家や近所でできる!スポーツ学の先生に聞いた、ガチで効くダイエット法3つ

スポーツ学の先生に聞いた、ガチで効くダイエット法3つ


新型コロナウイルスの流行によって外出自粛の日々が続いています。
おうち時間が続くと普段よりもついつい食べ過ぎてしまったり、運動不足になったり。「ちょっと太ったかも?」と思っていても、なかなか運動に出かけられないジレンマ。

そこで今回は、摂南大学でスポーツ科学を専門に研究する藤林真美先生に、お家や近所でできるダイエット法や、ダイエットに関する知識を教えていただきました。

藤林先生によると、やはり「ダイエットは食事制限だけでなく、ある程度体を動かすことが必要」とのこと。その理由と、おすすめのダイエット法を早速チェックしていきましょう。

ウォーキング

 

【そもそも「ダイエット」に運動が必要な理由】


【1】食事制限のみダイエット=リバウンドしやすくなる

ダイエットは、ただ「体重を落とす」ではなく「適切な筋肉量を保持しながら、体脂肪量を落とすこと」だと考えましょう。「食事制限だけで体重を落とす」ことで、食事制限前より体脂肪率が増えた!とか、リバウンドした!という経験がある方も多いのではないでしょうか。

食事制限が続くと、体の中は「次、いつエネルギーが入ってくるのかな? わからないから、エネルギーはできるだけ節約して使おう」というモードになり、体脂肪をしっかり蓄える身体に変わります。さらに怖いのは、筋肉や骨まで痩せてしまうこと。その上極端な食事制限により「食事制限疲れ」を起こし、どか食いをしてしまう事もよくありますね。これは「脱抑制過食」と呼ばれる症状です。

【2】運動によるカロリー消費だけじゃない。有酸素運動の嬉しい効果

さまざまな体の仕組みにより、有酸素運動をすると筋肉の中でエネルギーの取り込み能力が高まる(エネルギーをたくさん消費する)システムが継続し、48時間は代謝が高く、エネルギーが消費されやすい状態が続きます

たとえば「ショートケーキ1個は350キロカロリーなので、ジョギングを1時間以上しないと350kcalのカロリーは消費されない」という計算。これは間違ってはいませんが、実はそう単純な計算式だけではありません。

【3】「筋肉量を増やす」ことで基礎代謝を上げる

また、生きているだけで使うエネルギー量「基礎代謝」はおそらく誰もが耳にしたことがあると思います。ダイエットするには高いに越したことはありませんが、この基礎代謝は「加齢により下がる」「体表面積が大きいと高い」「筋肉量が多いほど高い」という3つの要素が関わってきます。
年齢も、身長や骨格も、努力で変えることはできませんが、残るひとつ「筋肉量」は努力で変えられます。そのため、筋肉を肥大させる運動も必要になってきます。

これらがダイエットをするなら「運動」を取り入れてほしい理由です。

 

【おうちでできるおすすめダイエット】


ここからは具体的におすすめしたいトレーニングについて解説します。
美しい体づくりのためには、何かしら有酸素運動を行い、そこにできれば筋トレも加えるのがベストです。
おすすめしたいのは「日々の生活の中でちょこまか運動」「強い運動と弱い運動を繰り返すこと」そして「1日10分でできるサーキットトレーニング」。それぞれ説明していきます。

 

●ちょこまか・ながら運動


日常生活の中で、ちょっとした動きを面倒くさがらずにこまめに動くことは、実は重要です。
日頃ちょこまか動く人とじーっとしている人では、積み重ねで1日の総エネルギー量にかなりの差がつきます。これが1か月、1年となるとさらに差が広がり、日頃良く運動する人の方が健康に良く、生活習慣病の予防にもなります。

立っているときにかかとを上げ下ろしし、ふくらはぎの筋肉を動かす「ながら運動」もおすすめ。歯磨きのときなどについでに習慣化しておけば、継続すればかなりの効果があります。

<パソコンをよく使う方なら…>

キーボードを打つときによく使う筋肉を伸ばすストレッチがおすすめ。

1.体の前で両腕を伸ばして両手を外向きにして、その状態で両手を組みます。手を組んだまま両手をくるっと体に近づけ(ヒジ関節が回るイメージ)ひっくり返します。すると、前腕の外側、小指側が気持ちよく伸びます。痛い人はひっくり返す途中の「痛気持ちいい」ところで止めてください。ゆっくり気持ちよく伸びたら戻します。

2.次に、1.と手を入れ替えます。さっき右手が上だった場合は、今度は左手を上にします。そして同様に、くるっとひっくり返します。今度はさっきと逆腕の前腕が伸びます。左右差がある場合は、きつい方を無理せず、かつ丁寧に伸ばしましょう。

仕事や勉強の気分転換にこの運動を入れると、パソコン仕事で疲れた前腕の筋肉の疲労回復に効果的です。

 

