アイドルとして走り続けたかとしがひとりの女のコとして歩む、この先とは─
日向坂46の一期生としてデビューした〝かとし〟こと加藤史帆が、ついにグループ卒業へ。約8年間全力投球したアイドルとしての日々にひと区切りを迎え、振り返って思うこと、そしてこれから先の未来の話まで…。かとし節たっぷりに語ってもらいました!
グループのこともメンバーのことも大好き♡
たくさんの愛で満たされたアイドルとしての8年間でした
卒業を意識し始めたのは、1年半くらい前から。グループでは一期生という〝年長お姉さん〟の立場ですが、新しいメンバーも入ってきて、ここからまたグループが変わっていくだろうし、自分の人生を長い目で見たときに、ひとりの女性としてもっと成長したいなと思ったのがきっかけです。
卒業を発表するときは、メンバーもファンの皆さんもきっとそろそろだろうと思っていただろうし、また今回は4人同時に卒業発表だったのもあって、あまり緊張はしなかったです。ただメンバーの反応は想像とは違いました。みんなさみしいって泣いてくれたり、ずっとグループにいるかと思ってましたとも言われました(笑)。私のことをこんなに想ってくれていたんだと、すごくうれしかったし、後輩のみんなのことが大好きだから、これからはメンバーとしてではなく、外から見守るのが楽しみです。
26歳の加藤史帆って実は結構大人。
卒業後はそんなギャップのある姿も見せていきたい。
卒業を決めてから意識し始めた、〝加藤史帆〟としての生き方
卒業のことを考えるまでは、グループがもっと大きくなるためにはどうしたらいいか、自分のことより日向坂46のことをまず第一に考えていたので、卒業を意識し始めてからは、〝加藤史帆"というひとりの人間として、これからどう生きていくかについて考えるようになりました。
日向坂46は坂道グループの中でいちばん新しくできたグループだからなのか、コンセプトが明るく活発な感じ。グループ活動中はもちろんそのコンセプトを意識していたんですけど、今は自分ってどんな人なんだろうって、自分と向き合う時間が増えました。
向き合ってみると、自分って想像以上に大人だし、26歳の加藤史帆としては、もっと大人っぽくなりたいなって。心も見た目も年相応のきれいなお姉さんになりたいですね。私は今まで、特に10代の頃は「私なんか…」みたいなマインドで生きてきてしまい、当時は極度に自信がなくて、今でいう"自己肯定感"みたいなものがかなり低かったんです。そんな自分が大きく変わったのが、『君しか勝たん』という曲で初めてセンターを担当したとき。とにかく全力を尽くしました。もっと頑張りたいっていう気持ちに体が追いつかないくらい、突っ走ってました。でもすごく楽しかった! 今でも元々そういう性格なので超緊張するし挙動不審なんですけど、あの全力で駆け抜けた日々のおかげで、10代の頃に悩んでいた部分も、自分の個性のひとつなんだとプラスに考えられるようになりました。
繊細な時期を自分も乗り越えたからこそ、今、当時の私と同じように繊細な時期を過ごしている10代のメンバーの気持ちがめちゃくちゃわかります。例えばライブで立ち位置を間違えて泣いてるコがいたとしたら、本当は「気にしなくていいよ」とだけ言いたいけど、私も10代の頃はそれで一生落ち込んでいたから、自分に置き換えて考えて、「多分誰も見てないよ〜、大丈夫大丈夫〜」って、もっと気楽に、具体的になぐさめられるように心がけています。
8年間のアイドル人生で培ったのは本当に基本的な「人間力」でした
日向坂46でアイドルとして過ごした8年間で得たものは、ズバリ「人間力」です。ちゃんと寝る、おいしいものを食べるとか、本当に基本的なこと。私すごく偏食で、1日ドーナツ1個とかの日もあって…栄養面も偏っていたんです。忙しい毎日の中でもちゃんと寝て、食べて、笑って生きることの大切さをアイドル生活を通して学びました。
活動をしながら色んな方とも出会い、強い女性のカッコよさも知りました。スタッフさんもそうですけど、身近にそういう憧れの大人の女性の皆さんがいてくれたおかげで、今の私がいると思ってるし、すごく尊敬してます。以前にえ比べたらコミュニケーション能力もだいぶ成長して高くなったかなぁと思うんですけど、グループから出たらひとりでやっていかなければならないので、さらに成長していけたらいいな。
卒業後は色んな面を見せて新しいことに果敢にトライしたい
卒業後に目指したい自分の姿は、「キュート美人」。グループ活動中の私って、ファンの皆さんの中では活発ではっちゃけてる人みたいなイメージがあると思うんですけど、今後は大人っぽい一面も見せていきたいです。
最近はお芝居をするチャンスもいただけているので、そこでまた加藤史帆ってこんな表情もするんだ、こんな喋り方もできるんだって、色んな面を見せられたらいいなと思います。2024年の夏に初めて連ドラで主演をさせていただいたのですが、毎秒新発見でした。例えば差し入れをいただいたら、スタッフさんたちがウォ〜〜〜〜って叫ぶ文化があったり(笑)。リハーサルをしてからみんなでカメラのカット割りを考えて撮るとか。すべてが新鮮で楽しかったし、自分って新しいことが好きなんだって知ることもできました。今まで経験したことがないことにワクワク飛び込めるタイプなので、これからもっと新しいことにチャレンジしていきたいです!
これからは自分にスポットライトを当てて
人生の糧になる経験をたくさん積みたい。
アイドル卒業後もパワー全開な加藤史帆に乞うご期待!
ドラマで共演させていただいたのですが、私にとっての理想の大人の女性は、森カンナさん。ちょっとこんなこと言っていいのかわからないんですけど、いい意味で変な人。優しさの中に遊び心があって、さらに大人っぽさがフュージョンされていて、本当に魅力的。おいしいものを食べたときに、にらむ癖があるらしいんですが、私もそうなんですよ(笑)。勝手に共通点を感じてます。人に対しての気使いとか、コミュニケーション能力とか、愛情を注ぐパワーがすごすぎて、現場の皆さんからも愛されていて、森カンナさんのような大人の女性になりたいって思いました。
卒業後にやりたいことはたくさんあって、まずはハワイに行きたい! 写真集の撮影で行かせていただいた大好きでハッピーな場所なので、海の見える素敵なホテルに泊まって、ボーッとのんびり過ごしてみたいです。今まで長期休みがなかなか取れなくて、プライベートでの旅行は近場しか行けなかったので、ヨーロッパあたりも行ってみたいなぁ。『ハリー・ポッター』が好きなのでイギリスに行ってみたいし、最近イタリア料理にハマっているので、本場のイタリアンも食べてみたい! 英会話も習いたいし、免許も取りたいし…やりたいことが多すぎますね(笑)。
免許が取れたら、『インディ・ジョーンズ』に出てくるような、イカついカッコいい車に乗るのが夢です! 将来いつか家庭を持って、"いい母ちゃん"になりたいので、それまでに色々と経験値を上げておきたいです。CanCamモデルとしても、まだまだお見せしたい姿がたくさん! きれいめのオフィカジ服だけじゃなくて、最近はアンニュイな感じの撮影も増えてきて、それがすごく楽しい。今日みたいな世界観のある撮影で自分の表現の幅を広げていって、大人の加藤史帆の成長パワーも出していけたらいいなと思ってます!
撮影/山根 悠太郎、tAiki スタイリスト/奥富思誉里、杉本奈穂(KIND) ヘア&メイク/MAKI、北原 果 モデル/加藤史帆(本誌専属) 構成/浜田麻衣、西村真樹、田中涼子 WEB構成/久保 葵