスト・山口春菜さんが、 最新の“きれいな肌づくり”を提案! フィルターに頼らない、リアルな肌で勝負する美肌の作り方をご紹介します。
目指すは、保湿とカバー力の絶妙なバランスを意識した「セミマット肌」
あらゆるツールを使いこなす!アラをしっかり隠しながら厚塗り感のない軽やかな肌へ
「肌全体のくすみをカバーするためにも、ファンデーションはツヤとマットの程よいバランスを持ち合わせた、薄くのばしてもきれいに見えるリキッドファンデーションを。そんな肌には、保湿力の高い下地と、均一にきめ細かい肌に整えるメイクツールもマスト。肌悩みはしっかり隠しながら、ツヤは必要な箇所にだけ部分的に足していくのがバランスのよい肌づくりのコツです」(山口さん)
PROFILE
河嶋 希氏のアシスタントを経て独立した次世代エース。洒落感が効いたナチュラルメイクなのにかわいく盛れるとモデルからも好評。
最新「セミマット肌」Make-up Recipe
同じアイテムでもパーツごとに様々なツールを使いこなし、どの角度から見ても美しい肌へ!
STEP①下地
「やりすぎなトーンアップではなく、ナチュラルに肌を明るく見せてくれるところがお気に入り。保湿力も高く、ベタつきもないので肌の上でのばしやすい。パール1粒大を手に取り、指で全顔になじませていく」
STEP②リキッドコンシーラー
「表情によって肌が動く部分には、フィット感があるリキッドコンシーラーを。これは保湿力も抜群で、しっかりアラをカバーしてくれます。目の下、小鼻の脇、下唇の脇にチップをよくしごいてからのせて、指で少しずつぼかして」
STEP③ファンデーション・パフ
「程よいカバー力で厚塗りにならないところが優秀! 適度なツヤとフォギー感で、メイクがヨレにくいのもポイント。小さいパール1粒大を両頬・額・鼻先・あごに5点置きして、パフで叩きながらのばす」
「指でのばすと厚塗り感が出て、ムラになってしまいがち。ファンデをパフに直づけせず、指で肌にのせてからスポンジでなじませて。このパフはファンデの吸い込む量が計算されているから、適量を肌にのせられるところが好き」
STEP④固形コンシーラー
「ニキビ隠し用のスポットコンシーラー。左のカラーを細い筆に取って隠したい部分にのせ、その周りをぼかしていく。硬さの加減がちょうどよいこのコンシーラーは使いやすくてリピート中」
STEP⑤ルースパウダー・チップ&ブラシ
「乾燥知らずのシルクのようななめらか肌を叶えてくれる仕上がり。付属のパフだけでなく、塗る部位によって肌への密着度が異なるチップとブラシを使い分けることで、ベースメイクの仕上げとして、より完成度が高まります」
B.ロージーローザ パウダーブラシEX ¥2,200
「アイシャドウチップは肌への密着度が高いのでポイント使いに最適。柄が長いので塗りやすいところがお気に入り。ロージーローザのフェイスブラシはこの価格で肌あたりがとにかく気持ちよい高クオリティ。粉含みがちょうどよく、広い面に塗りやすい!」
Point!
「特にさらっとさせたい目の下、小鼻の脇、下唇の脇、眉はチップ(A)でのせて、先に塗ったリキッドコンシーラーをフィットさせるように。フェイスラインと額は付属のパフ(C:コスメデコルテ ルースパウダーのパフ)で密着させ、最後に全体的にブラシ(B)でふんわりとON。
STEP⑥パウダーハイライト
「ハイライトは部分的に入れることでシェーディングをしなくても立体的な肌に。肌をセミマットに仕上げた分、ポイントでハイライトを入れると上品な仕上がりに。このハイライトは発色がよく、パールのつき具合がパーフェクト!」
Point!
「ハイライトは両目頭の横、鼻根、鼻先、両頬の高い位置にそれぞれ小さめの筆でピンポイントにポンポンとのせていく。筆でのばしながらのせるのではなく、しっかりと一点集中でポイントでのせるのがセミマットな肌にコントラストをつけるコツ」
Finish!
ヘア&メイク2名が語る!今っぽ肌に大事なことは?
今っぽい肌に仕上げるコツについて、今回の企画を担当してくれたヘア&メイク山口春菜さん、イワタユイナさんに聞きました!
★イワタユイナさんのベースメイクレシピはコチラ
全方位ツヤ肌から、適度なふんわり感を重視した肌がトレンドとして上昇!