●強い運動と弱い運動を繰り返す「インターバル運動」


強い運動と弱い運動を繰り返す運動を「インターバル運動」と呼びます。これは比較的楽に、短時間で効率良くできて、さまざまなメリットがある嬉しいトレーニング法です。

<インターバル運動のやり方>

家や近所でできる例を出すと、戸建てに住んでいるなら家の階段の上り下り。集合住宅にお住まいなら、外に散歩に出たときに「電柱めがけて早く歩き、次の電柱まではゆっくり歩くこと」を繰り返しましょう。

そのほか、心拍数を上げる→下げる→上げる→下げる…の緩急をつけて繰り返すものならなんでもOK。時間も特に決まりがあるわけでもないので、たとえば強30秒-弱30秒、強1分-弱1分、強1分-弱30秒など、体力に合わせて始めてみましょう。

<「強い運動」と「弱い運動」を繰り返す「インターバル運動」のメリット>

・短時間で効率良く体力を増進できる。
・一旦「弱い運動」で休憩を入れるぶん、きつい運動だけを続けるより楽なので、継続しやすい。
・普通にウォーキングや軽いジョギングをするときより、血糖値の上昇を抑制する効果がある。
・さらに、「ずっと同じペース」と「インターバル」でそれぞれ同じ距離を走ったとき、インターバル運動のほうが内臓脂肪をたくさん消費する可能性も最近の研究で示されています。

 

●サーキットトレーニング


サーキットトレーニングとは、有酸素運動と筋トレを交互に行うトレーニングのこと。軽いジョギングのような運動(有酸素運動)と何種類かの筋トレを交互に行います。途中で止まることがないので、結構ハードなトレーニングです。
今回おすすめしたいのは、「体の中の比較的大きな筋肉を使った筋トレ」と「その場で足踏み」を組み合わせたもの

具体的なメニューはこちら。

1 まずフロントランジを30秒、次にその場足踏みを30秒
2 次に腕立て伏せを30秒、その場足踏みを30秒
3 サイドランジ30秒、その場足踏み30秒
4 腹筋30秒、その場足踏み30秒
5 ヒールアップ30秒、その場足踏み30秒
6 背筋30秒、その場足踏み30秒

【MEMO】
フロントランジ…手を腰に当て、脚を大きく前後に開き、後ろ足のかかとを上げる。その後つま先と膝が一直線になるように、まっすぐ重心を真下におろしたのち上げることを繰り返す運動。左右交互に行いましょう。太ももやお尻の筋肉を鍛えます。詳しくはコチラ

サイドランジ…まっすぐ立ち、片足を肩幅の1.5〜2倍ほど真横に出す。横に出した脚のひざが90度程度になるまで上体を下げることを繰り返す運動。左右交互に行いましょう。太ももの内側を鍛えます。

ヒールアップ…かかとの上げ下ろしなど、立ったままふくらはぎの筋肉を動かす運動。ふくらはぎの筋肉を鍛えます。

最初は1セット、慣れてきたら増やしていき、3セットできるようになるのが目標です。
30秒間にそれぞれの筋トレを何回行うかの回数は体力などに個人差があるため、何回と設定はせず、とにかく30秒頑張ることがポイント。
ペースはゆっくりマイペースで、頻度も、毎日やりたければやっても良いですが、先ほどの「有酸素運動で代謝が高まる状態は48時間続く」ことから、1日おきでもOK。自分の身体とよく相談して無理なく続けましょう。
何よりも重要なことは、継続することです。

 

●たまにはウォーキングも


ダイエットを目的として運動をするとき、爽快感や達成感がないと継続は難しいものです。
いわゆるソーシャルディスタンスやマスクをつけるなどの予防を意識しながら、「できるだけ緑の多いところ」をウォーキングするのもおすすめ。

緑の多い場所における運動は、メンタルヘルスに対する効果があることが国内外の多くの研究者から報告されています。よって、まずは誰でも気軽にできるウォーキングから継続して頑張ってみよう、という方は、緑の多い公園や河川敷などを選ぶと心地よく続けることができるはずです。

 

●「サプリ」の取り扱いについて


運動の後にはたんぱく質を摂取すると良い、たんぱく質のサプリメントを飲むとやせる…という説がありますが、そうとは限りません。
サプリメントは、体内で不足している栄養素を補う場合には有効ですが、栄養素が凝集されたものなので、食事などで十分に摂れている場合は過剰摂取になり、肝臓や腎臓に負担がかかるなど、むしろ悪影響になるリスクも理解しておくことが重要です。

サプリ頼みになるのではなく、まずはお肉やお魚、大豆製品などでしっかり栄養素を摂ることを意識しましょう。

 

運動不足になりがちな日々。ぜひ気になるものから取り組んで、コツコツと継続してみてくださいね!

お話をうかがったのは…

藤林真美先生
摂南大学農学部(2020年4月新設)教授。博士(人間・環境学)。日本体力医学会評議員。大学スポーツコンソーシアムKANSAI理事。専門は運動生理学。栄養とスポーツ、加齢・メンタルヘルスとスポーツ等を研究テーマにしている。

構成/谷夏帆、後藤香織 写真/(c)Shutterstock.com
取材協力/摂南大学

 

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