Contents
1:激励の言葉ってどんな言葉?はなむけの言葉との違いは…
「激励」は「励まして元気にさせること」「気持ちが奮い立つように元気づける」といった意味のある言葉で、「激励の言葉」というのは相手を励ますときに使用されます。元気がなく、萎れている人を奮い立たせる、躊躇している人の背中を押す……こんな感じになるでしょうか。「頑張れ!」というのが、代表的な激励の言葉です。 一方、似た感じがある「はなむけ」ですが、これは門出に際して、祝福や激励の意味が込められて贈るもので、金品だけではなく、挨拶の言葉も指します。ちなみに、はなむけを漢字で書くと「餞」、つまり「餞別」の「せん」の字です。
2:ビジネスシーンで使える激励の言葉の例文5つ
ビジネスの場でも同僚に頑張って欲しいとき、取引先を応援したいときなど、激励の言葉をかける機会が多いと思います。送別会などで急に「激励の言葉を!」と指名されたときでも慌てないよう、例文をいくつか示しましたので、応用してみて下さい。
(1)新入社員への激励
新入社員というのは、希望を胸に膨らませる一方、不安を感じているかもしれません。プレッシャーをかけることなく、励ましてあげたいもの。
「入社おめでとうございます。先輩社員として全力でサポートしていきますので、安心していろいろなことに挑戦していってください」
こうすると、期待をこめつつ、安心感も与えられて、本人だけでなく周囲も心地いでしょう。
(2)退職・転勤・異動する同僚への激励
月並みになるかもしれませんが、「新天地」という言葉で今の職場から送り出してあげましょう。送り出される人はもしかすると複雑な気持ちがあるかもしれませんが、いずれにせよ「新天地」があることに違いはありません。
「新天地でも健康に留意し、ここで学んできたことを活かして良い仕事をしてください」 「新しい職場でも益々ご活躍くださいますようお祈り申し上げます」
退職する人には「長い間、お疲れ様でした」と添えるのもいいです。
(3)新規プロジェクト立ち上げの激励
新たに挑戦することに対しては、相手が成功するように祈ってあげる……この気持ちが大切ですね。
「新規プロジェクトが成功するよう心よりお祈りしております」
いろいろ言葉を増やすと、上から目線に聞こえてしまうことも。シンプルがいちばんなのです。
(4)取引先に対する激励
取引先に激励の言葉を贈るときは、新たな動きに対するケースが多いと思います。まずは祝福の言葉を述べ、それから祈念する言葉を添えましょう。
「新営業所のご開設、おめでとうございます。地域経済に貢献する拠点として、ご活躍を祈念いたします」 「〇〇会社との〇〇に関しての業務提携、おめでとうございます。貴社のこれからの益々のご発展をお祈りいたします」
失礼にあたらないように、具体的に何に対して激励を述べているのか、ハッキリさせることが重要です。
(5)職場やチーム内で激励
職場で進める仕事において、困難に直面することも少なくありません。そうした時、メンバーに対して激励の言葉をかけますが、そこで避けたいのは根性論。「やれば出来るゾ」と言われると辟易してしまうかもしれません。
「社員一丸となりましょう」 「全員一致で協力していきましょう」 「チームワークを大事にしましょう」
みんなで一緒に「やるぞ」と、気持ちを向上させるように声をかけたいもの。「ワンチーム」であることを強調しましょう。
3:部活の壮行会などで役立つ激励の言葉の例文3つ
(1)試合前の壮行会などでの激励
試合を前にした壮行会などでは、「頑張れ!」という応援の意を込めるのは当然として、ここにくるまでの努力を讃えるのがスマートな激励になるでしょう。
「今までみなさんは本当に大変な努力をしてきました。その努力は決して裏切りません」 「努力をしてきた自分と仲間を信じることが勝利への近道です」
これはスポーツに限らず、努力を積んでこれからチャレンジする人にこそ、伝えたい言葉です。
(2)受験を前にした激励
受験もこれまでの勉強を頑張ってきたわけですから、まずはそのことを讃えましょう。その一方で、本番は誰でも緊張してしまうもの。それを和らげる言葉も効果的です。
「できることはやりました。後は自分を信じましょう」 「リラックスをして、落ち着いて本番を迎えましょう」
自分がその立場にたったとき、どう言ってもらえると嬉しいかを考えるのも近道です。
(3)病気やケガをした人に対する激励
病気やケガをした人は、気落ちをしているほか、困りごとが多いもの。快癒を祈ることはもちろんですが、気配りした言葉をかけてあげましょう。
「何かあれば力になりたいです」 「困った時はお互い様です。何か力になれることがあれば教えてください」 「早く元気な〇〇さんにお会いできることを楽しみにしております」
平時ならちょっと暑苦しいかな、というくらい、相手に寄り添った言葉がここでは相応しいのです。
4:上司へ激励するときの言い方など…激励の言葉を送る際のポイントと注意点3つ
これまで示してきたように「激励」は、他の人を「頑張れ」と応援すること。ですが、目上の人に対して「激励」する場合には注意しなければならないことが何点かあります。
(1)「頑張って」「期待しています」はタブー
選ぶ言葉によっては、本人にそのつもりはなくても、上から目線になってしまうので注意しましょう。気をつけるべきなのは「頑張って」や「期待しています」など。これらの言葉は、相手に命令したり指示したりする印象を与えてしまうからです。
(2)「ご苦労さまです」も避けたい
頑張っている人へ、激励の意味で「ご苦労さまです」と声をかける場合があります。この「ご苦労」というのは時代劇でよくみかけますが、実はお殿さまが家来に対してに使用していていたことが由来。ですのでこの場合、「お疲れさまです」という言葉に言い換えることが無難でしょう。
(3)控え目な言葉で
どんな場合でもそうですが、目上に対しては相手を立てるのが重要。「応援しております」「ご検討をお祈りいたします」「これからもどうぞご活躍ください」「陰ながらお祈りしております」といったような、ような控え目なフレーズを使うのがいいでしょう。
5:まとめ
相手に言葉をかける場合、やはり気持ちを汲み取ってかけたいもの。以上で示したのは定番のフレーズばかりですが、その場その場に合った、相手の立場を考えた言葉を添えてアレンジしてみて下さい。(水野 文也)
初出:MENJOY ライター:MENJOY編集部
ロイター通信記者から千葉県議会議員に転じ、現在は経済ジャーナリスト、アナリスト、行政書士。株式評論でも知られる。実はその昔、クイズ番組荒らしとして、数多くの番組で優勝した雑学オヤジ。テレビ東京「TVチャンピオン」クイズ作家王選手権への出場経験があり、クイズ作家としての顔もある。