編集部:今回の撮影を通して、おふたりそれぞれの個性がありつつも、“やりすぎ感のない程よいツヤ”という部分が共通していたように感じます。
イワタさん:2、3年前までは、もう本当にみずみずしいツヤっぽ肌が主流だったよね。ちょっとパールとかラメが効いている感じの。そういうアイテムも多く出ていた気がする。今はツヤはもちろんありつつも、ちょうどよいさらっと感やふんわり感 も欲しいよね。
山口さん:やっぱり全部がツヤだと少し不自然に見えてしまうというか、必要なところにツヤを出していきたい ですよね。仕上げに使うルースパウダーも、パールやラメが入っていない、シルキーな質感のものが、私も今の気分です。
イワタさん:わかるわかる。潤いはしっかり下地で整えて、パールを使うなら部分的に、がバランスよいよね。そうすることで、きれいで繊細なツヤが生きてくる気がする。
山口さん:潤いは下地で整える、というのは本当に大事ですよね。やっぱりファーストステップでどれだけ充分に保湿できるかがポイントになってくる気がします。
イワタさん:そうだね。最近の下地はスキンケア成分が入っているものも多くて、優秀なアイテムが豊富じゃない? スキンケアの延長線上で、肌の潤いをそのまま底上げしてくれるイメージ。
山口さん:確かに、どれを選んでものびのよいテクスチャーで心地よくて、失敗するアイテムが少ないくらい本当にパワーアップしている気がします。
編集部:なるほど〜。下地って無色のものから色がついているものまで様々ですが、色選びのポイントはありますか?
イワタさん:コントロールカラーのベースアイテムが本当に増えたよね。全面に塗るのではなく、コントロールカラーは部分使いするのがよいと思う。最近はブルベやイエベにこだわるコも多いと思うんだけど、ブルベだからこの色!というような固定観念は一旦置いておいて、なりたい肌に合わせて選んでいくとよいよね。
山口さん:ブルベ・イエベにとらわれすぎないで、というのは私も同意です。ふわっとピンク系の肌にしたいなら、肌の色問わずそれを使ってみたらよいと思うし、クマで悩んでいるなら部分使いでグリーン系を入れてみたり。理想の肌や肌悩みに合わせて組み合わせていくのがよいですね。
イワタさん:そういった意味では、部分使いではなく全顔に塗るものとしては、あまり色で左右されないニュートラルなピンクベージュ系の色がいいのかもしれないね。
とにかく保湿! ベースメイク前に欠かせない潤い仕込みケアとは?
編集部:先ほど下地の段階での保湿が大切!というお話がありましたが、肌の潤いケアで他にもポイントはありますか?
山口さん:メイク前にシートマスクをして、肌の水分量を上げることが大切な気がします。
イワタさん:やっぱり朝って忙しいし、手抜きしたくなっちゃうんだけど、シートマスクをするだけでそのあとのメイクノリが変わってくるよね。どんなによいベースメイクアイテムを使っても、土台の肌が乾燥していたらきれいに見せるのは難しい。
編集部:メイク前の仕込みですね! 夜はお風呂上がりにシートマスクをする人は多いけど、毎日朝からシートマスクって、なかなかハードルが高い気も…。
山口さん:朝は忙しかったら3分でもよいからルーティンとして取り入れてみてほしいです。私自身も朝晩両方シートマスクするようになってから、ベースメイクの仕上がりが変わった気がします。
イワタさん:私はね、朝からシートマスクしながら肩甲骨を動かしてストレッチするのが好き(笑)。そうするとすごく身体も目覚めるし、めぐりもよくなって、肌の血色もよくなる感じ。
山口さん:さすが先輩…! 毎日朝からそれができるってすごい。
イワタさん:どんなに忙しい朝でも、習慣にしてしまえば意外とできるし、身体もほぐれて気持ちよいから続けられているよ。
山口さん:確かに、シートマスクも「ながら美容」にすれば時短になりますね。毎日3分ストレッチしながらのシートマスク、私もルーティンに取り入れます!
イワタさん:あと、肌を冷やして毛穴を引き締めてくれるところもよいよね。肌の温度を上げないことが大切で、パックで潤わせながら同時に冷やせるのも時短につながるかも。シートマスクはいいこと尽くし! ベースメイク前の仕込みとしてぜひトライしてみて。
撮影/岡本 俊(人物)、古家佑美(SORANE/静物) ヘア&メイク/山口春菜 スタイリスト/杉本知香 モデル/佐々木莉佳子(本誌専属) 構成/高田朋実 WEB構成/深澤 彩
◆この特集で用した商品はすベて、税込み価格です。商品についての問い合わせ先はこちらから。